0.18μm CMOSプロセスを用いたnMOSFETの最大発振周波数の向上及び大信号モデリング
○山木 夏,高野 恭弥,楳田 洋太郎(東京理科大学)
近年,IoTの高まりとともに無線通信の高速・大容量化が進み,広帯域が使用可能なミリ波帯が注目を集めている.一般的に,ミリ波デバイスは高周波特性の優れた化合物半導体や先端CMOSプロセスが用いられるが,高コストであることが問題となっていた.そこで,低コストプロセスである0.18μm CMOSプロセスを用いてミリ波集積回路を実現するために,nMOSFETのレイアウトの最適化を行い,最大発振周波数(fmax)の向上を実現した.提案したnMOSFETを試作し,評価した結果,fmaxが従来に比べて25%向上し,50GHzとなった.また,電圧無依存の寄生抵抗成分と電圧依存の成分を分離するcold FET法を用いて,fmaxの周波数まで対応した大信号モデルを作成した.