情報処理学会第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日 会場:神奈川大学

これからの大学における一般情報教育とデータサイエンス教育

日時:3月15日 9:30-11:30

会場:第1イベント会場

【セッション概要】情報処理学会 一般情報教育委員会(GE委員会)では日本の大学における一般情報教育の調査を計画している.一方,データサイエンス教育委員会(DS委員会)では日本の大学におけるデータサイエンス専門教育の調査を計画している.本シンポジウムでは,これらの調査結果などを報告するとともに,現状を踏まえて,新学習指導要領で学んだ高校生が入学してくる2025年以降を見据えた日本の大学における一般情報教育やデータサイエンス教育の将来像についての議論を行う.議論の結果は,今後予定されている一般情報教育の知識体系(GEBOK)や一般情報教育のテキストなどの改訂、情報処理学会の次期カリキュラム標準にも反映できる.

司会

辰己 丈夫(放送大学 情報コース 教授)

辰己 丈夫

【略歴】1991年早稲田大学理工学部数学科卒業。2014年筑波大学博士(システムズ・マネジメント)。1993年早稲田大学情報科学研究教育センター助手。その後、神戸大学、東京農工大学を経て、現在、放送大学教授。本会広報広聴戦略委員会、一般情報教育委員会、教科書委員会、会誌編集委員会NWG、初等中等教育委員会、教員免許更新講習委員会の各委員等。2020年6月から2022年5月まで本会理事(新世代)。

9:30-10:00 講演(1) 大学における一般情報教育の現状

湯瀬 裕昭(静岡県立大学 経営情報学部 教授)

湯瀬 裕昭

【講演概要】 一般情報教育委員会では,情報技術の進歩による社会の高度情報化や,初等中等教育における情報教育の進展にあわせて,カリキュラム標準J17の一般情報処理教育の知識体系(GEBOK:General Education Body Of Knowledge)を改定してGEBOK2017.1を策定した.改訂されたGEBOKに基づいた教科書の作成,プレースメントテストの開発,GEBOKの普及に向けた活動等を行い,さらに次のGEBOKの改定に向けた検討を開始している.
 本講演では,これまでの一般情報教育委員会の活動について報告する.また,新たなGEBOK改定に向けて,日本国内の大学の一般情報教育の現状を把握するために全国の大学に対してアンケート調査を実施することを予定しており,その全国調査に先立って複数の大学に対して行う予備調査について報告する.

【略歴】1986年秋田大学鉱山学部電子工学科卒業,1988年同大学大学院修士課程修了,2008年東北学院大学大学院博士課程修了.博士(学術).1988年秋田県立西目高等学校電子機械科教諭を経て,1991年静岡県立大学経営情報学部助手.現在,同大学同学部教授,同大学ICTイノベーション研究センター長.情報教育,遠隔講義システム等の研究に従事.情報処理学会一般情報教育委員会委員長.

10:00-10:30 講演(2) 大学におけるデータサイエンス専門教育の現状

掛下 哲郎(佐賀大学 理工学部 数理・情報部門 准教授)

掛下 哲郎

【講演概要】データサイエンス教育委員会では,日本国内のデータサイエンス学部や学科などを調査し,専門教育の内容を分析した.本講演では,その結果について報告する.文部科学省による数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度の認定を受けた教育プログラムは,リテラシーレベルで382件,応用基礎レベルで147件ある(令和5年8月時点).これらは共通教育として2~4単位程度の規模でデータサイエンス教育を提供している.
 一方,我々の調査では,データサイエンス分野の専門教育を行っている大学の22の学部や学科などを対象とする.これらの学部や学科の卒業要件に基づいて履修計画を立案し,それに合わせてシラバス(授業計画)を収集した.その後,生成AIを活用して,情報処理学会データサイエンス・カリキュラム標準とシラバスに記載された教育内容を比較した.

【略歴】本会データサイエンス教育委員会 委員長として,本会データサイエンス・カリキュラム標準(専門教育レベル)の策定や,本会のデータサイエンティスト資格の制度設計やデータサイエンティスト育成戦略の策定や推進に取り組んでいる.IFIP IP3 Standards and Accreditation Council co-chair. ISO/IEC JTC1/SC7/WG20委員としてソフトウェア技術者資格に対する国際規格の策定にも従事.ソフトウェア工学,情報システム,情報専門教育等を専門とする.工学博士(九州大学).

10:35-11:30 パネル討論 2025年以降の大学における一般情報教育とデータサイエンス教育の将来像

パネル司会

辰己 丈夫(放送大学 情報コース 教授)

辰己 丈夫

【略歴】1991年早稲田大学理工学部数学科卒業。2014年筑波大学博士(システムズ・マネジメント)。1993年早稲田大学情報科学研究教育センター助手。その後、神戸大学、東京農工大学を経て、現在、放送大学教授。本会広報広聴戦略委員会、一般情報教育委員会、教科書委員会、会誌編集委員会NWG、初等中等教育委員会、教員免許更新講習委員会の各委員等。2020年6月から2022年5月まで本会理事(新世代)。

パネリスト

湯瀬 裕昭(静岡県立大学 経営情報学部 教授)

湯瀬 裕昭

【略歴】1986年秋田大学鉱山学部電子工学科卒業,1988年同大学大学院修士課程修了,2008年東北学院大学大学院博士課程修了.博士(学術).1988年秋田県立西目高等学校電子機械科教諭を経て,1991年静岡県立大学経営情報学部助手.現在,同大学同学部教授,同大学ICTイノベーション研究センター長.情報教育,遠隔講義システム等の研究に従事.情報処理学会一般情報教育委員会委員長.

パネリスト

掛下 哲郎(佐賀大学 理工学部 数理・情報部門 准教授)

掛下 哲郎

【略歴】本会データサイエンス教育委員会 委員長として,本会データサイエンス・カリキュラム標準(専門教育レベル)の策定や,本会のデータサイエンティスト資格の制度設計やデータサイエンティスト育成戦略の策定や推進に取り組んでいる.IFIP IP3 Standards and Accreditation Council co-chair. ISO/IEC JTC1/SC7/WG20委員としてソフトウェア技術者資格に対する国際規格の策定にも従事.ソフトウェア工学,情報システム,情報専門教育等を専門とする.工学博士(九州大学).

パネリスト

匹田 篤(広島大学 総合科学部 准教授)

匹田 篤

【略歴】1993年上智大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。1993年株式会社三菱総合研究所研究員(情報政策、メディアデザイン)。2001年広島大学助手、助教授を経て、2013年より現職。広島大学では全学のメディアリテラシー教育を担当。情報処理学会では、一般情報処理教育研究委員会、高等学校情報科教員研修委員会委員。主な研究分野は、情報リテラシー教育、博物館コミュニケーション。

パネリスト

中鉢 直宏(高崎商科大学 経営学部 経営学科 講師)

中鉢 直宏

【略歴】2000年慶応義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。2008年青山学院大学附置情報科学研究センター助手、その後、2014年島根大学教育・学生支援機構教学企画IR室助手、2016年帝京大学高等教育開発センター助教・講師を経て、2021年から現職。高崎商科大学では、データリテラシー教育やIRを担当。本会一般情報教育委員会、情報システム教育委員会の各委員。

パネリスト

石井 一夫(公立諏訪東京理科大学 工学部 情報応用工学科 教授)

石井 一夫

【略歴】公立諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科教授。博士(医学)、技術士フェロー、APECエンジニア、IPEA国際エンジニア、日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師。徳島市出身、1989年静岡薬科大学大学院薬学研究科博士前期課程修了、1995年徳島大学大学院医学研究科博士課程修了。2011年東京農工大学農学部農学府特任教授、2017年久留米大学バイオ統計センター准教授などを経て、2021年から現職に赴任。