ごあいさつ
J-RAIL(鉄道技術連合シンポジウム)は鉄道に関わる様々な分野の技術者、研究者が年に一回、一堂に会し、鉄道技術および鉄道に関連した政策を対象とする研究成果の発表を行い、相互理解を深めることを目的としたシンポジウムです。1994年より日本機械学会、土木学会、電気学会の3学会が毎年交代で主催しており、32回目となる2025年度は電気学会(交通・電気鉄道技術委員会)が主催させて頂きます。なお、今回より新たに日本鉄道接触力学会(JSCMR)が共催団体に加わることとなり、より多角的な議論が行われるようになることが期待されます。
さて、皆様ご承知のとおり、昨今の鉄道を取り巻く状況の変化には目まぐるしいものがあります。人口減少・地球温暖化などが鉄道経営に多大な影響を与えるであろうことは、かなり以前より指摘されていたことではありますが、いまや誰もがこれを肌身で感じる時代となりました。さらに、2030年のカーボンハーフ実現に向け、社会変容、あるいはわれわれ一人ひとりの行動変容もまた、先延ばしにはできない喫緊の課題となっています。こうした情勢においては、鉄道を単なる一つの技術分野として捉えるのではなく、社会全体のなかでの役割を再定義していくことが求められています。こうした議論の場として、鉄道分野の技術者および研究者が参集し、幅広く議論する場であるJ-RAILの役割は大きいと認識しています。
これまで首都圏での開催が多かったJ-RAILですが、今回は大阪・ATCでの開催となります。関西でJ-RAILを開催するのは32年の歴史で初めのことです。これを機会に、近畿圏をはじめとする西日本から多数の参加者が集い、さらに東日本地区からも多くの参加者が加わることにより、大阪の地においてこれまでにない新しい視点からの議論や問題提起が活発になされることを強く期待しています。
2025年6月
J-RAIL2025実行委員長
電気学会 産業応用部門 交通・電気鉄道技術委員長
池田充(ジェイアール総研電気システム)
電気学会 産業応用部門 交通・電気鉄道技術委員長
池田充(ジェイアール総研電気システム)