情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

第5回中高生情報学研究コンテスト

日時:3月4日 13:20-15:20

会場:第5イベント会場

【セッション概要】今回で第5回目となる「中高生情報学研究コンテスト」を開催したい。2021年度からの中学校新学習指導要領の実施や、2022年度からの高等学校新学習指導要領の実施もふまえて、中学生なら技術・家庭科技術分野の「D 情報に関する技術」、高校生なら情報科に沿った探究活動など、情報学分野に関しすぐれた研究活動を行なっている中学生や高校生に、全国的な研究発表の場を与えるとともに、優れた研究を行った中高生に賞を与える。講評・特別審査員は田﨑丈晴先生(文部科学省初等中等教育局情報教育・外国語教育課情報教育振興室教科調査官)を予定している。 なお、募集テーマは以下の分野とする。(1) 情報の活用と表現(2) 情報通信ネットワークとコミュニケーション(3) 情報社会の課題と情報モラル(4) 望ましい情報社会の構築(5) コンピュータと情報通信ネットワーク(6) 問題解決とコンピュータの活用(7) 情報の管理と問題解決 (情報通信ネットワークやデータベースに関係する分野に限る)(8) 情報技術の進展と情報モラル(9) デジタル作品の設計・制作(10) プログラムによる計測・制御
Webサイト:https://www.ipsj.or.jp/event/taikai/85/85PosterSession/

進行

井手 広康(愛知県立小牧高等学校 教諭)

井手 広康

【略歴】愛知県立小牧高等学校教諭.愛知県立大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了,博士(情報科学).情報教育やゲーム情報学に関する研究に従事.情報処理学会初等中等教育委員会幹事,日本産業技術教育学会理事,日本情報科教育学会理事など.

13:20-13:25 オープニング

遠山 紗矢香(静岡大学 講師)

遠山 紗矢香

【略歴】静岡県立浜松工業高等学校情報技術科卒業,中京大学大学院情報科学研究科にて博士(認知科学)取得.現在,静岡大学情報学部講師.情報学と認知科学を基盤としたICT活用教育や協調学習の実践研究に携わってきた経験を活かし,小学校から大学まで幅広く対象としたプログラミング教育の実践研究を行っている.静岡県教育委員会「ふじのくに学校教育情報化推進計画策定委員会」副委員長も務めている.

13:25-13:30 共催団体挨拶

喜連川 優(国立情報学研究所 所長)

喜連川 優

【略歴】1983年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了.情報処理学会会長,日本学術会議情報学委員長を歴任.データベース工学の研究に従事.2013年より国立情報学研究所所長.ACM SIGMODエドガー・F・コッド革新賞,電子情報通信学会功績賞,情報処理学会功績賞,IEEE Innovation in Societal Infrastructure Award,日本学士院賞など.2013年紫綬褒章,2016年レジオン・ドヌール勲章.ACM,電子情報通信学会,情報処理学会フェロー.中国コンピュータ学会栄誉会員.IEEE Life Fellow.

13:30-13:35 会場大学挨拶

田野 俊一(電気通信大学 学長)

田野 俊一

【略歴】1981年東京工業大学制御工学科卒業.1983年東京工業大学院総合理工学研究科システム科学専攻修士課程修了.同年(株)日立製作所システム開発研究所入社.1990-91年CMU客員研究員.1991-95年国際ファジィ工学研究所.1996年電気通信大学 大学院情報システム学研究科助教授.2000-01年MIT客員科学者.2002年電気通信大学 教授.2020年より電気通信大学 学長.博士(工学).人工知能,あいまい理論,認知モデル,知的HCIの研究に従事.情報処理学会,電子情報通信学会,日本知能情報ファジィ学会,人工知能学会,ヒューマンインタフェース学会,日本人間工学会,言語処理学会,AAAI,IEEE,ACM各会員.

13:35-14:45 参加者間交流

14:45-14:55 休憩

14:55-15:05 表彰式

中野 由章(工学院大学附属中学校・高等学校 校長)

中野 由章

【略歴】技術士(総合技術監理・情報工学). 本会シニア会員,初等中等教育委員会委員長.情報オリンピック日本委員会理事. 日本IBM大和研究所,三重県立高校,千里金蘭大学,大阪電気通信大学,神戸市立高校を経て,工学院大学附属中学校・高等学校校長兼工学院大学教育開発センター特任教授. 山下記念研究賞(2015),学会活動貢献賞(2016),科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(2017),大会優秀賞(2018)

15:05-15:20 講評

田﨑 丈晴(国立教育政策研究所)

田﨑 丈晴

【略歴】国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官。文部科学省初等中等教育局における共通教科情報科及び専門教科情報科の教科調査官を併任。平成15年3月東京理科大学大学院修士課程経営工学専攻修了後,埼玉県私立高等学校,東京都立高等学校で情報科を,千代田区立中等教育学校で情報科及び技術・家庭科(技術分野)を担当し,東京都学校経営支援センター学校経営支援主事,東京都立中学校副校長を経て現職。


 
展示番号 チーム名・ポスタータイトル・チームメンバー
分野・ポスター概要
#001ウパプロジェクト 「脳波測定とモーショントラッキングを用いたメキシコサンショウウオの睡眠パターンの研究」
五十嵐 龍翔(学校法人羽黒学園 羽黒高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
本実験で用いる「ウーパールーパー」は、1980年代の珍獣「ウーパールーパー」ブーム以降、広く親しみを持たれている。
ウーパールーパーは、目の水晶を40日ほどで再生するという驚異的な再生能力を持ち合わせている。その再生能力に関する研究を全国の研究者達が何に起因する再生であるか、人間への再生医療分野への応用できないかなどを調査している。しかし、生活実態を始めとした生理学的研究の知見は乏しく、本研究によってウーパールーパーが何時に活動し、何時に睡眠を行っているかを調査する。
本研究によって睡眠パターンを解明する事ができれば、最大の特徴である驚異的な再生能力と睡眠時間を融合させた研究など、広く様々な研究に応用できると考えている。
#002(発表取消)

#003公益大鳥海塾方言研究班 「庄内方言および方言学習におけるデジタル教材に関する研究」
佐々木 みらい(山形県立酒田東高等学校 1年)
[情報の活用と表現]
近年、方言を話す機会や話すことができる人は減っていて、これからも減少すると考えられる。そこで、地域の文化であり財産である方言を残したいと思った。国立国語研究所の全国方言分布調査をもとに、地元で話されている庄内方言のデータ化を行い、さらに庄内方言の中での地域差について調査した。また、調査で得たデータを活用して、普段方言を話さない人でも方言を学ぶことができるデジタル教材を製作する。
#004言葉チーム 「言葉の黄金則について」
石垣 光喜(探究教室 ESTEM 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
校外学習などの学校行事において、持ち物などが思いついた順に書かれているように感じる。しかし、この単語の並びは、生徒側にとって分かりにくいという問題がある。そこで本研究を遂行することにより、そのような場面に出くわした時に、より良い文章ができるのではないかと考えた。持ち物の単語の並びがとても分かりにくかったため、もう少し分かりやすくできないかと考え、現在、私が通っている探究教室 ESTEM の生徒にアンケートを行った。その内容は、ひらがなやカタカナ、その単語の大きさや親近感、その物の特徴などを配慮して、6つの単語をピックアップし、被験者にその単語を並び変えてもらうというものである。この実験では、被験者が塾の生徒だけであり、データセットが不十分である。時間が余ったら、インターネットの力を借り、インターネットの人の住んでいるところ、年齢などのデータなども活用したいと考えている。
#005公益大鳥海塾スタンプラリーツール設計班 「ARスタンプラリーに用いる3Dモデルに対する関係データベースの最適な構造の検証」
澤田 羽衣(鶴岡工業高等専門学校 1年)
[情報の管理と問題解決]
データベースは生活の中で欠かせないものとなっている。例えばスマートフォンのアプリでのデータ管理など、身近なところでも利用されている。
筆者がジュニアリサーチャー制度で研究を進めている東北公益文科大学では、地域活性化のためのアプリを構築しており、筆者の研究チームではスタンプラリー開発支援システムの開発を行っている。
そのスタンプラリー開発支援システムでは3Dモデルを多用するため、それに合った構造のデータベースを設計する必要がある。
RDBを用いて3Dモデルのようなサイズの大きいファイルを管理するための仕組みとして、パスを利用する方法と モデルのデータをそのままデータベースに格納する方法があることがわかった。この2つの方法それぞれの特性を知るべく、簡易WebサーバやCLIを活用して検証を行った。
#006尾石井闇官舎間舎 「Node-GraphとRoslynを活用したプログラミングアプリケーションの開発」
根本 晃希(福島県立福島高等学校 2年),板橋 勇慶(福島県立福島高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
RoslynとNode-Graphを用いて、GUIによるソースコード生成を可能にするプログラムを作成しました。
#007ゲームAI班 「麻雀AI開発における畳み込みニューラルネットワークを用いた手牌読みモデルの実験研究」
渡邊 悠希(福島県立福島高等学校 1年),大山 峻(福島県立福島高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年四人零和有限不確定不完全情報ゲームである麻雀をプレイするAIの開発が盛んであるが、現在広く普及している麻雀AIに用いられている手法とは異なるアルゴリズムを用いた麻雀AIの開発を目指し、その全体の構造を考案した。その上で、全体の判断の基盤となる、麻雀というゲームの不完全情報性に対応するための手牌読みのモデルの開発を試みた。開発においては、用いる河のデータの特徴量となりうる要素が多く、またそのパターンが莫大であるという特性から、囲碁や将棋のAIにも用いられる畳み込みニューラルネットワークと呼ばれる手法を採用した。実際の麻雀の試合のデータを用いる前に、ルールを簡易化したゲームにおけるデータを用いて学習させてモデルを構築し、その精度を調べた。
#008MisFit 「学習を効率化するのに特化したアプリ開発」
菊池 悠聖(福島県立福島高等学校 2年),渡邉 健一(福島県立福島高等学校 1年)
[ディジタル作品の設計・制作]
 私たちの学校ではテスト範囲がバラバラに発表されます。これではテスト勉強に集中できず効率が悪いと考えました。テスト範囲をメモアプリでまとめて他の人に共有するなど対策は行ってきました。しかし、1人に任せっぱなしで責任が大きいという問題点があり最適解だとは思えません。どうしたらこの問題が解決できるか考えたところ、アプリを開発すればいいのではないかと思い、この研究を始めようと考えました。
 まずはどのOSでも使用可能なWebアプリとしてReactを用いて実装、のちにiOSやAndroid OSなど各種OSのアプリとして実装することを最終目標として研究を進めてきた。
また学習の効率化のために、課題通知機能、テスト範囲表作成機能、単語帳機能などを実装したいと考えている。
#009図書館班 「図書推薦システムの開発」
鈴木 結愛圭(福島県立福島高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
福島県立図書館では、東日本大震災後から図書館への来館者数が減っている。そこで、図書館の利用者数を増やすために、誰もが気軽に利用できる図書館を作ることを目標にした。そのために、利用者が読みたい内容について自由に打ち込んだ文章とあらかじめ読み込ませておいた推薦文を比較して、利用者が読みたい内容に最も近い本を推薦するプログラムを開発している。その先行研究では、集合を用いた方法を試している。利用者が打ち込んだ文章から自作関数でだした重要度の高い単語を取り出して、その単語が含まれている推薦文の集合を作り、集合が最も重なる推薦文を選び出す方法である。しかし、その先行研究の方法では、活用形の違いで集合から弾かれてしまう事例が見られた。そのため、単語ごとに区切る段階ですべてを単語を終止形にして推薦文の集合を作るようにすればさらに精度が上がるのではないかと予想した。
#010作曲AI班 「Magentaを用いた自動作曲システムの制作」
梅津 健矢(福島県立福島高等学校 1年),斎藤 俊太(福島県立福島高等学校 1年)
[ディジタル作品の設計・制作]
google社の提供するMagentaを用いてコード進行を指定したときにそれに適するメロディーを自動で生成するシステムの作成に関する研究。今後はこれにとどまらずメロディーに沿ったコード進行の生成など、発展的なシステムの制作をしていこうと考えています。文章や画像分野にあるような、その分野に全く触れたことがない人でも作品を生成できる革新的なプログラムが作曲分野にはなく、AIと作曲の結びつきはまだまだ弱いように感じます。このことから、作曲をしたことがない人に対して創作を始めるハードルを下げるために、本研究を行うことにしました。また、創作を始めるハードルが下がることによって今まで作曲に手を出せなかった人たちの参入が起こることから、今までに無いようなアイデアが登場し、最終的には音楽分野のさらなる発展が可能であると考えています。
#011チームTaro 「日本とフィリピンにおける一般的なサトイモの病気の検出 検出プロフグラムの開発」
日下部 壮(茨城県立竜ヶ崎第一高等学校 2年),山本 優真(茨城県立竜ヶ崎第一高等学校 2年),猪ノ川 大薫(茨城県立竜ヶ崎第一高等学校 2年),柴田 遥人(茨城県立竜ヶ崎第一高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちの研究はTaro(さといも)の葉の病気を画像分類することだ。
現在、環太平洋のさまざまな場所で、Taroの疫病の被害が確認されている。また、日本でも、平成26年頃から被害が確認されており、宮崎県で疫病の発生により収穫量がかなり減少した。そこで、日本とフィリピンの農家の皆さんにスマホで簡単に病気を診断できるようにAIを用いた画像診断システムを開発した。
私たちは、まずプログラムのデータベースを作成するための写真を集めた。より正確なものを集めるために多くの研究機関より写真を提供して頂いた。そして現在、CNNによる写真の特徴を学習することで画像を見分けられるプログラムの作成を行なった。400枚を超える学習データから正解率99%のプログラムを開発することができた。
#012しろわんこ 「愛犬のトイレのしつけをサポートする装置の研究」
百瀬 英香(鹿島学園高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私の家では犬を飼っている。犬のトイレのしつけ(用を足す場所を覚えてもらう)には正しい場所でトイレができたらすぐに褒めることが大切だそうなのだが、さまざまな理由で犬が用を足したことに気づかず、うっかりご褒美のおやつを渡し忘れてしまい、なかなかしつけがうまくいかない。この課題を解決するため、愛犬が用を足したことに気づいてほめるための仕組みを主にraspberry pieとPython を用いて作りたい。
#013スズキと愉快な仲間たち 「人混みの検証と原因、解決に向けての提案」
佐藤 響大(栃木県立宇都宮工業高等学校 2年),鈴木 怜央成(栃木県立宇都宮工業高等学校 2年),中川 晟寿(栃木県立宇都宮工業高等学校 2年),佐々木 友稀怜(栃木県立宇都宮工業高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
僕たちは韓国のソウルイテウォンで起きた群集事故を見て、今回の中高生情報学研究コンテストの研究テーマに決めました。
私たちの研究は、人混みにおいてどれだけの密度になると身動きが取れなくなり危険になるのかを、プログラミングを用いて双方向から人に見立てたブロックを移動させて、ぶつかったら少し横に避けるという前提条件下のもとプログラムを組み、様々な条件のシミュレートをすることでその密度をはかろうとするものです。
この研究で得られたデータは、ハロウィンや初詣など限られた空間に一時的に多くの人が集まることが予想される状況において人数規制の一つの指標となり、韓国のソウルイテウォンのような群集事故を未然に防ぐことに貢献できると思います。
#014SSHクラブ物理班缶サットグループ 「人工知能を活用した双機体連動プログラム」
山菅 一希(栃木県立栃木高等学校 2年),高岩 琥太郎(栃木県立栃木高等学校 2年),土屋 匠(栃木県立栃木高等学校 2年),加藤 秀汰(栃木県立栃木高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
 2024年以降人間が直接月面に向かうことも予定されている現在、私たちは、惑星探査の安全性の確保という観点から、障害検知ローバー(先行機)と追従ローバー(後続機)の2台による探査を想定し、それらを連動させるプログラムを作成した。
 私たちは両手に収まるほどの大きさの模擬的なローバーを2つ作製し、人間の操縦なしで連動させ、縦列走行させることを目指し、後続機に搭載する人工知能を作成した。
 その結果、後続機に搭載されたカメラが先行機を撮影、人工知能が分析することで、先行機と後続機の位置関係、車間距離を一定に保ち、先行機が右折、左折したとしても縦列走行を続行できるシステムを構築した。
#015ラズパイがメイン機 「calligraphy gan」
山田 一雲(矢板東高校 2年),鈴木 皓太(矢板東高校 2年),鈴木 雄河(矢板東高校 2年),栗田 煌生(矢板東高校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
日本文化である書道は筆と墨を使い、その特徴を駆使し字を書く。その創作的な活動をGANを活用し生成できたならば面白いのではないだろうか。また、書道は失われた物が多く存在する。書道界の偉人の字を筆跡などからプログラミングを用いて再現することができれば研究や解析、鑑定の手助けになるだろう。
#016高々物理部_吹部 「ニュースにおける特定単語の文脈の変遷」
寺田 光里(群馬県立高崎高校 2年),高田 悠希(群馬県立高崎高校 2年)
[情報の活用と表現]
本研究では、ニュースサイトの見出し語などから、特定の単語の前後の単語、つまり単語の使用される文脈の変遷を調べた。
例えば、ニュースにおける「支援」という語は2021年には「ヤングケアラー」などに関連して使われていたが、2022年度には「ウクライナ」と共に使われる、というようにその使用される文脈は変化し、昔の課題やトレンドは忘れられてしまっていた。また、「五輪」の周りで使われる単語は、2019年までと2020年以降で大きく変化しており、2020年以降では「不安」「危機」といった負のイメージの単語と共にニュースになっていた。
本研究では、時間による単語の文脈・イメージの変化の調査を行っており、従来の「単語の出現回数」や「全体での単語間の繋がり」のみではわからない、時期による特定単語の関連する語句の変化や、あるイベント・企業のイメージの変遷、忘れられてしまった課題などを調べることを可能とした。
#017等比ドミノ 「徐々に大きくなるドミノは永遠に倒れ続けるのか」
小山田 篤司(群馬県立高崎高等学校 2年),石川 礼人(群馬県立高崎高等学校 2年),富田 耀大(群馬県立高崎高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
 普通、ドミノは永遠に倒れ続ける。しかし、徐々に大きくなるドミノはどうだろうか。徐々に大きくなるドミノが倒れるのを見ると、速さがだんだん遅くなっていく様子が見られると思う。ならば、どこかのタイミングで止まるのではないだろうか。もし止まるのならばそれは何個目だろうか。実際にドミノを倒してみようとおもっても、現実世界では立てられるドミノの大きさにに限界がある。そこでunityの物理エンジンを用いて徐々に大きくなっていくドミノを倒すシミュレーションを行うことにした。
 ドミノの増加率、空気抵抗、摩擦力などのパラメータを考慮、変更し、どの条件でどのように倒れるのかを調べる。特にドミノが倒れ始めてから次のドミノに接触するまでの平均の速さに注目し考察する。
#018高崎高校課題研究11班 「授業中の学習行動と学力の相関」
中澤 義貴(群馬県立高崎高等学校 2年),井上 悠也(群馬県立高崎高等学校 2年),田中 凌雅(群馬県立高崎高等学校 2年),湯浅 吏宮(群馬県立高崎高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
学力の向上に影響を与えるのは勉強時間だけでなく、それ以外にも様々な要素があるのではないかと考えた私は、学力の高い人とそうでない人には姿勢などの学習行動に差があるのではないかと仮説を立てた。インターネットで先行研究を調べると、数人の被験者でテスト中の学習行動とそのテストの点数の相関を取っている研究はいくつかあったが、どれも問題を解く、つまりアウトプットについての研究だった。そこで、私は知識を取り込むとき、つまり授業中の学習行動とその授業内容の定着度の関係に着目した。私たちはまず、画像認識AIを用いて被験者が授業中に顔をどのくらいの時間上げているのか下げているのかを数値化する装置を開発した。その装置で授業中の被験者の姿勢と加速度センサーを用いて手の動きを測定する。このようにして得たデータと授業内容の復習テストの点数との相関を被験者50人を対象に取ることを目標としている。
#019High Well Pond 「お留守番モニターで安心サポート」
髙橋 拓(群馬県立高崎高等学校 2年),池上 劉虎(群馬県立高崎高等学校 2年),井田 翔琉(群馬県立高崎高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
 地域のメールで時々、高齢の方が外出したまま行方不明になってしまったという話を聞く。実際の所、近年徘徊による行方不明者数は増加している。そこで、家に誰がいるのかを把握することのできるツールを開発することで、他の場所にいても、思わぬ外出に早急に気づくことができるのではないかと考えた。
 音声認識の学習や人感センサーの活用などにより、不慮の事故を未然に防ぐことを目的としている。自宅にいる人を把握することは、徘徊による行方不明の危険性を低くするだけでなく、子供の帰宅を連絡無しに確認することが出来たり、災害時に自宅にいる人と外出中の人を素早く把握できたりする。
#020つる舞う形の群馬県 「Loneliless~上毛かるたの新たな助っ人~」
中井 匠(群馬県立高崎高等学校 2年),松本 俊貴(群馬県立高崎高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
<背景>
群馬県には「上毛かるた」という伝統的なカルタがある。各育成会ごとに腕を鍛え、校区大会、市大会、県大会と駒を進めていくのだが、近年の少子化で、育成会の人数に極度なばらつきが生じ、『人数が少ない育成会はそもそも上毛かるたの練習が行えない』という傾向にある。そこで、『現実で、そして、1人で』カルタの練習をすることができる装置を開発している。
<新規性>
今まで2人以上またはデジタルの画面上でしかできなかったカルタという競技が1人で、そして実際に畳の上で、できるようになるという点である。また、この研究で開発している装置は特に「上毛かるた」に焦点を当てているが、それだけではなくて、様々なカルタで利用することができるだろう。
<進捗>
現在我々はARマーカーを絵札に貼ることでカルタの位置情報を認識することに成功している。今後、ARマーカーにより、プレイヤーがカルタを取ったか否かの情報解析を進めていく。
#021Q-BAND 「量子回路での確率3分の1の検討と量子コンピュータを使った音楽作成アプリの開発」
田中 花菜(群馬県立尾瀬高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
本研究では、量子の特性を生かし、量子コンピュータを使って音楽を作成する方法について考察した。量子コンピュータは古典コンピュータ(現在一般的に使用しているデジタルコンピュータ)よりも1億倍速く計算できるともいわれるが、量子コンピュータは確率振幅を利用した計算により確率的に複数の解を出すという特性があるので、我々が考案した音楽作成の方法で、その特性を活用することができた。というのも音楽のような芸術は正解が無いため、この量子の特性は音楽と相性が良いのではないかと考えたからである。実際には古典コンピュータのプログラムと量子コンピュータの併用という方式だが、この方法を使えば、「誰でも・簡単に・あっという間に」音楽を作成することが可能であると考えた。音楽作成の過程で用いる量子回路を実装したところ、確率的要素を持ち、音楽作成に用いるために必要とする想定通りの挙動を示したため、量子コンピュータを用いた音楽作成の実現可能性を示すことができた。
#022尾瀬高校自然環境科 「利根片品地域の自然環境の魅力と課題 ~環境専門科目でGoogle Earthを活用した学習成果~」
小石 海茅(群馬県立尾瀬高等学校 2年),入澤 菜月(群馬県立尾瀬高等学校 2年)
[情報の活用と表現]
自然環境科では学校独自の環境専門科目を通して、3年間を通して毎月1回程度、学校周辺にある尾瀬や武尊山などで自然観察会や自然環境調査をテーマにした校外実習を行っている。実習ごとの学習成果は主にA4で2枚程度のレポートにまとめているが、今回、新しい試みとしてGoogle Earthのプロジェクト機能を用いて、自分たちの手で得た「地域の自然環境の魅力や課題」に関するあらゆる情報をまとめた。この際、野外で得られた多くの情報をどのように地図媒体にまとめるか、自分たちが持っている独自の情報やGoogle Eatrhで公開されているオープンな情報を組み合わせた効果的に表現方法を意識した。そして、1月には県内他校と合同で学習成果発表会を行い、実際にGoogle Earthを操作し、地域の魅力や課題を他者と共有した。これらの活動を通して、実際に野外で情報を得る手段や工夫についてや情報をどのようにまとめ、効果的に他者と情報を共有するかについて、ポスターにまとめた。
#023NexT 「農業お知らせ装置」
濱田 尊琉(開智高等学校 1年),吉田 湊悟(東京電機大学高等学校 2年),横山 彩夏(麗澤高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
日本の農業では担い手の減少・高齢化の進行等により労働力不足が深刻な問題となっており、ロボット、AI、IoTなど先端技術を活用するスマート農業の推進が求められています。
そこで私たちは温度調整、水やり、侵入者対策を自動化したビニルハウスを作ることを目標として、micro:bitと温度センサー、土壌水分センサー、人感センサーを使った農業支援装置を作成しました。センサーは5度以下もしくは25度以上になったときに受信機に温度を送信し、土壌水分センサーは水分量60%以下になると通知を送信し、人感センサーは赤外線信号を感知したときに受信機側に警告を送るように設定しました。
この装置は温度調整、水やりの自動化、侵入者の発見をすることが可能です。
加えてインターネット回線を用いた管理や台風や強い風が来た時の対策として風センサーも製作したいと考えています。
#024Nγ 「チャットボットを用いた体温入力システムの開発」
伴瀬 智哉(埼玉県立浦和工業高等学校 3年),山口 竜生(埼玉県立浦和工業高等学校 3年)
[ディジタル作品の設計・制作]
現在コロナの感染拡大予防のため様々な場所で体温入力が使用されている。本校でも使用されているが、携帯やパソコンなどで入力しているため、携帯を忘れた場合や通信制限で入力出来ないことがある。そこで、三年間で学んだことを生かし、全校生徒が使用できる体温入力chatbotを作ることにした。作成した作品は2つである。
 1つ目は対象を生徒に絞った、ソフトウェアの開発である。本校ではGoogleのサービスを利用して行っているが、個人の端末で行うため入力の頻度にばらつきがある。そこで、生徒の多くが利用するLINEアプリから体温入力することで入力の漏れを軽減できると考えた。
 2つ目は来場者名簿の電子化を意識したソフトウェアの開発である。元々は、名簿用紙にペンで書き込んでいたため、事務員が名簿用紙の印刷や来場者一覧を記録するなどの管理が必要であり、手間となっていた。そこで、ウェブ上で管理することで負担を軽減できると考え、取り組むこととした。
#025deruta 「小中学生用3DCAD教材の開発と講習会の実践」
東﨑 咲良(埼玉県立浦和工業高等学校 3年)
[ディジタル作品の設計・制作]
現代の世の中で3Dモデルや3DCADを使った職業が増えていきSociety5.0というサイバー空間とフィジカル空間を融合させる目標を取り入られている。その中でデジタルファブリケーションという、デジタルデータを利用し、個人でも手軽にものづくりをできるようになっている。それにより、老若男女関係なくPCひとつでものづくりに関わることができる。そうした環境の中、現在の小学生や中学生がCADに対応することは必要であると考えた。
そこで、小学生や中学生がCADを少しでも分かりやすく、関心を持てるような教材の作成をすることとした。使用するソフトウェアは(株)アバロンテクノロジーズが提供する「作ってみよう」を用いた。実践は小学生に2回、中学生に3回行った。作成した作品は3Dプリンタやレーザー加工機にて出力することで小中学生の3DCADへの関心を高めることができた。
#026U-TECH 「3DCADを活用した学校生活の問題解決」
篠原 令音(埼玉県立浦和工業高等学校 1年),坂田 憲伸(埼玉県立浦和工業高等学校 1年)
[ディジタル作品の設計・制作]
学校の授業で3DCADについて学んだ。
この技術を使い身の回りの生活で困っていることを解決できるのではないかと考えた。
そこで、今回は身の回りの生活を学校に絞って検討・検証することとした。
まず一つ目が黒板の粉受け掃除用品だ。毎日の清掃にて、ぞうきんを用いてチョークをふき取っているが、手がうまくはまらず何度も雑巾がけをしないといけない。そこで、各教室の粉受けに合わせたぞうきんを挟む掃除用品があればどんな人でも簡単に掃除できると考え作成した。
二つ目がドアストッパーだ。コロナ過の中で換気に取り組むためドアを開けているが、ドアストッパーがなく椅子を立てかけている。ドアを開けて通るときに椅子であると通りにくさがあるため、ドアに合わせたストッパーを作ることとした。
これらの作品は実際に3Dプリンターで出力し効果の検証を行い、最適な形を考えた。
完成した作品は学校内で実際に活用している。
#027竹村望菜 「VRによる物理シミュレーション」
竹村 望菜(芝浦工大柏高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
本研究の目的は、物理を理解しやすくすることによって、物理に対する興味を深め、苦手意識を軽減することである。この研究の背景として、高校生の中で物理の勉強が好きではないという人の割合が他の教科に比べて高くなっているという結果が実際に示されている。そして、私はその一因として、物理で起こっている現象を実際にイメージすることが難しいからなのではないかと考えた。そこで、近年発達しているVRを用いて、実際に物理現象のシミュレーションを作成した。今回は、反発係数を用いた物体の運動を再現する物理現象として選択し、unityを用いて作成した。また、このシミュレーションを用いてアンケートを取り、VRの活用が物理の学習意欲の向上につながるかどうかの検証を行った。結果としては、VRによって物理に対する興味が深まったという人の割合が高く、また、VRを用いることでイメージを掴みやすくなるだろうと考察結果が得られた。
#028自己肯定感高め隊 「人工無能を用いて自己肯定感の向上を試みる」
田中 芹菜(千葉県立柏の葉高等学校 2年),大森 ちはる(千葉県立柏の葉高等学校 2年),安部 咲人(千葉県立柏の葉高等学校 2年),石黒 櫂斗(千葉県立柏の葉高等学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
令和元年に行われた内閣府の調査では、日本の若者の「自己肯定感」は諸外国の若者に比べて低く、欧米など先進国6ヶ国との比較ではもっとも低い値であったことが問題視されている。そこで私たちは自己肯定感を上げるため、人工無能を用いた自分自身を満足させる研究を行った。人工無能とコミュニケーションツール(LINE)を用いて、チャットボットに応答させるという形で作成した。自己肯定感を向上させる為には、まずは誰かに肯定される経験が必要だろう、繰り返し褒められる経験が必要であると考えた。しかし人間同士の会話ではどうしても気を遣ってしまい、直接には頼みづらい。求めるレベル、クオリティで繰り返し褒められる経験を積むのは難しいと考え、今回は試作品として、人工無能にひたすら褒められることで自己肯定感の向上が見られるかどうかを実験した。
#029創英角ポップ隊 「特殊な作業をより簡潔・効率的にするためのデバイスの開発」
林田 想良(千葉県立柏の葉高等学校 2年),音羽 暁斗(千葉県立柏の葉高等学校 2年),中里 心(千葉県立柏の葉高等学校 2年),山﨑 美羽(千葉県立柏の葉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
コンピュータで何らかの作業を行う際には、専門的であるほど特殊な操作が必要とされることが多い。すると、作業内容ではなく「特殊な操作」の習熟に時間がかかってしまうという問題に着目した。そこで我々は特殊な操作をより簡潔・効率的にし、作業に集中できるデバイスを開発することにした。特殊な操作や多くのショートカットはマクロキーボードを作成することで解決した。今回は特殊な作業例としてDTMのミキシング・マスタリング作業を想定した。16のボタンと2つのつまみを搭載し、そのボタンに「元に戻す」や「直前に再生したところから再生しなおす」などの、作業時によく使う機能を割り振った。今回はDTMに特化させたものを発表するが、デバイス自体には汎用性を持たせており、使用するアプリケーションに合わせ、任意な機能を割り当てることができる。ジャンルごとのファームウェアを充実させていき、特殊な作業へのハードルを下げていきたい。
#030音響外傷なくし隊 「音響外傷を無くす装置の開発」
鈴木 健太(千葉県立柏の葉高等学校 2年),長島 由佳(千葉県立柏の葉高等学校 2年),国府田 柚生(千葉県立柏の葉高等学校 2年),関口 桜希(千葉県立柏の葉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちは聴力障害である「音響外傷」に着目した。近年、患者数は増加傾向にあり、この健康被害を防止する為のスピーカーを開発出来ないかと研究している。特に今回は、音響外傷の原因として4割を占めているイベント会場のスピーカーに焦点を当て、リスナーの位置に関わらず、バランスよく一定の音量を実現できないかと試みている。現在試作しているスピーカーは出力部を9つに分割し、個々での音量調整と方向転換の制御を行っている。防音設備のある音楽教室で「耳への影響を少なくかつ音を均等に伝えられる」音量・方向が実現できないかと模索し、実験を続けている。試作品が小型にモデル化したものであったため、教室という狭い空間でしか実験できていないが、今後は実際のライブ会場などを想定した広い空間での実験を行い、改良を重ねたい。
今回は試作品を作るうえで工夫した点や実験の結果、考察について発表する。
#031開発者 「多機能タスク管理アプリの開発」
堀 慧弥(千葉県立柏の葉高等学校 2年),南 岳杜(千葉県立柏の葉高等学校 2年),上城 優輝(千葉県立柏の葉高等学校 2年),和佐田 翔(千葉県立柏の葉高等学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
私たちは日々の生活で行われる様々なタスクの管理について改善したいと考えた。既存のタスク(ToDo)管理アプリでは自ら登録したタスクの名称が並ぶばかりで、タスクの消化を促す仕組みが不足しているのでは、と考えた。提案する解決方法として、例えば同じタスクに臨んでいる人の進捗が見られたり、そのタスクに重み(難易度)付けが出来たり、もしくはすでにタスクを消化した人から情報提供などがあれば有効ではないかと考えた。既存のタスク管理アプリをいくつか探したものの、全てを解決するアプリを見つけることができなかったために、私たちで開発することにした。
タスクをオンライン上に保存され、そのタスクに関する情報交換などを可能にすることで、より効率的なタスクの消化を促したい。使用言語としてはJavascript,CSS,HTMLを用いており、今回は試作品である「やること管理スト君」というアプリを紹介したい。
#032kushida 「顔認証を用いた出席状況の確認」
佐久間 大和(千葉県立柏の葉高等学校 2年),長谷川 大翔(千葉県立柏の葉高等学校 2年),佐藤 勇翔(千葉県立柏の葉高等学校 2年),内山 雄翔(千葉県立柏の葉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちは、毎日行われている出欠席の確認という作業に着目しました。同じ手順で繰り返されており、これは機械による自動化が出来そうだったからです。求めている仕様としては、生徒の出席状況が(主に保護者や先生に)簡単に、しっかりと伝わる、ということです。今回は顔認証を用いて出席状況を確認することにしました。まずカメラセンサーによって顔を撮影し、Raspberry Piで顔データの数値化、そこで得た値をもとに顔認証を行います。上手く認証されたら保護者と先生に通知が送られるという仕組みになっています。問題点としては①顔認証のデバイスに限りがあり、並ぶ場合は時間がかかってしまう、②スマホの写真等でも顔認証が行われてしまう、ということです。今後の展開としてこの2つの問題を解決するために顔認証の精度を上げたり、顔認証以外にも指紋認証などを用いたり、デバイスの数を増やすなどの対策をしたいと考えています。
#033LBE 「UnityとBlenderを使用した仮想空間内での遊び場製作」
野坂 綾音(千葉県立柏の葉高等学校 2年),井手口 心(千葉県立柏の葉高等学校 2年),松本 佐紀(千葉県立柏の葉高等学校 2年),梅川 凛(千葉県立柏の葉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちは、新型コロナウイルスの影響から、気軽に人と会うことが困難になってしまった世代である。今なお、離れた場所にいる友人や親戚と気軽に遊ぶことは難しい。そこで、この問題を解決するために「時間と場所にこだわらない遊び場」を仮想空間内で作ることにした。アミューズメント施設等をイメージし、移動時間や場所、店舗の営業時間や天候すらも気にせずに遊ぶことができる空間だ。実際に会っているような感覚を表現するためにVR技術を採用した。そして利用者自身が自由に遊び場を作り変えられることを目標とした。現在はオブジェクト(遊具)をワールド(VR空間)に設置し、複数人が実際に遊べるようになったところだ。さらなる発展として、遊び場を限定的な用途にとどめず、国際的な出会いの場や、入院患者と離れて暮らす人など、様々な制限のある人のための場として、この新しい社会におけるコミュニケーションツールを開発していきたい。
#034半分紫 「日程調整を効率的に行うためのアプリ作成」
平山 勇吾(千葉県立柏の葉高等学校 2年),保科 貴博(千葉県立柏の葉高等学校 2年),串田 篤紀(千葉県立柏の葉高等学校 2年),阪本 飛夏(千葉県立柏の葉高等学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
最近は新型コロナウイルスの感染拡大による混乱も落ち着きも見せており、学校ではグループワークをする機会も増えつつある。直接会う、話すなど、交流の機会が増えていく中で、私たちはメンバー間で予定調整をする際の手間を軽減したいと考えた。直接会って何かしようというときに、人数が増えれば増えるほど調整の手間は多く、どこまでを妥協案として採用するかという問題点がある。また、現存の日程調整アプリでは人それぞれに優先度を振ることができず、妥協案の日程では重要な人物が参加できない、というケースも散見された。そこで私たちはイベントごとに参加者に対して優先度を割り当て、現実的な妥協案と日程の候補を抽出しようと考えた。試作段階では既存の日程調整アプリが提供するAPIを用いて、メンバー事の空き日を取得し、優先度の重み付け、それらのステータスを参考にしつつ、可能な限り参加人数の多い候補日を算出できるようにした。
#035THE ULTRA FEERING UP 「複数の観点から行動を促すツール」
針谷 香澄(千葉県立柏市柏の葉高等学校 2年),MALAKAR PIYUSH(千葉県立柏市柏の葉高等学校 2年),神谷 颯大(千葉県立柏市柏の葉高等学校 2年),桑谷 はるな(千葉県立柏市柏の葉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
課題提出の期限が迫っているとき、取り組まなければいけないとわかっているハズなのに、中々行動に移せないことがある。この一連の流れを課題として捉え、複数の観点から行動を促すツールを作成した。身体の覚醒には順番がある(耳→体→脳)という論文に従い、音楽やストレッチを行いながら行動を促していく。小さな行動を重ねて徐々に行動に移すというスモールステップも用いることにした。一度にたくさんの作業をすることは避け、ストレスの少ない状況で課題に取り組める(少なくとも意欲がわく)ように設計した。現在(応募時、2022年12月)はscratchというツールを用いた試作品が出来ているが、より汎用性を持たせ誰でも使いやすくするためにスマートフォンでも起動できるアプリの制作に取り掛かっている。まだ有用性の確認ができておらず、今後は実証実験に取り組みたい。また、デザイン性においても誰が見てもわかりやすいようなUIを考案していきたい。
#036赤点ズ 「VR空間上で発表の練習をするシミュレーターの開発」
大川 優(柏の葉高等学校 2年),城石 匠海(柏の葉高等学校 2年),田中 来希(柏の葉高等学校 2年),上田 一翔(柏の葉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
2019年に行われたベースメントアップス社の「仕事に関する意識調査アンケート」の結果によれば、人前での発表が苦手な人は84%とかなり多いことがわかる。 そこで我々は本番に近い環境下で練習をすることで経験不足による緊張を軽減し、発表に苦手意識を持つ人の問題を少なからず軽減できるのではないかと考えた。 とはいえ、本番に近い環境を現実で用意するのは、特に観客を集めるという点で難しい。そこVR空間上に疑似的な仮想空間と観客を生成することで、本番に近い環境下での練習ができるのではないかと考えた。 仮想空間には体育館やスライドの投影機、レーザーポインターなどを用意した。また、50体程のアバターを配置し、そのアバターに観客がとりうるモーションを設定することで、より本番環境に近い練習ができると考えた。観客が声量や視線に反応したり、発表の出来を客観的に確認出来るような仕組みも導入したいと鋭意製作中である。
#037Um西社 「共有できる傘立てによる不要な傘の購入抑制」
安西 仁(柏の葉高等学校 2年),水田 淳(柏の葉高等学校 2年),生井 蒼士(柏の葉高等学校 22年),島田 崇歩(柏の葉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
日本における傘の消費量は年間で約1.2億本以上といわれている(日本トレンドリサーチ調べ)。特にビニール傘は約8000万本と割合の多くを占め、その多くが使い捨てられている。また、傘の落とし物件数は年間で約24万件という報告も見た。そこで、私たちはこの問題を解決するために傘のシェアリングサービスを目的としたアプリの開発と、アプリと通信できる傘立ての開発を試みた。誰でも簡単に利用できる傘立てがあれば、無駄な傘の購入を削減でき、消費量を少しでも抑えることができると考えたからだ。駅などで廃棄される傘をシェアリングサービスに回し、その在庫数などをスマートフォンでリアルタイムにわかるようにすることで、無駄な消費を少しでも抑えられるようにしていきたい。
#038玉川学園のサイエンス部AI班 「競技プログラミングにおけるAI_Programmerの有用性」
清水 陵佑(玉川学園高等部 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
「AI Programmer(以下AI)」は日本語で書かれた問題文を理解し、その問題を実行するためのプログラムを自動的に作成してくれる。そこで、AIが現在どのレベルのプログラミングが可能なのか、どのように命令文を作成すると、より精度の高いプログラムを生成してくれるのかなどを調べてみたいと思い研究した。今回はAtcoderにて提供されている初心者用プログラミング問題集であるabc問題をC++でどこまで解けるのか実験した。問題文の表現を変えたり追加の条件を加えるなどの工夫によって正解のプログラムを作成できるかを調べた。研究結果としてAIは日本語の文章を理解できるとは言え、一文が長すぎると正しく理解できなかった。条件ごとに文章を区切ったり、数式で捕捉することで、正確に理解できるようになった。本論文の実験でAIを使用する際、補助的な役割として利用することには有用性を感じた。
#039玉川学園サイエンスクラブ ロボット班 「迷路内を自動走行するレスキューロボット」
浦田 大智(玉川学園高等部 2年),齋藤 ゆい(玉川学園高等部 2年)
[プログラムによる計測・制御]
私達は人の踏み入れられないような場所に入り被災者を探索するようなロボットを作りたいと考えている。今回は特に建物の中の壁をPSDセンサーで感知して、壁をよけながら自動的に走り続けるロボットを製作した。ロボットの進んだ方向と進んだ距離からロボットの現在地を確認できるようにした。右の壁に沿って走ることで、建物内を一周して確実にスタート地点に戻ってこれるようにした。スタート地点に戻ってきたことを認識して停止することに成功した。また、建物内に大きな穴などの障害物に見立てた黒い場所を作りそこへ落ちないように避けながら走れるように改良した。さらに、被災者に見立てた赤と緑の紙をコース内に配置し、それをカメラで発見できるようにした。カメラは、AI学習型のもので色を覚えさせることによって、認識を行っている。
#040國吉仁志 「ロボットの言語と動作の統合学習」
國吉 仁志(玉川学園高等部 1年)
[情報技術の進展と情報モラル]
私は人と協調作業するロボットの開発を目指している。
PRAEは言語と動作の統合学習モデルである。PRAEには言語と動作のペアデータが必要で、大量の用意は難しい。そこで、私は人同士の長時間の協調作業からロボットが機械学習する方法を提案する。
人同士の作業には無関係な動作も含まれるため、学習データから無意味な動作のマスク生成を行う機械学習モデルを開発する。また、モデルの検証タスクとして、アーム移動タスクを提案する。
提案モデルで生成したマスクを用いてPRAEを学習したところ、マスクなしより誤差が減り、良く学習できた。提案モデルを利用して、人同士の作業から必要なデータを取り出すマスク生成に成功した。また、人の作業を模したデータから、必要な動作をマスクしたことで、正しく言語と動作の統合学習に成功した。マスク生成は十分に有効であり、これによりPRAEに必要な教師データの自動生成が可能になると期待できる。
#041玉川学園サイエンスクラブ(中学) 「OpenMVを用いた文字認識」
原田 悠世(玉川学園中学部 3年)
[問題解決とコンピュータの活用]
今回はOpenMVカメラを使い文字認識を行った。プログラミングにはOpenMV ideを使用した。
文字認識は3つの方法を試して比較した。1つ目は、カメラ画像から文字の長い直線の位置を独自の方法で抽出し文字認識を行った。2つ目にOpenMV ide内で定義されているblob関数という丸さと凹凸の割合を知ることができる関数を利用して、画像内の曲線の部分の情報を1の方法に追加して改良できた。
3つ目は、機械学習による文字認識を行った。これまで機械学習は、大きな計算能力があるマイコンでなければできなかったため、OpneMVカメラに内蔵されたマイコンではできなかった。しかし、今回利用したEDGE IMPULSEは、機械学習してニューラルネットワークを構築するまでをWeb上で行えるため、OpenMVでも機械学習による文字認識を行うことが可能であった。結果として2つ目の方法と同等以上の認識精度を得る事ができた。
#042WIZARD 「Xcodeを用いたアプリによる英単語のより効率的な学び方を年齢別の視点から考える」
木村 祐介(慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
世界で国際化が進む中、母国語以外の言語の習得が求められています。さらに、近年、人々がより活発に活動をすることでの環境問題や国家間の紛争など、最近では新型コロナウイルスが世界的に蔓延したりと、さまざまな社会問題が発生しています。それら課題の根本的な解決方法として、他国との協力は不可欠ですが、それには世界共通語に位置付けられている英語をお互いにスムーズに使える事が必要となります。
しかし、自分も含めて多くの学生が英単語を記憶をすることに、苦労をしている現実があります。その課題に少しでも貢献できるようにする為、英単語のより効率的な学び方を年齢別の視点から考え、その方法を提案します。さらに、勉強方法の検証方法として、X-codeを用いて開発した英単語学習アプリを使用し、各学年の方に学習してもらい、その後、テスト結果から年齢別にとって一番効率的な方法を検討し、提案します。
#043(発表取消)

#044芝浦工業大学付属高校チーム4 「統計学的手法を用いたPK戦の分析」
正村 壬賀佐(芝浦工業大学付属高等学校 1年),村井 郁瑛(芝浦工業大学付属高等学校 1年),河崎 真幸(芝浦工業大学付属高等学校 1年)
[情報の活用と表現]
2022年11月20日 – 2022年12月18日の間カタールワールドカップが開催され日本国内でも大きな盛り上がりを見せた。その中で今回のワールドカップでは、史上最多の5回のPK戦が行われ日本もPK戦の末クロアチアに敗北した。この結果を受けてネット上では「PK戦は運なのか」ということが論争になった。そこで私たちは、PKの成功や失敗に影響を及ぼす要因は何かあるのか、あるならどのような要因が影響を与えているのかと疑問に思い調べてみることにした。まず私たちは、2つの点からPK戦を分析しようと考えた。1つ目は、選手の体力状態や年齢などの身体的な要因。2つ目は、蹴る順番や点数状況などの心理的な要因である。この2つの要因が主にPK戦に影響を与えているのではないかという仮設を立て、統計学的手法を用いてどの要因が特に影響を与えているのかを調べ考察していくことにしたことにした。
#045thrive 「グループディスカッションにおける役割分担及び役割ごとの働きの最適化、その汎用性について」
束田 繁洸(芝浦工業大学附属高等学校 1年),福田  啓太(芝浦工業大学附属高等学校 1年),須山 怜於(芝浦工業大学附属高等学校 1年),須山 莉於(芝浦工業大学附属高等学校 1年)
[情報の活用と表現]
我々は、今年の8月に開催されたFESTAT(全国統計研究発表会)に参加し、「グループディスカッションにおける感情と良いディスカッションの相関性」を発表した。そこで、このグループディスカッションの研究をより深めようと考え、「GDにおける役割分担及び役割ごとの働きの最適化」の研究をしようと考えた。
この研究を行う上で、2つの仮説を立てた。
1つ目は、リーダーが複数人いると良い案が出ないという仮説。
2つ目は、与えられた役割以外にも、積極的に働いてしまうと、あまり良い案が出ないという仮説である。
また、これらの研究を行うためには多くのグループディスカッションのデータを必要とするため、データの収集が難しい点だと考えている。
さらに、この研究を行うことで、将来的にはグループディスカッションのアドバイスを行うアプリケーションの開発も行おうと考えている。
#046熱濃硫酸 「機械学習とアイトラッキング技術を用いた、画面盗み見対策アプリケーションの開発と評価」
髙橋 司(芝浦工業大学附属高等学校 1年),小梶 匠海(芝浦工業大学附属高等学校 1年),森本 空良(芝浦工業大学附属中学校 3年)
[プログラムによる計測・制御]
我々はショルダーハッキングを検知するアプリケーションを開発している。現代では様々な情報がデジタル化され、サイバー犯罪が問題となっている。これらの多くはブラウザやOSなどの機能により対策が行われている。しかし、専門的な知識が不要なショルダーハッキングの対策は、まだ不十分だと思われる。ショルダーハッキングの対策として生体認証や2ファクタ認証などがあるが、それらに対応していないサービスも多く、十分とはいえない。そのため、我々はパスワードを入力時に他の人やカメラに見られていないかを確認するアプリケーションを開発している。このアプリケーションは、現在の多くのデバイスで搭載されているディスプレイ内側のカメラから、利用者以外の目線やカメラを認識することでショルダーハッキングを検知することができる。検知されることで利用者は場所や角度を変えてショルダーハッキングを防ぐことができる。
#047芝浦工業大学附属中学高等学校化粧室研究会 「化粧室のより快適な利用を実現するための研究」
並木 健成(芝浦工業大学附属中学高等学校 1年),古山 陽翔(芝浦工業大学附属中学高等学校 1年),小谷 真輝(芝浦工業大学附属中学高等学校 1年),中村 嶺介(芝浦工業大学附属中学高等学校 1年)
[望ましい情報社会の構築]
現在、個室の清潔感の向上や居心地の良さが上がったことにより利用時間も増加し混雑しやすくなっていて、本当に必要としている人が使うことができないという問題がある。
そこで我々は、各フロアのトイレの混雑状況をそれぞれのトイレで視覚的に把握し、緩和させるため、個室の使用状況を入り口でリアルタイム表示するシステムを作った。しかし、本校の文化祭で検証した結果、文化祭では様々な問題が生じフロア間の共有が行えずデータを取ることができなかった。したがって今回トイレとその利用者をモデル化し、トイレの混雑状況緩和システムの有用性をシュミレーションして検証した。
#048これからのインターネットは元気の時代 「機械学習モデル、自己客観化を利用した新たな3D暴露療法手法の考案」
阿曽 祥大(芝高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
2014年、長らく不明とされてきたうつ病の原因の一つであると発表されたのが、自己客観化である。
自己客観化というのは自分自身を特別な存在としてではなく、物理的な”モノ”、オブジェクトとして
まず見るという傾向のことです。
近年では、新型コロナウィルスの影響により、Zoomなどの会議アプリで自分の画像を見つめることで、自己客観化が加速し、メンタルヘルスに多大な影響を与えているということが心理療法士により指摘された。
しかし暴露療法と呼ばれる不安症などに用いられる治療法では、極端に主観的で、非合理的な物の見方を、刺激を与えることで客観化させている。
今回の発表では、メンタルヘルスに悪影響を与えるだけのものであると考えられている自己客観化を、
機械学習によって可能になった患者と外見が同じ3Dモデルの製作、そして姿勢推定を利用した新しい曝露療法方法を提案する。
#049UECスクール 3班 「介護のために何ができるか」
水城 元(湘南学園高校 2年),邱 惠圓チェルシー(日比谷高校 1年),堀越 香音(恵泉女学園高等学校 2年),戸倉 翔大(大宮北高校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
以前は当たり前にできていたことができない。すぐに忘れてしまう。会話するのが難しい。何もないところで転んでしまう。歩くのもままならない。人それぞれ症状や生活環境が違い、介護ケアも千差万別だ。介護する人にも負担が重くのしかかる。介護はこうやったらうまくいく、だからこうしなさい、と述べている文献は世界中どこにも見つからない。全てを解決できないことはわかっている。でも、何かできないか?生活の補助や支援はできないか?衰える進行を遅くできないのか?認知症状を早く見つけられないのか?介護する人の負担を軽減できないか?
IoTでできること、少しでも役に立つことを見つけたい。センシング、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、データ可視化、通信ネットワーク、SNSなどのIoT要素を使ってできることを探す。
#050scratchでじゃんけんAIを作る 「scratchを用いたAI制作と計算方法による計算速度の違い」
岡田 和真(聖学院中学高等学校 3年)
[プログラムによる計測・制御]
MITが開発した子供向けプログラミングソフトscratchでじゃんけんの結果から相手の次に出す手を予測するプログラムを作りました。
計算方法の違う2種類のプログラムを作り、それぞれの計算速度の違いをまとめました。
#051鈴田 夏都季 「DNCL→Python翻訳プログラムの開発」
鈴田 夏都季(早稲田大学高等学院 3年)
[問題解決とコンピュータの活用]
 今回私はDNCL(2011年度時点の仕様)をPythonに翻訳するプログラムを作成した。DNCL(正式名称:共通テスト手順記述標準言語)とは、大学入学共通テスト情報関係基礎にて使用されている日本語記述型の疑似言語である。
 日本での情報教育の徹底が求められる中、プログラミング学習のハードルは未だ高いままである。プログラミングの学習ハードルを高めている要因の一つとして、プログラムが英語で記述されていることが挙げられる。この問題を根本的に解決するためには、日本語でのプログラミングの可能化が必要であると考える。
 本研究は、DNCLを疑似言語から実機で動く言語に発展させることだけでなく、DNCL・Python間の文法体系の差の実践的な学習を可能にし、スムーズなプログラミング学習を実現することを目的としている。また、本翻訳プログラムは、DNCLをその仕様書に忠実に実行することを目的とし、Pythonを中間言語として扱うトランスパイラのような位置づけとしている。
#052(発表取消)

#053たまかぎ野鳥の会 「学校内における密集回避方法の研究」
小山 慧仁(多摩科学技術高等学校 3年),北林 昂大(多摩科学技術高等学校 3年),河久保 維吹(多摩科学技術高等学校 3年),古川 あおば(多摩科学技術高等学校 3年)
[プログラムによる計測・制御]
長いコロナ禍で、高校生の密集を避け感染防止に努める意識の低下が多く見られる。そこで、学校内の教室のドアで起きる密集と昇降口付近で起きる密集をどうすれば回避できるか、その方法を自ら作成したシミュレータで模索した。
先行研究では、駅構内の混雑を回避する研究、小売店のレジで起こる混雑を解消するための研究があったため、それらを参考にシミュレータを作成した。本研究では教室内、昇降口付近のレイアウトと生徒の移動の流れを作成し、シミュレーションをした。特に昇降口付近のシミュレーションでは事前に本校の昇降口にある二つのドアと階段の使用率を調べ、それを元に生徒の流れを作成した。また、シミュレーションの結果を踏まえ、新しいシミュレーションを作ることを繰り返し行い、より密集を減らせるようにした。
そして、シミュレーション結果を図にまとめ、分析し考察した。その結果、様々な学校内における密集を回避する方法が得られた。
#054多摩科技IT編み物班 「文章から編み図を生成する」
川島 遼(都立多摩科学技術高校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
編み物の一種であるかぎ針編みの、作品の作り方の紹介方法に関する研究である。
編み方を紹介する方法には主に二種類あり、専用の記号を用いて書かれた編み図と略語を用いて書かれた文章の二つである。
日本では編み図が主流だが、海外では英語による文章での紹介が多く、現状では編み図に慣れた人は海外の作品が編みづらく、作品作りの幅が狭まってしまっている。
本研究では、英文での紹介を編み図での紹介に変換するソフトウェアを開発し、英文で編むことに慣れていない人でも海外の作品を気軽に編むことができるようにすることを目的としている。
#055ハンドジェスチャ班 「スマートフォンにおける低コストなジェスチャ入力手法の提案」
堀田 晴斗(都立多摩科学技術高等学校 3年),鳥谷 颯来(都立多摩科学技術高等学校 3年),仲居 和歩(都立多摩科学技術高等学校 3年),杉浦 志穏(都立多摩科学技術高等学校 3年)
[ディジタル作品の設計・制作]
現在、非接触入力を用いて電子端末を操作するという考えが注目されている。そういった入力手法は感染症対策などの観点においても効果を発揮することが期待されている。しかし、先行研究を見ると、スマートフォン向けでなかったり、別途センサが必要であるなど、導入にコストがかかってしまうものであった。本研究では、低コストで非接触入力操作をスマートフォンに導入することを目的とする。実現に向け、スマートフォンに外付けのセンサなどを使用せずに、手の形状を認識し端末を操作をすることができるハンドジェスチャ操作を行なえるアプリの開発・検証を行った。具体的に、音量調整や画面のスクロールをハンドジェスチャ操作で行えるアプリを実装し、そのアプリが日常生活において実用に値するかのアンケートを取った。その結果、非接触入力操作を導入することができ、また、それが実用上おおむね問題なく使用することができることが分かった。
#056多摩科学技術 「感情分析を利用した介護サポートシステムの開発」
鴻地 真直(都立多摩科学技術高等学校 3年),庭山 瑞希(都立多摩科学技術高等学校 3年)
[情報の活用と表現]
近年、老人ホームなどでの介護者の人手不足は深刻であり、患者は手厚いサポートが受けづらい状態である。加えて、老人ホームなどでの施設で生活する患者は友人を作ったり訪問者が来たりすることがあまりなく、孤独になりやすい環境と言える。そういった問題を解決するコミュニケーションロボットは多々あるが、自発的に話しかけるシステムは存在しない。そのため、患者の顔や声色から感情を判断し、積極的に話しかけるシステムを開発する。
#057(発表取消)

#058(発表取消)

#059NutcRacKer 「衛生データを用いた農作物の栽培適地の抽出方法の提案」
外山 みちる(東京学芸大学附属国際中等教育学校 5年),大津 彩渚(東京学芸大学附属国際中等教育学校 5年),花山 あかり(東京学芸大学附属国際中等教育学校 5年)
[問題解決とコンピュータの活用]
 近年、気候変動によって地球環境が変化し、生き物の生息する地域も変化している。人々が食料として栽培している植物も例外ではない。本研究では、持続的に食料を生産することを目的に、衛星データを用いて農作物の栽培適地の抽出方法(以降、本手法と呼ぶ)を提案する。
 本手法の検証のため、複数の作物について降水量・平均気温・日較差・日照時間などの栽培条件に合致する地域をGoogle Earth Engine上で抽出した。名産地と呼ばれる地域が抽出地域に含まれていたことから、本手法は実態に即していると裏付けられる。
 また、名産地ではない抽出地域は、新たな栽培適地としての可能性を持つと考える。よって、本手法は新たな土地・作物で農業を始めることのハードルを下げるだろう。
 さらに、1979年と2019年のデータを比較したところ、栽培適地が変化しており、本手法では、今後の気候の変化にあわせた栽培適地の提案が可能であると確認できた。
#060UECスクール2022B-3 「寝落ち対策装置」
中村 拓斗(東京工業大学附属科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私はUECスクールにて身近な問題として意図せずに寝てしまった時などに寝ていることを自動で検知し起こしてくれる装置を作成することにした。この装置は寝ていることを検知する機構と起こす機構の二つのものが必要となると考えた。つかった装置としてはマイクロビットを想定した。まずは手などの加速度を測定することと体温を測定することにより二つの条件を用いて使用者の現状を把握でき利用した。また起こす機構としては従来の目覚まし時計などの大きな音で起こす方法とは別に、目などの部位に対して強い光を当てることにより周りにあまり影響を与えずに起こす方法を想定し作成した。
#061(発表取消)

#062都科技OCR班 「文字認識を用いたお知らせアプリ」
岩田 大輝(東京都立科学技術高等学校 2年),千葉 朔矢(東京都立科学技術高等学校 2年),吉田 友朗(東京都立科学技術高等学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
OCR(Optical Character Recognition)(文字認識)を用いたお知らせアプリ。
今回は様々な機種でアクセスできるようWebアプリで作成しました。
カレンダーアプリに予定を入れるのは項目が多く大変。アナログの手帳のほうが楽な人も。
もっと簡単にカレンダーアプリに予定を入れて計画的に物事をこなしたい!
なので期日が書かれてる写真を撮ることで自動的に予定がカレンダーアプリに追加され、予定を忘れてしまうことを防ぎます。
OCRは精度も期待できるGoogleのものを使用し正確で、信頼できるものを目指します。
#063都科技 CAPTCHA班 「新しいCAPTCHAの提案」
三田 琥珀(東京都立科学技術高等学校 2年),嶋田 七緒(東京都立科学技術高等学校 2年),阪口 慧太(東京都立科学技術高等学校 2年)
[情報社会の課題と情報モラル]
現在webサイト上で「CAPTCHA認証」が導入されている。これは自動プログラムによる標準型攻撃での不正アクセスを防止するために導入されている。しかし、従来のCAPTCHA認証は、ボットと人間区別するためのシステムであるから、人間でも判別がつかず認証に失敗することが多々ある。そこで、私たちはこの問題を解決するために人間が判別しやすく、かつボット区別できる「新しいCAPTCHA認証」を発案し提案出来れば良いと考えた。ボットと人間を区別する判断材料として、「認証速度による速度」が有効であるかの実験を行った。結果はAIと人間では最速の時と最遅の時の差が大きくなっていたことが分かったから「認証による速度」は有効であると考えられる。今後の課題としてAIに突破されない認証システムを作成し何人かに認証をしてもらい、使いやすさを検証する。
#064科技校VR班 「HMDの利用日数がVR酔いに与える影響」
宮尾 旺佑(東京都立科学技術高等学校 2年),松井 桃太(東京都立科学技術高等学校 2年),堀 蒼天(東京都立科学技術高等学校 2年),吉原 正太郎(東京都立科学技術高等学校 2年)
[情報の活用と表現]
VR使用時には、不快感や吐き気を生じさせるVR酔いという症状が発生することがあるという報告がされている。一般的に、VR酔いは、VRを長時間利用することで増加するといわれている。一方、比較的使用頻度が高いユーザからは、VR酔いに慣れたという声も多数上がっている。現在、VR酔いの研究はいくつかあるものの、VR酔いに慣れる過程を追っていく調査は事例が少ない。本研究では、 VR酔いの慣れに注目し、 VR酔いに慣れる条件を解明していく。今回は、HMDの利用経験の有無がVR酔いに与える影響を分析する。HMDを利用したことのない男女がVR空間を体験したのち、SSQに回答するという流れで実験を行った。その結果、HMDの利用経験の有無でVR酔いの程度に差があることが見えてきた。
#065都科技車椅子班 「バス乗り降りをスムーズに!事前乗車連絡システムの開発」
蒲生 椛琳(東京都立科学技術高等学校 2年),佐生 正武(都立科学技術高等学校 2年),秋本 絵仁(都立科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちは車椅子のバス乗り降りに時間がかかるという社会の問題に着目し、バスへの事前乗車連絡システムを開発することにした。
システムの概要としては、以下の通りだ。
まず、各バス停にQRコードを用意し、利用者にQRコードからサイトにアクセスしてもらう。
次に、そのサイトでArduinoを作動させ、GPS受信機を利用して現在のバスの場所をマップに表示させる。
そして、利用者がマップ上のバスを選択すると、バス内のLEDが点灯し車椅子利用者が乗車することが伝わる。
最終的には、バス停から利用者が乗車することを伝えられる仕組みを作成することが目標である。
現在、Arduinoを用いて位置情報を取得する部分、及びWiFi通信を行いLEDをパソコン上から点灯させる部分が完成している。
今後はプログラムを置き換えながら先に述べたシステムを順次作成していく予定である。
#066情報太郎 「サーバー間のパケット通信を利用したゲーム制作について」
川相 剛人(東京都立小石川中等教育学校 5年)
[ディジタル作品の設計・制作]
Minecraftとそのサーバー間のパケット通信の補足をし、オリジナリティのあるゲームを制作する。
#067(発表取消)

#068DISS 「カメラを用いた列車遅延管理•提供システム」
中田 弦太朗(東京都立多摩科学技術高等学校 3年),井上 優太(東京都立多摩科学技術高等学校 3年),南 悠水(東京都立多摩科学技術高等学校 3年),森 悠仁(東京都立多摩科学技術高等学校 3年)
[情報の管理と問題解決]
現在、日本の鉄道では、毎日絶えず遅延が発生している。遅延は重なると大きな遅延になり、大きな影響を与えることもある。そのため遅延が発生した際には利用者はすぐにその情報を得る必要がある。首都圏のJR 東日本の路線においては遅延情報を速達するシステム「ATOS(東京圏輸送管理システム)」が既に存在するが、郊外を走る路線の中には鉄道利用の需要が高いにもかかわらずこのシステムが導入されていない路線が複数存在する。そこで本研究では、郊外の路線においても同等の情報提供の速さで、新規路線への導入が現在より安価であるシステムの開発をラズベリーパイとWEBカメラを用いて行う。遅延情報はTwitterに投稿することで誰でも見れるように、また専用のAndroidアプリを開発することでより高い利便性を確立している。
#069ARITAKE R&D Laboratory 「SDGsへの関心向上のためのWeb学習環境の開発及び評価」
有竹 祐樹(東京都立多摩科学技術高等学校 3年)
[ディジタル作品の設計・制作]
「人々にSDGsについて学習させること(ESD)はSDGsの目標達成に貢献する」ということが国連総会にて認められている.そこで,本研究ではSDGsブラウザシミュレーション及びSDGsのためのWeb学習環境を開発した.高校生を対象とした評価実験を行った結果,SDGsへの関心向上及び主体的学習の定着が確認されたので,本研究で開発したWeb学習環境は,ESDの面でSDGsの目標達成への貢献を促進させることができると結論づけた.
#070Dexterous hand 「慣性計測ユニットを用いた義手の操作補助」
鈴木 悠一郎(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
 日本の筋電義手の普及率向上を目的に、一部の動作を自動制御で行うことで,操作の習得が従来の物より簡単な筋電義手を開発する。習得の難易度が高い動作の1つとして、水の入ったコップを運ぶ動作をできる、慣性計測ユニットを搭載した筋電義手の制御を研究する。 
#071多摩科技 ドローン班 again 「無線LANを用いたドローンによる遭難者救助の研究」
山田 爽太(東京都立多摩科学技術高等学校 3年),松原 健太郎(東京都立多摩科学技術高等学校 3年),横山 瑞季(東京都立多摩科学技術高等学校 3年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年、登山ブーム等により登山者数が増加傾向にあり、それに伴い山岳遭難者数も年々増加している。また、山岳では基地局の電波が受信できずに外部との通信が遮断されてしまい、遭難者の安否が確認できないことが問題視されている。そこで本研究ではオープンネットワーク化した機器をドローンに搭載し、山岳遭難者と通信を試みることにより山岳遭難者の安否確認・救助活動を行う。本研究では登山対策をしていない登山初心者を主な捜索対象としている。スマートフォン等の通信機器は普及率が非常に高く、これらを所持していると想定し、登山対策をしていない遭難者でも通信機器一台所持しているだけで行える捜索方法を考案した。また、視覚を用いらないので夜間や雨天などの悪天候時の捜索にも対応でき、視覚に頼らない捜索手法を確立する。本研究によって低コストで迅速な捜索活動を行うことができる。
#072家具転倒対策委員会 「家具転倒の危険度診断ツールによる防災意識の向上」
大下 蒼司(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),中 春香(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),小野 柊也(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),恩田 祥太朗(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
日本は世界有数の地震大国である。また、現在30年以内に大規模地震が発生するという見解もある。しかし、大規模地震が起きた場合について、家具の転倒や落下による被害、不安の声は多くあげられているにも関わらず、家具の転倒防止等の防災対策の実施割合は減少傾向にある。我々は、不安視しているにも関わらず対策を行わない現状を防災意識が低いとみなし、防災意識の向上が必要であると考えた。そこで本研究では、来る大規模地震に向けた防災意識の向上を目的として、室内家具転倒の危険度診断を行うツールをWEBアプリケーションの形態を用いて開発。ユーザーに使用してもらい、アンケート調査を用いて、防災意識の向上及び防災対策の実施につなげられたかを検証し比較、考察を行った。
#073soma 「OCRを利用した板書作成アプリの研究」
荒木 晃弘(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),関 駿介(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),伊藤 蒼馬(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
この研究はOCRを用いて板書画像を自動テキスト化するアプリケーションの研究である。この研究により、板書を写す時間を内容を理解する時間に当てる事で、成績の向上や、画像によるスマホのストレージ圧迫の削減を目指す。
#074TKGお絵かきグループ 「縮小化を用いたイラストの作画ミス発見のためのアプリケーション」
石井 純礼(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),赤松 未悠(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),吉川 鈴夏(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
イラストを描くうえで、作者の意図していない描写、いわゆる作画ミスと呼ばれているものが頻発しやすい。作画ミスを発見するためには客観的な視点が必要とされており、それを取り入れるには他人に見てもらうことが一番良いとされている。しかし、初心者はイラストを見るという目的のみで第三者の手を借りるは難しい場合もあり、現在主観でも作画ミスを発見できるように、左右反転や、部分遮蔽手法など様々な対策法が見られる。しかし、いずれもモノクロイラストを前提としているものや、細かな作画ミスを対象としているものが多く、また初心者はそのような方法をとっても経験値が少ないために、見落としてしまうこともある。したがって私たちは、イラスト制作初心者でもカラーイラストでの作画ミスを一人で手軽に見つけられるようにするために、縮小化を用いた作画ミス発見のためのアプリケーションの開発を行う。
#075ごはんAR 「飲食店探しをより楽に ~ARを用いた飲食店情報提示システム~」
竹中 瞭太(東京都立多摩科学技術高等学校 3年),小池 和美永(東京都立多摩科学技術高等学校 3年),植松 勘太(東京都立多摩科学技術高等学校 3年),梶野 航(東京都立多摩科学技術高等学校 3年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近くの飲食店を探す際の時間短縮を目的とし、ARを用いた飲食店の選択支援サービスを開発した。
既存のサービスとしてGoogle Mapやぐるなびなどの地図アプリは多数存在しているが近場の飲食店の検索に特化したサービスは少ない。そのため外出先や旅行先などで近くの飲食店を探す際に近くにどのような飲食店があるか簡単に分からないことや,その飲食店の場所が分からないなどの問題がある。
そこで情報を検索する際に飲食店の立地する場所と、提供する料理といった飲食店の情報を同時に把握することを可能にすることで、不慣れな土地での飲食店選びにかかる時間を短くできるのではないかと考えた。
ARを用いて飲食店が提供する料理の情報と、店舗の位置の情報を同時に示すことで飲食店同士の比較を容易にする。それにより既存のサービスにある上記の課題を解決し、誰でも直感的に分かりやすく短時間で飲食店を選択することを可能にすることが目的である。
#076大泉データサイエンス榊 「ロジスティック回帰を用いた太平洋戦争 海戦・艦隊戦の勝敗予測は可能か?」
田岡 侑奈(東京都立大泉高等学校 2年)
[情報の活用と表現]
ロジスティック回帰は 1958 年に発表されて以降、様々な分野の分析に用いられてきた。しかし、歴史学の分野においては活用された形跡が全くない。理由としては過去 の事象をデータとして用いる以上データ数に限りがあり、また時代をさかのぼるほどに一次資料が少なくなる 傾向にあるためであろう。歴史学の研究は一つの事象 や組織論などの観点、またはその両方から勝敗の要因 を探究しており機械学習どころか統計学からの視点すら皆無といえる有様であった。
そこで本研究では、歴史分野における機械学習の可能性を探ることを目的としてロジスティック回帰を用い た勝敗予測を行った。結果として歴史学の分野におけるロジスティック回帰を用いた勝敗予測はデータが多く残る近代以降に限り可能であることが分かった。
#077大泉データサイエンス樫 「JasperNet:顔動画像解析による日本語の発話予測」
佐々木 俊輔(東京都立大泉高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
読唇術は非常に難易度が高いため、機械学習による読唇の社会的・学術的意義は大きい。LipNetは、95.2%の英語精度を達成したが、日本語精度は50%に満たない。そこで、日本語精度の向上を目標に、より良い深層学習法を研究した。日本語には喉音が多いことから、訓練データには口唇に加え首の部分も含め、喉の動きを捉えられるようにした。また、顔部画像の繊細な特徴抽出には、CNNの多層化が必須である。勾配消失問題の防止、パラメータの削減のために、GoogLeNetに着想を得たモジュールを実装した。さらに、口形遷移を効率的に学習するために、Bi-LSTMの出力と、それの時間方向に畳み込みをした出力を連結させる処理を実装した。以上の、日本語の学習に最適化するように私が設計したJasperNetでは、精度が向上した。モデルの改良、ソフトウェア開発などにより、新しいコミュニケーション方法としての確立を目指す。
#078大泉データサイエンス櫟 「強化学習による四足歩行ロボットの歩行運動の学習ーPPOによる方策勾配法ー」
鈴木 櫂人(東京都立大泉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
昨今では、災害支援等に自律式ロボットが使用されることがある。災害のみならず危険な現場においては、無人で活動できるロボットは非常に有用である。ロボットと一概に言ってもその形はタイヤで走行するもの、四本、あるいはさらに多くの足を用いて歩行を行うもの、キャタピラを用いて走行するものなど様々である。本研究では、四本の足を用いて歩行を行うロボットに焦点を当て、強化学習によってコンピューター上のシミュレーションでより効率の良い自律的な歩行運動を獲得することを目指した。また、将来的には強化学習を用いて得られた推論モデルを実際の模型に適用し、獲得した歩行運動を再現することを目的とする。これにより、より効率的な歩行を行うロボットの現場への普及が期待される。
#079(発表取消)

#080ザぼっち 「全部一人でオンラインゲーム作ってみた!」
佐藤 良(東京都立南多摩中等教育学校 5年)
[ディジタル作品の設計・制作]
「高校生が一人でオンラインゲームを作る」を掲げて制作をした。強力なバックエンドシステムであるmicrosoft azure play fabとstrix cloudで実現した。ゲームエンジンにunreal engine4を採用した。ビジュアルスクリプトでc++と互換性のあるblueprintを使用した。主にログイン処理、プライベートアカウント処理、smtpによるアカウント認証システム、ネットワークレプリケーション、rpcを用いた通信に時間を割いた。特にplayfabは参考となる情報がほとんどなく、jsonも初めて扱ったため開発はものすごく困難を極めた。しかし海外の掲示板やコミュニティを探し回り、触ったこともなかったc#等の別言語を読解しながらなんとか独学で一人ですべて開発することができた。刻一刻と変化する遠隔のプレイヤー同士の状態を即時両者に反映し、滞りなくプレイできるように開発した。
#081S.E.A. 「東京ディズニーシーの環境デザインにおける問題点の提示」
増田 千夏(東京都立南多摩中等教育学校 5年)
[情報の管理と問題解決]
私は東京ディズニーシーが好きでよく訪れるが、場所や時間帯によって混雑している箇所があると感じることがある。来園者の混雑や滞留の原因を突き止め緩和させることができれば、東京ディズニーシーはよりよいテーマパークになるのではないかと考えた。そこで、東京ディズニーシーを1.自作した東京ディズニーシー地図を用いた「空間構造の把握」2.実際に東京ディズニーシーに訪れた7名の「回遊行動の分析」 3. ベンチやフォトスポットなどといった来園者の滞在を促す「滞留施設の分析」という3軸で調査し,パークの核やアトラクションの配置の特徴とその是非、来園者の回遊傾向、頻繁に使われる道とそうでない道、滞留施設が来園者の回遊に及ぼす影響等についての知見を得た。これらを総合し、現在の東京ディズニーシーの環境デザインにおける具体的な問題点を3つ提示する。
#082魔軍団 「足音パターンから人物を推定するプログラムの作成と学校での実験報告」
田中 真緒(東京都立南多摩中等教育学校 4年),石井 真綾(東京都立南多摩中等教育学校 4年)
[ディジタル作品の設計・制作]
現在、GPSなどのどこにいても位置情報を知ることができる手段がある。しかし、私達は自分の身近な人が近くにいるのかだけを知る手段がほしかった。なぜなら、GPSを人につけてしまうと、その人が自分の近くにいるかだけではなく、その人がどんなに遠くにいても所在地が詳しく分かってしまう。そうすると、GPSを付けた人のプライバシーの侵害につながるといった問題が生じる。また、本来の目的とは逸れた使い方となる可能性がある。これらのことから、私達は足音に着目して特定の人の検知ができないかと考えた。具体的には、micro:bitを用いて足音パターンの計測、分析を行い、実際に活用できるプログラムを作成した。
#083TRC 「CubeSEの開発」
寺内 駿(東京都立南多摩中等教育学校 5年)
[ディジタル作品の設計・制作]
ルービックキューブの解き方とその手順を探索するためのデスクトップアプリケーションを開発した。ルービックキューブの数学的性質とパズルとしての性質を、プログラミングを用いて研究した。研究成果に即して手順の探索を行うことで性能を向上させた。完成したアプリケーションはインストーラを作成し、githubに公開した。
#084PIKA研究室 「ph試験紙の結果を画像認識で数値化する」
渡辺 優乃(東京都立南多摩中等教育学校 4年),倉田 夏希(東京都立南多摩中等教育学校 4年)
[問題解決とコンピュータの活用]
pH 試験紙の色をウェブカメラによって感知し、酸味をマイクロビットを用いて数値化する。日常生活を送る上で、データ収集が障壁とならないよう、日常の動作の一つである、食事の動作内でデータを収集し、酸味の計測を日常生活に溶け込ませる。
#085天文気象部 「視程の自動判定に向けた撮影画像のずれ補正と自作サーバーの開発」
戸田 晃太(東京都立立川高等学校 3年),安原 知廣(東京都立立川高等学校 1年),井上 晴貴(東京都立立川高等学校 3年),安原 拓未(東京都立立川高等学校 3年)
[プログラムによる計測・制御]
立川高校天文気象部では約80年前から気象観測を行い、現在は自動気象観測装置からデータを得て分析している。視程(何km先まで見通すことができるかを表す)については20年間観測が途切れ、4年前に目視観測を再開させたが、毎日継続することの大変さから、本部の先輩(浜島他2020)がRaspberryPiと一眼レフカメラによる自作装置で視程目標物を撮影し、深層学習により自動で判定するシステムを開発した。このシステムを改良し運用を続ける中で、カメラのずれにより深層学習による判定が困難になるという問題が生じたため、本研究では、特徴点マッチングや背景差分法から着想を得た手法などによりそのずれの補正に取り組んだ。画像にかける前処理などを工夫した結果、実用的な精度で補正を行うことができた。また、視程観測の自動化を目指してシステムを改良し、実用性の向上を試みた。自作サーバーを製作し、装置で観測したデータを一元化し、システムの利便性を向上させた。
#086太陽光発電を増やそう 「太陽光発電を増やそう!!」
宮崎 雄旦郎(東京都練馬区立 石神井中学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私はこれまで環境問題やSDGsを学んできたので、その解決や達成を意識し、研究に取り組んだ。本研究は、脱炭素社会を目指すため持続可能なエネルギーである太陽光発電の設置数を増やすことが目標である。具体的には、航空写真から太陽光パネルの数を検出し、それを地域ごとに比較するシステムを考えた。そうすることで地域の人の太陽光パネルへの関心が高まることで、太陽光パネルをつけてくれると考えた。これらをPythonでOpenCVを利用したり、プログラミングを活用できるアプリを使用したりして解決を試みた。太陽光パネルについて学び、パネルの設置におけるメリットやデメリットも考慮した。エネルギー問題は地球温暖化の大きな原因となっており、太陽光発電の設置が重要な課題となっている。この開発が将来的に活発になり太陽光パネルが増えれば地球温暖化解決の一歩につながるだろう。
#087(発表取消)

#088大月誉貴 「Unityを使った津波発生時の避難経路自動案内システム」
大月 誉貴(横須賀市立大津中学校 3年)
[プログラムによる計測・制御]
 東日本大震災の後、地方自治体は今後予想される巨大地震の津波浸水予測図を作成し津波避難施設を設置している。
 避難施設の場所や避難経路は自分で事前に確認する必要があるが、地理に不案内な観光客等は知らない可能性が高い。
 Googleマップをベースにした経路検索ソフトは、複数の経路案内と高低差や傾斜の表示は可能であるが現場の状況や利用者の身体状況に応じた経路案内はできない。
 そこで私はUnityを使って、状況に応じた避難経路の自動案内や各自で経路選択できる機能を開発した。
 具体的にはNavMeshのAI機能による障害物を回避した経路選択や、地表面の高さや傾斜を認識する機能を用いて、高齢者や車いすの方など急坂を登れない方が平坦な経路を選択できる弱者に配慮した機能である。
 現在は仮想空間でのモデルだが令和5年2月中に国土交通省ProjectPLATEAUの3D都市モデルをUnity上で扱えるSDKが公開されるため、今後は3D都市モデルをベース地図として現実空間での利用を実現したい。
#089山本ぴあの 「ディープニューラルネットワークを用いたオセロAIの作成」
山本 ぴあの(横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校 3年)
[情報の活用と表現]
ニューラルネットワークを用いて、オセロゲームの対戦をするAIプログラム「E-Minor」を開発している。初めに世界オセロ選手権の棋譜データを用いた教師あり学習を行い、次に学習したAI同士で互いに対戦させる強化学習を行い、最後に盤面の状態を数手先まで予測して最適な結果を判断する先読みによって強化した。教師あり学習では、ニューラルネットワークの層数やフィルター数、層の種類を変えた時の正解率を比較した。その結果、フィルター128枚、畳み込み18層、ドロップアウト3層という構造に加えて、バイアス層を用いることで正解率が高いAIを作ることができた。強化学習では、オセロ1プレイを複数回学習させるのではなく、1プレイを1回学習した時のみ学習が進行することが分かった。学習を終えたE-Minorは一般に知られているオセロの定石を再現することができ、いくつかのオセロプログラムに勝利し、人との対戦で勝率85%を超えたため人間よりも強いオセロプレーヤーを作成することができた。
#090kamekame 「看板の言語をピクトグラムへ」
亀井 奏汰(神奈川県立光陵高等学校 1年)
[ディジタル作品の設計・制作]
近頃、外国の人々の入国が緩和されてきました。円安によりこれから日本は外国の人がたくさん訪れると思います。旅行する人々にとって、看板は重要な道しるべになります。しかし、観光地にある多くの看板は4言語でしか表示されていません。そこで全ての人が理解し、認識できるピクトグラムに変換して地図に表示するアプリを作りました。
#091ごきげんなりんご 「人口音声には何が出来るのか」
森 元乃(清泉女学院高等学校 1年)
[情報通信ネットワークとコミュニケーション]
私たちは日常のコミュニケーションの中で無意識に相手の声の中に「その人」を見ることができます。IT技術が進歩したこの時代においても声を通して得られる情報は多く、声はその人を形作っているといっても過言ではありません。今回は自分の声をデジタル化し、肉声との比較を経て声の特徴について研究しました。この研究では人が声を聞き分けるときに意識する部分はどのようなものかということに焦点を当てて、「人口音声には何が出来るのか」「肉声である意味はあるのか」という2つの視点から考えていきたいと思います。複数の個体の検証、話し声と歌声の多角的な視点によってこの研究の精度をより高いものにしたいと考えています。
#092日藤 数学同好会A 「OCR技術を用いた学習の効率化〜自動単語帳メーカー〜」
藤澤 寛(日本大学藤沢高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
ICTが進み今では学校の生徒全員がタブレットを持っています。そして持ち主である各々がそれぞれの使い方で勉強へと活用していっています。そんな中で一番と言えるほど使い勝手が良いのは“写真”ではないでしょうか。その一枚を撮るだけでノートやプリント、教科書を持ち歩くことなく重さのないデータとして情報を保存することができます。私はその写真をさらなる学習につなげるために、文字の読み取りを行うOCR技術を用いた“自動単語帳メーカー”を考えてみました。単語帳は言わずもがな学習に置いて今でも廃れることのないものです。そんな単語帳を、自分が撮影したノートやプリントなどの画像データから素早く文字や情報を読み取り要点をまとめ手軽に作ってくれる、そんなものを目指して考えました。
#093日藤数学同好会C 「誰一人取り残さない情報社会」
横山 文音(日本大学藤沢高等学校 2年),武山 真白(日本大学藤沢高等学校 2年),有澤 仁実(日本大学藤沢高等学校 2年)
[望ましい情報社会の構築]
ファーストフード店とデジタルシステム
近年,無人コンビニやセルフレジなど人が接客しない、機械に任せる形態が多くなっています。
そこで私達は、どの範囲までAIや機械に頼ったら適切かを、考察してみました。
例えば,
ファースト店の完全無人化について。
私がファーストフード店に行った時、
まだまだ人間が注文を聞いて対応している店舗が多いと感じました。
しかし、モバイルオーダーなどを活用している人も少数派です
小さい子供やお年寄りの方は、あまり利用していない印象を受けました
そもそも情報システムを利用する為の端末を所持していない方はどうすればいいのか。
多くの店舗で無人化を導入するには,このように情報格差が起こらないようにする必要性があります。
どのような形態なら、全ての人が安心しよりスマートに注文から商品受け取りまで出来るかを、考えました。
#094K 「食品管理システム」
芳賀 凛夏(日本大学藤沢高等学校 1年)
[情報の管理と問題解決]
今日、食品ロスが多いという問題が起きています。そこで、スマホを利用して、誰でも簡単に冷蔵庫や防災食品の賞味期限、消費期限の管理をするアプリケーションを考えました。SDGsを意識し、食品ロスを減らすのに貢献できると思います。
#095(発表取消)

#096日藤数学同好会B 「密猟を防ぐプログラム」
青木 夢佳(日本大学藤沢高等学校中学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
密猟によって多くの野生動物が絶滅の危機に瀕している。このまま密猟が続くと絶滅してしまう動物が増加する。
現在、密猟を防ぐためにパトロールをしているがそれだけでは無理がある。少しでも殺されてしまう動物が減ってほしいという思いでGoogle Apps Scriptを用いたプログラムを作成した。
平常時と不安や恐怖心を抱いている時の心拍数の違いをif文を用いてプログラムにした。
まだまだ課題が残るが今後心拍数の測定だけでなく、カメラで撮影するなどの
機能を付けていきたいと考えている。
初歩中の初歩のプログラムだが私のアイデアが役に立てば嬉しい。
#097日藤数学同好会F 「簡単ゲームクリエイター(音楽ゲームver)」
長澤 宥人(日本大学藤沢高等学校中学校 1年),内田 行哉(日本大学藤沢高等学校中学校 1年)
[ディジタル作品の設計・制作]
今回、僕が作ったのは、音楽ゲームを通してプログラミングを学ぶことができるプログラムです。なぜ僕がこのようなプログラムを作ったかというと、僕がプログラミングを知って自分でプログラミングしてみたくなったとき、プログラミングを学ぶにはパソコンなどでしかできなくて挫折してしまった経験があったので、どんな機器でもプログラミングを学べたらいいなと思ったからです。このプログラムを使うと、主に、“〜秒待つ”と“繰り返し”を学ぶことができます。また、プログラムを改造したりして自分なりにプログラミングを学ぶこともできます。このプログラムによって、もっと沢山の人がプログラミングに挑戦してくれるとうれしいです。
#098日藤数学同好会E 「LINEとGASの連携による出欠情報の可視化」
菊地 心楠(日本大学藤沢高等学校中学校 1年)
[ディジタル作品の設計・制作]
今回私が作ったこのプログラムは、LINEとスプレッドシートを連携し、部活の出欠情報の集計や活動日の確認をより簡単にできるようにするプログラムです。
LINEは手軽に情報を発信することができて、とても便利ですが、見たい情報が新しい情報に埋もれてしまい、なかなか発見するのが難しいという欠点もあります。
その色々な情報の中で、私は「出欠の情報」に焦点を当て、line messaging apiというLINEとGASの連携ができるものを使い自動で出欠の情報を統計してくれるようなプログラムを開発しようかと思いました。
#099日藤数学同好会H 「湿度を変数に置き換えて行う加湿器の制御」
横山 康介(日本大学藤沢高等学校中学校 1年)
[プログラムによる計測・制御]
雨が降っているのに加湿器をつけてしまい大変なことになった、湿度が低い日に加湿器をつけ忘れ風を引いてしまった、などを防ぐために湿度を変数に置き換え加湿器を制御します。
#100日藤 数学同好会 L 「信号機識別システム」
澁谷 哲平(日本大学藤沢中学校 1年)
[プログラムによる計測・制御]
今回、僕が作ったプログラムは、「歩行者用信号機識別システム」です。きっかけは、信号無視についてネットで調べたときに、「うっかりミス」による違反がとても多いと分かり、自動車の信号無視が多いなら歩行者の信号無視も多いのではないかと考えました。そこで、スクラッチとその拡張機能を使って、このプログラムを作成しました。このプログラムは、スクラッチの拡張機能に信号機の色を予め学習させて、カメラで読み取ることで、赤信号と青信号を自動で認識して音声で知らせてくれます。また、周囲の景色も学習させて、信号機がなくなったら音声が止まるようにもしています。しかし、まだ誤作動も多く、実用化はまだまだ遠いですが、いつかこのプログラムを使って信号無視が少しでも無くなると嬉しいです。
#101日藤数学同好会G 「目薬とITの連携」
足立 滉介(日本大学藤沢中学校高等学校 1年)
[プログラムによる計測・制御]
私の祖母が白内障の手術をした後、3〜4種類の目薬をさすよう処方されました。しかし元々視力が弱っているお年寄りが片目の手術後にもう片方の目だけで生活するのはなかなか困難な状況になるわけで、目薬を正しい順番でさすことも大変だったようでした。1日3回さす目薬、朝と夜さす目薬、夜だけさす目薬など目薬の種類の判別や、さす時間の管理がかなりの負担になるのです。そこで、正しい時間にさすべき目薬をさしてもらう音声プログラムをスクラッチで作りたいと思いました。目薬をさす時間になった時、どの目薬をさすか案内してくれるプログラムです。
まず、それぞれの目薬に点字のようなシール(一本線や丸、点など指の腹で触れて判る出っ張りシール)を貼り、それで目薬の種類を判別できるようにし、時間になったら、どの点字シールの目薬をさすべきかアナウンスしてくれます。
緑内障・白内障などの術後の支えになってくれれば嬉しいです。
#102小松高等学校 「Python を用いた時間割作成プログラムの研究」
宇於崎 涼介(石川県立小松高等学校 2年),東出 尚樹(石川県立小松高等学校 2年),村中 花音(石川県立小松高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
現在、手作業で行われている時間割作成に要する膨大な時間を短縮することを目指し、様々な制約条件の下、実用的な時間割を組むプログラムを作成した。
実際の時間割作成では、必要単元数やクラス数、教員数など、様々な要素が発生すると考え、想定される状況に対応するプログラムを考察・改良する。また、制約条件のもとで時間割を組むにあたり、現状選択肢の少ない日時から選ぶ選択肢の少ない教科から選ぶ方法が考えられるが、どちらがより正確かを調べる。
避けるべき日時の数や散らばり方にもよるが、一つのクラスについていえば、選択肢の少ない教科から選ぶプログラムのほうが有効であると結論付けた。今後の展望としては、クラス数を拡張した際にどうなるのか調査を進めたい。
#103一宮高校ファッション創造科2年生みんな 「【尾州一宮】繊維業の今 ⇒ つなげよう未来へ」
平野 美羽(愛知県立一宮高等学校 2年),山田 有良々(愛知県立一宮高等学校 2年),渡邊 早咲(愛知県立一宮高等学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
「尾州」と呼ばれる愛知県北西部は国内生産量の約8割を誇る毛織物の産地です。尾州の毛織物は国内外のファッションブランドにも採用され、高く評価されていることが誇りです。
私たちの学ぶ一宮高校ファッション創造科は、半世紀以上前にこの「尾州」の「繊維のまち一宮」に生まれました。被服科からファッション創造科に学科改変されてからは、新たな時代に即した学びを行っています。
繊維業界に羽ばたいていくことを目指し、日々勉強している私たちですが、日本の繊維業界はファストファッションや安価な輸入製品に押され、陰りが見えているという話も耳にします。
実際、その「陰り」に根拠はあるのでしょうか?私たちは情報や数学で「データの分析」を学びました。これを実際のデータに用いることで地域の繊維業の実情を知りたい、そして、その結果を踏まえ、未来に向けて私たちにできることはないか考えたいと考え、今回のテーマを設定しました。
#104Shotaro's factory 「教科書を穴埋め問題化するソフトウェアの開発」
平野 正太郎(愛知県立刈谷高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちが普段勉強をするとき、教科書にマーカーを引いて赤シートを用いて穴埋め問題を作成することがある。
しかし覚えるべき箇所が多くなると、多くの空欄が生じて問題が成立しなくなる。
例えば三国同盟はドイツ、イタリア、オーストリアである、という文で、()は()、()、()である、となってしまい問題が成立しない。
そこで、教科書の文章を検出し、要所を空欄にして問題として構成するソフトウェアを開発する。
具体的には、まず教科書をスマートフォン及びタブレット端末で撮影すると、文章をテキストデータとして読み取る。
次に文章を単語に区切り、周辺単語との関連度を調べる。
関連度が高い単語は、文章においてキーワードになっている可能性が高いので、要所としてリストに追加する。
問題を作成する際は、要所リストからランダムに空欄を作成する。
取り組む度に空欄がランダムに変化するので、問題を変えながら繰り返し学習することができる。
#105(発表取消)

#106柴田洋典 「光学文字認識を用いた教科書・参考書管理アプリケーションの開発」
柴田 洋典(名古屋市立菊里高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
高校生になると使用する教科書や参考書の数が増え、多くの人が管理に困ると思われる。そこで、本棚を撮影するだけで書籍の管理ができるアプリケーションの開発を目指した。実装にあたって、以下の機能を中心に作成した。(1)光学文字認識によって背表紙から書名を取得・記録する(2)書籍の使用履歴を表示する(3)本棚内の書籍を検索する 
また、光学文字認識はマイクロソフトのRead OCRのAPIを使用し、Pythonで実装した。
#107鳥羽商船高等専門学校 「機械学習を用いた橋の桁下空間の推定」
福田 三太(鳥羽商船高等専門学校 3年),加藤 海二(鳥羽商船高等専門学校 3年)
[プログラムによる計測・制御]
東京・神田川のように多くの橋が架かっている場所では小型船舶が運航していることが多く小型船舶が余裕をもって通れるほど橋の桁下空間は広くない。しかし小型船舶に橋の桁下空間の高さや幅を認識するような機能はついておらず人力で通れるかどうか確認するしかない。そのため操船者の判断ミスによって起きる橋と船との衝突事故を減らすことを目的として画像認識AI(YOLOv3)を用いた桁下空間の計測手法を開発した。川の水位は時間や雨量によって変化してしまう。そのため操船者の判断ミスによって橋と船が衝突してしまうという事故が存在する。そこで画像認識AIを使用し、橋の桁下空間を測定することで橋と船との衝突事故を減らすことができるのではないかと考えた。橋の桁下空間の高さや幅をAIを使用し認識測定することで橋と船との衝突事故を減らすと共に操船者の負担を減らせると考える。
#108ロボットプログラミング部 Hardware team 「SSDは本当にお得なの?」
小西 健太(京都橘高等学校 1年),石井 健伸(京都橘高等学校 2年)
[コンピュータと情報通信ネットワーク]
近年,PCの補助記憶装置はHDDからSSDに置き換わりつつある.本研究では,HDDとSSDの速度を測定し,コストパフォーマンスを求めることや,コピー&ペースト時間(以下,「C&P時間」という.)を調査し,HDDと比べて本当にSSDがお得なのかを研究した.速度については,シーケンシャル・ランダムアクセスの読み込み・書き込みについて測定した.コストパフォーマンスは,速度を価格で割ることによって求めた.C&P時間については20GB(ダミーファイル)のコピー&ペーストを調査した.調査の結果,速度についてはシーケンシャル・ランダムアクセスともにSSDが特に高く,コストパフォーマンスやC&P時間についても総合的にSSDの方が特に高いことが分かった.よって,コストパフォーマンスやC&P時間の面でもSSDがお得であると言える.本研究で着目した点以外にも,耐久性などの他の観点も含めた検討が今後の課題である.
#109京都すばる情報処理部 「部活動における持続可能な出欠管理システムの提案とその実証」
松本 紘輝(京都府立京都すばる高等学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
 私の所属する情報処理部では、現在部長がExcelを用いて出欠管理を行っている。この方法では入力ミスが発生する可能性がある。また、出欠をとる人物が必要になり、その人物がいなければ、正しく出欠をとることができない問題もある。この問題を解決するために、記録者を必要とせず、今後数年にわたって使用していくためのユーザーフレンドリーなインターフェースを併せ持った出欠管理システムを提案する。
 出欠管理システムは2つのアプリケーションから構成される。部員毎に割り振ったユニークIDを持つ出席用カードを部室内に設置したカメラで読み取り、そのデータをサーバへ送信するアプリケーションと、部員の管理と出席用カードの発行などを行うWebアプリケーションである。
 このシステムを利用することで前述した問題を解決することができる。
#110高槻高等学校情報班 「ゴミ箱検索サイト「T-map」の開発」
青山 武暉(高槻高等学校 2年),岡本 鼓太郎(高槻高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
私たちはごみ箱の位置を地図上で調べられるサイトの制作を行っている。
これはユーザーがごみ箱の位置情報を地図上に追加して共有し、それをほかの人が見ることができるというサイトだ。
開発動機は、都会にはゴミ箱が少なく不便に感じ、位置が分かるサイトがないか探してみたが見当たらなかったため作ろうと考えたからだ。また、ゴミ箱の位置が分かればポイ捨ても減るので、環境にも優しい研究となっている。
サイトの基礎の枠組はHTMLで制作済みで、『住所検索』や『現在地へ移動』といった機能も完成している。現在はサイトの細かい機能の制作をしながら、実証実験を行いそのフィードバックを基に機能面やユーザーインターフェースの改善を行っている。
このサイトは他者からの情報提供を前提としており、サイトを広く知ってもらうために『T-map特製ゴミ箱』の設置や、ユーザーからの情報提供を促すために特典やポイント制度の導入なども今後の研究として考えている。
#111四條畷高等学校SS情報 「遺伝的アルゴリズムを用いた日々の負荷が均一な時間割の作成」
西浦 奏翔(大阪府立四條畷高等学校 2年),木南 透波(大阪府立四條畷高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
現在の四條畷高校の時間割は、荷物の重量や課題の量等の「負荷」が日によって偏りがあり、不満がある。しかし、時間割の組み合わせ(本校の場合)は1クラスの時間割あたり1.6×10^23個あり、課題解決は容易ではない。そこで課題解決に有効な手段として、最適解は導出できないがある程度実用的な解を短時間で導出できる遺伝的アルゴリズム(以下GA)の存在を知り、検証したいと考えた。検証するため、PythonでGAを用いたプログラムを作成した。現在は負荷の要素を荷物の重量のみに限定してプログラムを作成し、現在の本校の時間割よりも負荷が均一な時間割を作成できた。今後の展望として、負荷の要素数を増やした評価関数の作成や、教員の配置問題を反映し、より実用的なシステムの開発を目指す。
#112神戸星城高等学校 「ICTを活用した商店街活性化を目指して」
船谷 涼汰(神戸星城高等学校 1年),古川 あかね(神戸星城高等学校 2年),信岡 梛紗(神戸星城高等学校 2年),原田 多葵(神戸星城高等学校 1年)
[情報の活用と表現]
 本校では、商店街の活性化に情報通信技術(ICT)が有効だと考え、商店街Web化といった実践に取り組んできた。ICT 活用は、できるからやるICT 活用ではなく、「実効性とのマッチングの重要性」が明らかになった。
インターネット活用の実効性については、文献調査だけなく、実践で得た知見も参考にした。また、実効性の検証には、商店主・商店街通行人に質問紙調査とヒアリング調査を実施した。
 質問紙調査では、インターネットを媒体とした情報発信の実効性、ヒアリング調査では,商店街活性化にICT を活用する意識の2項目に重点を置いた。
 これらの事例・調査を通して,商店街の活性化にICTを有効活用するには,開発したコンテンツを利活用しているターゲットと利活用できていないターゲットを把握し,ユーザビリティを向上させる的確な顧客ニーズに基いた更新作業を行っていくといった点が重要であることが考察された。
#113星陵科学同好会 「Google Workspaceを用いた文化祭キャッシュレス集計システムの構築 (第2報)」
織田 竜輝(兵庫県立星陵高等学校 2年),高野 倖太朗(兵庫県立星陵高等学校 2年),藤本 康誠(兵庫県立星陵高等学校 2年),野田 伊織(兵庫県立星陵高等学校 1年)
[ディジタル作品の設計・制作]
“星陵Pay”はGoogleWorkspace(以下GWS)内のプログラム言語GoogleAppScript(以下GAS)を用いて開発した文化祭キャッシュレス集計システムである。本システムは、GWSのGoogleSpreadSheet(以下GSS)とGASをWebアプリケーションと連携させており、店員が客のアカウント情報を含んだQRコードを読み込んで商品情報を入力すると、それらがGSSに記録される。この購入記録をもとに各生徒に金額請求することにより現金の一方通行化を実現しようとするものである。さらに各模擬店の販売記録も同時に作成することができ、生徒会が担う文化祭全体の収支管理も可能である。令和4年度星陵祭において、実際に“星陵Pay”を模擬店利用者の人数集計カウンターとして使用し、全校規模でのシステム運用で課題点の見つけ出しを行った。本発表ではそうした開発の現状について報告する。
#114星陵高等学校科学同好会 「GASを利用した体育祭得点通知システムの開発」
野田 伊織(兵庫県立星陵高等学校 1年),高野 倖太郎(兵庫県立星陵高等学校 2年),藤本 康誠(兵庫県立星陵高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
 本システムはGoogleWorkSpace内のプログラム言語であるGoogleAppScript(以下GAS )を用いて開発した体育祭得点通知システムである。GoogleSpreadSheet(以下GSS)とGASをWebアプリケーションに連携させており、GSSに入力された得点と順位をHTML言語を用いて利用者のスマートフォンに通知する。全体放送による得点・順位発表を補完し、これまでより迅速且つ正確に個人に通知することができる。
 令和四年度星陵高校体育祭において実証実験を兼ねた本システムの試験的導入を行なった。本システムは終始安定して稼働できたことが確認されるとともに、今後に向けて幾つかの改善点を見つけることができた。
#115もにをのくじら 「深層学習による平面図形での定理適用可能部の提示」
煙岡 知樹(西大和学園高等学校 2年),吉田 伊織(西大和学園高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年、図形問題を解くAIの研究が盛んであり、幾何学の定理の適用可能部分を検出するモデルも作成されている。しかし、これらは正弦定理などの単純な定理にとどまり、検出も代数的な処理を行うものである。そこで本研究では「チェバの定理」や「方べきの定理」といった複雑な形状に関する定理の適用可能部分を深層学習モデルのYOLOとU-NETを用いて取り出した。その結果、別々の実験としてYOLOを用いることによって定理を含む範囲をバウンディングボックスで抽出することに成功し、U-NETを用いて定理そのものを示す部分図形を抽出することに成功した。
#116ピッチャー 「姿勢推定を用いた 野球選手と学生の投球動作の比較解析」
伊藤 凌太朗(西大和学園高等学校 2年),黒谷 優人(西大和学園高等学校 2年),渡部 総一郎(西大和学園高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年メジャーリーグでは、球速や選手の位置を解析する技術が用いられている。しかし、選手の投球動作に注目した解析はされていない。本研究は、投球動作の動画をOpenPoseを用いて関節を平面座標に落とし込み、分析して野球選手と被験者の投球動作の不一致度を求めた。不一致度を数値化することで、投球練習の指標の作成を目指した。結果として本研究の手法が定量的な投球練習の指標を求める手法として効果があることは分かったが、求めた不一致度の説明力の点で課題が残った。
#117西大和学園技術統括局 「高等学校におけるクラウドを用いた学祭コンテンツの構築とその検証」
栗栖 幸久(西大和学園高等学校 2年),川森 祥加(西大和学園高等学校 2年)
[望ましい情報社会の構築]
現在、新型コロナウイルスの蔓延により、急速にデジタル化が要求されている。そこで当局ではより快適な学校行事を提供するため、各種デジタルプラットフォームを構築した。構築に当たりクラウドサービスを利用することで、多くのトラフィックに対応可能なサービスを短期間でかつ安価に構築できると考えた。クラウドサービスはAWSを使用し、動画配信プラットフォーム、学祭の入退場・チケット管理、及び体育祭競技エントリーシステムの4プラットフォームを構築し、各プラットフォームについて運用結果の分析を行った。その結果、予算内に収めること、多くのトラフィックに対応することなど、教育現場においても有用なサービスの構築を実現できた。今後はサーバーレスサービス等を利用して構築期間や運用の簡素化、コスト削減を行いたい。また、生徒主体のより良い情報教育の実現にも寄与していきたい。
#118西大和学園SSH音源分離班 「音源分離を用いた作曲者同定」
長井 晶哉(西大和学園高等学校 2年),彌永 琢斗(西大和学園高等学校 2年),永坂 慶一朗(西大和学園高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
今日の視聴者に曲を提案するシステムは、不特定多数のユーザーによる検索数の統計を用いて楽曲の推薦を行っている。このことから、あまり再生されていない音楽を視聴者に提案することには向いていない。そこで、似た特徴を持つ音楽を分析する事ができれば、その音楽の有名さに関わらず新たな音楽を提案できると考えた。本研究では与えられた作者不明の音楽を一定の候補者の中から同定する際に、音源分離技術を特徴量抽出に用いることで識別精度の向上を目指した。実験手法については、メルスペクトログラムを特徴量としてニューラルネットワークを構築し、判定精度を検証した。その結果、全体の判定精度に有意な差は見られなかったが、各作曲家の評価用データに対する判定精度と損失の偏りが小さくなり、音源分離技術は作曲家判定の特徴量として使用できるだろう。
#119寮食堂メニュー確認・評価システム「メニューちゃん」の開発・運用 「メニューちゃんプロジェクト」
奥田 祥太(奈良工業高等専門学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
すべての寮生が毎日利用する寮食堂は寮生にとって重要であり、そのメニューの確認をする機会は非常に多い。しかし、従来、食堂メニューを確認する方法は公式Facebookか食堂前の掲示のみに限定されており、休み時間や外出先などで気軽にメニューを確認することは困難であった。
 そこで、寮生が気軽にメニューを確認できるよう、LINE公式アカウントやWebアプリ上でメニューの確認、評価を行えるシステム「メニューちゃん」の開発を行い、1年半以上の運用を行った。また、継続的な運用のため、メニューのデータベースへの自動登録機能や評価のエクスポート機能、エラー通知機能の開発を行った。Webアプリでは、PCからのアクセスだけでなく、プログレッシブウェブアプリ(PWA)の技術を用いてiOS/Androidへのインストールを可能にするなど、できる限り気軽かつ簡単にメニューの確認を行えるようなシステムを目指した。
#120kihoku01 「化学の教材としての構造式生成プログラムの作成とその活用」
中田 圭亮(和歌山県立紀北工業高等学校 3年)
[情報の活用と表現]
 工業高校での工業化学の授業での教材として担当の先生との相談するなかで、一般のソフトウェアが高度すぎて使いにくいとの話を聞き、簡単で自由に化学式等が生成できるソフトウェアを作成してみました。
 特徴として、授業の教材やパワーポイントの提示例として、直感的に操作でき、簡単に化学の知識も深められるように、担当の先生や生徒などからフィードバックを得ながら開発しました。授業での活用や、生徒自身にも操作してもらい、さらなる化学の知識を深めていくことを目的として開発してみました。
 特に、いろいろな先生や生徒が利用できることを意識して、授業で登場する化学式に限定し、簡単な動作で作成できるように工夫して制作しました。
#121フューチャー 「メタバース空間を使用したオープンキャンパスの提案」
北尾 美來(青翔開智高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
オープンキャンパスの開催形式において、大きく分類して来場型とオンライン型の2種類がある。一般に、来場型は参加する時間や場所に制限がある場合が多く、オンライン型では大学の特徴や制度などを知ることはできても、実際の大学の雰囲気や周辺環境まではイメージしにくいといった課題がある。本研究では、それぞれの課題を解決し、学校の魅力をより伝えるアプローチとして、メタバース空間を用いたオープンキャンパスを考案した。プロトタイプとして、統合3DCGソフトのblenderとゲームエンジンであるUnityを使用して実際に校舎の一部分を再現した。メタバースプラットフォームのcluster内でイベントを開催し、ターゲットとなる小学4,5年生にメタバース上でイベントを行うことで青翔開智の興味関心を喚起できたかどうかをアンケートにて計測した。
#122UECスクール A-1 「部屋の明るさ伝える君〜センサーを用いた日常の課題へのアプローチ〜」
大村 和輝(岡山県立岡山大安寺中等教育学校 5年),仲山 遥都(栃木県立矢板東高等学校 2年),北村 綾夏(白百合学園高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
自分がいない部屋の照明をきちんと消したかどうか忘れてしまった時、わざわざ確認しにいかなくてはならない煩わしさを解消することを目的とし、この装置を作った。micro:bitに内蔵されている光センサーで照明の点灯を感知できるようにし、相互の無線通信でその情報をやり取りできる仕組みになっている。前提として、同様の機能を備えた装置を複数用いることを想定しており、部屋に1台ずつ設置することで各部屋の照明の状況を確認することができる。
 この装置を作成するにあたり、2点の実験を行った。1点目は、どの程度の光量を光センサーが感知した時「照明が点灯している」と判断するのか明らかにするものだ。2点目は、照明の光と太陽光の光を区別する方法を見出すものだ。
 この装置を日常的に利用することで、日々の生活で生じる面倒を解消できるのみならず、無駄な照明の点灯を抑えて、環境への配慮に寄与することも可能である。
#123広島国泰寺高等学校科学部ソリューション班 「動的環境の要素分けによるXAI(説明可能AI)の作成」
吉岡 翼(広島県立広島国泰寺高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
 現在,AI分野の研究が進む中で「自分が行動するに至った根拠等の説明ができない」という課題(ブラックボックス問題)が存在し,XAI(説明可能AI)を作成するという解決方法が存在することを知った。その一方で,XAIの研究は様々なアプローチが行われているが,具体的な学習方法は確立していないことが先行研究より明らかになった。そこで私は,XAIの作成法の1つである「要素分け」という考え方に注目して研究を行うことで,XAIの作成を目指すことにした。
 Unityを用いて動的環境を「エアホッケー」と「ブロック崩し」という2つの要素に分られるゲームを作成し,「エアホッケー」と「ブロック崩し」それぞれの動的環境を作成し,強化学習行うことでAIを作成する。そして,2つのAIを対戦させ得られた勝率等をまとめることでそれぞれの要素の重要度を明らかにし,この重要度を基にXAIを作成する。
#124高松商業高校科学部2年 「飲食店経営改善のためのサプライマネジメントWebシステムの開発」
石丸 暖人(香川県立高松商業高等学校 2年),魚部 亮(香川県立高松商業高等学校 2年),岡西 晃生(香川県立高松商業高等学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
私たちは、コロナ禍で厳しくなっている小さな飲食店の経営を援助することをテーマに、店舗の無駄な仕入れをなくし、人件費の効率化をすることで利益を上げることができる、完全予約制の飲食店検索・予約システムを開発しました。このシステムには、飲食店の紹介ページを作成する機能、飲食店の検索・予約機能、材料の在庫管理機能の、3つの機能があります。予約機能は、店単位だけでなく、テーブル単位でも予約を行うよう設定することができ、テスト運用もしやすくなっています。また、店舗それぞれで在庫管理ができ、経営環境を改善するだけでなく、持続可能の社会を目指してフードロスの対策にもなると考えています。
#125高松商業高校 情報科学部KMK 「被災地への物資供給を支援するシステム「ETA」の開発」
喜多村 実吏(香川県立高松商業高等学校 1年),松下 智哉(香川県立高松商業高等学校 1年),菊池 祐衣(香川県立高松商業高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
地震などの災害が起きた時に被災地に物資が円滑に行きわたらず、困っている被災者が多く、自治体もその状況を把握することが困難です。私たちは被災地に現在どれぐらいの人がいるか,どれぐらいの物資が残っているかを確認できるシステム「ETA」を開発しました。このシステムは、人工知能によって、現在の避難所の物資の在庫量の把握、避難所の人数の把握、SNSの投稿から必要な物資の把握などができ、物資管理の指揮を執るリーダにリアルタイムで視覚的に提示し、被災者の欲しいものと人数をどこでも見られるようにすることで、無駄なく,効率よく物資を運ぶことができるようにリーダが適切な指示が出せるシステムとなっています。
このシステムを用いることで、被災者に効率よく円滑に必要な物資を届けることができ、困ってる被災者の援助になると考えます。
#126(発表取消)

#127趙 「アイデアを整理しよう!音声で作るマインドマップ」
趙 佳旭(福岡インターナショナルスクール 10年)
[問題解決とコンピュータの活用]
寝ている時にアイデアが浮かんだことがある人は多いはずだ。しかし、こういう場面においてペンを持って紙に記したりするのは面倒で、睡眠にも影響を及ぼす。
より気軽に記録できる方法としてボイスメモがあげられるが、既存のものでは文字起こしの機能があるのみで、後から整理・編集をする必要がある。
そこで、創造性が重視される現代社会において、就寝時に限らずアイデアの整理をより便利にするため、音声でマインドマップを作成・保存できるWebアプリケーションを開発した。マインドマップは、中心となるテーマから連想したアイデアを放射状に記す図式で、思考を整理する効果的な方法である。今回開発したアプリでは、ユーザーが中心のテーマとキーワードをいくつか話し、それら同士の繋がりを指定すると、内容をマインドマップ形式に変換し画面上に表示する。また、特定の語句を意識しない自然な話し方でも機能するように、自然言語処理を活用している。
#128城南高校理数DS 「高校生手書き数字画像データセット作成と中心位置移動による手書き数字画像の判定精度向上に関する研究」
小野 拓登(福岡県立城南高等学校 2年),野本 悠介(福岡県立城南高等学校 2年),坂本 倖嗣(福岡県立城南高等学校 1年),永岡 南見(福岡県立城南高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
城南高校の理数コースでは、「理数DS」の授業の中で手書き数字の画像認識について学んでいる。実習を行う中で、必ずしも正しい判定結果が得られないということがわかった。学習用データに用いたscikit-learnに付属されているデータセットは、海外で収集されており、数字の書き方に癖がある。このことがモデルの判定精度に影響を与えていると考えられる。そこで、高校生の手書き数字画像データセットを作成し、手書き数字を識別したい対象者(今回は高校生)に合わせた学習モデルの作成を行う。また、未知の手書き数字画像を認識する際、数字の位置によって判定結果が変わることがある。そのため、特定したい未知画像の数字の位置を中心に移動させることで判定精度の向上を目指す。
#129致遠館高校第二十一班 「写真映りと顔」
中川 真喜人(佐賀県立致遠館高等学校 2年),原口 蓮(佐賀県立致遠館高等学校 2年),前田 匠影(佐賀県立致遠館高等学校 2年),森山 真帆(佐賀県立致遠館高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
現代社会ではスマートフォンが普及し、SNSなどに自分の写真を上げる人が増えてきている。そのような人々の中には、「自分は写真うつりが悪い」と考えている人もいるはずである。幾度となく写真を撮っている人ならば、これまでの経験から自分が一番良くうつる角度が分かるかもしれない。しかし、その角度が理論的に正しい角度なのかどうかはわからないだろう。そもそも自分が良く映る角度なんて知らないという人もいるかもしれない。そこで、私たちは、どの角度から撮ると写真うつりが良くなるのか研究した。本研究では、「写真うつりが良い」という曖昧な定義を、先行研究の考察を参考にしてフェイスラインに着目して、研究を行った。
#130渋滞撲滅委員会 「渋滞撲滅委員会~学校周辺の渋滞解消~」
大坪 優華(佐賀県立致遠館高等学校 2年),島ノ江 秋穂(佐賀県立致遠館高等学校 2年),川﨑 圭(佐賀県立致遠館高等学校 2年),西岡 延浩(佐賀県立致遠館高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
車は私たちの社会に普及し生活をより豊かにしているが、その一方で私たちが渋滞によって無駄にする時間は年間で一人当たり約40時間であるといわれている。皆さんは渋滞によって困った経験はないだろうか。現在、私たちの通う佐賀県立致遠館高等学校の周辺は佐賀のなかでも人が集まる場所が多くあり、また人口密度が県内の他の市町村に比べて高くなっているため渋滞が多発している。特に通勤通学時に渋滞することが多く、課題となっている。本研究は、この渋滞を解消することを目的として行った。また、研究を進めるにあたって私たちは様々な交通要因の中から比較的条件を変えやすい信号に着目をした。交通シミュレーションアプリ「sumo」を用いて実際の道路で渋滞を再現し、一番早く渋滞を解消できる信号サイクルを導出した。
#131INN 「どこでも予約できる購買予約サイトの開発」
高橋 李成(佐賀県立致遠館高等学校 2年),今村 潤矢(佐賀県立致遠館高等学校 2年),古川 魁士(佐賀県立致遠館高等学校 2年),諸石 大(佐賀県立致遠館高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちの学校には購買部があり、昼ご飯を買う時などに使用させていただいている。しかし、3時間目の休み時間までに買いに行かなければならないというきまりがあり、買いに行く時間がなかったり、人が多いせいで買いたかったものが売り切れになったりしていることがある。また、コロナウイルスの感染を懸念し、人混みに行きたくないと考える人もいる。そこで、購買部の予約サイトがあれば便利になると考え、予約サイトを開発することにした。webサイトを開発するために、vscodeというソフトを使用することにした。このvscodeで、HTMLとCSSという言語を使い、webサイトを開発する。HTMLとは、webサイトにおける文字の部分を書く際に使う言語で、CSSとは、webサイトのデザインを作るための言語である。私たちはこれらの言語について何も知らない状態だったため、Progateというプログラミングについて学ぶことができるサイトを利用しこれらの言語について学び、webサイトを開発した。
#132鍵開け隊 「顔認証を用いた鍵の開閉システムの開発」
山﨑 匠吾(佐賀県立致遠館高等学校 2年),井上 幹太(佐賀県立致遠館高等学校 2年),福島 吏貴(佐賀県立致遠館高等学校 2年),若林 剛(佐賀県立致遠館高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
本校では移動教室の際、「鍵係」の人が教室の鍵を施錠し、鍵を管理するというルールがある。しかし、このルールは教室に忘れ物などをしてしまったときに、毎回鍵係の人から鍵を借りる必要があるため、とても不便である。そこで、私たちは顔認証を用いた鍵の開閉システムを作成することで、鍵の開閉の管理をより手間なくすることができるようになるのではないかと考えた。そして、このシステムをRaspberry Piやサーボモーターを用いることで具現化することができた。教室に入りたい人が前に立つと鍵が開き、その入退室を記録できる、効率がいいシステムに仕上げることができた。
#133SOTTA 「AIと会話をしたい!!」
宮崎 太一(佐賀県立致遠館高等学校 2年),田中 君弥(佐賀県立致遠館高等学校 2年),畑原 涼汰(佐賀県立致遠館高等学校 2年),境 颯吾(佐賀県立致遠館高等学校 2年)
[情報通信ネットワークとコミュニケーション]
今、様々なロボットがあらゆる場面で活躍している。私たちはその中でも、人との会話を目的としたロボットを研究の対象とした。会話ロボットは人から名前が呼ばれることでマイクのスイッチがオンになり、人の発言に沿った会話を提供してくれるロボットだ。しかし、会話ロボットは現在まだ発展途上であり、会話ロボットと人との会話が自然な会話であるというにはほど遠い。そこで私たちは、人間同士の会話における「会話の『始まり』」に注目した。人間は名前を呼ばれなくても自分が話しかけられていると分かる場合がある。私たちはいくつかの場合を考え、その中から選んだのが「視線が合っている場合」だ。視線が合っているとき、人間同士の会話では相手の名前を呼ばずに話を始めることができる。その仕組みを会話ロボットにも導入できないかと考え、私たちは研究を始めた。
#134UTO科学部物理班 「三平方の定理を用いたニュートンリング解析~新たな解析方法の開発~」
森 俊太朗(熊本県立宇土高等学校 1年),佐田 孝士(熊本県立宇土高等学校 1年),黒木 大雅(熊本県立宇土高等学校 1年),田中 志昊(熊本県立宇土高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
スライドガラスを重ねて押さえるとできる円や縦縞模様と同じ原理の,ニュートンリングに興味を持った.ねじを締めながら観察するとリングが中心から湧き出るように見えたり,m=1次付近に暗環が出現しないことがわかってきた.装置を新調して測定した結果,測定データは精度が比較的高いが,ねじの圧力の歪みでレンズの曲率半径の値にばらつきが生じ,何番目の暗線かが特定できないことがわかった.そこで,任意の暗環と暗環の本数に着目することで三平方の定理を利用した定数Cが求まることを発見し,「環間隔定数」と名付けた.このC値を求めることで,レンズが歪んだままでも曲率半径を導出できるようになった.さらに,暗環半径の任意の2点以上あれば曲率半径を導出でき,このC値の比較は曲率半径の精度指標になることもわかった.この装置はピクセル値計測によって曲率半径の精度向上ができ,安価で精度高い波長測定装置にもなると考えている.
#135SUBARUTO 「LEGOマインドストームEV3を用いたアイスバーン予見装置と回避プログラムの開発」
林 勇輝(熊本県立宇土高等学校 2年),林田 蓮和(熊本県立宇土高等学校 2年),光永 雅翔(熊本県立宇土高等学校 1年)
[プログラムによる計測・制御]
冬の季節になると積雪の多い地域で車を運転する際に起こる事故の一つに、「アイスバーン」というものがある。特に、「ブラックアイスバーン」と呼ばれるものは、路面に薄い氷の膜ができ、濡れた路面のように見える状態で、ブラックアイスバーンは、見た目では道が凍っているのか濡れているのか判断がつかない。ブラックアイスバーンは雪国など地域特有の現象ではないため、雪に慣れていない地域も注意が必要である。交通量の少ない道路であれば、アイスバーンに巻き込まれた車のみで被害が収まることもあるが、交通量の多い道路だとアイスバーンに巻き込まれた車を先頭に後続の車が玉突き事故を起こす可能性も考えられる。そこで、私達は、レゴのマインドストームEV3を使って、車列の先頭の車がアイスバーンに巻き込まれたときにその場所にアイスバーンがあることを自動で検知し、後続の車と通信することで、車の玉突き事故を防げないか考えた。
#136宇土ウシン 「自然界のネイピア数をGeogebraで暴く」
梅川 元鶴(熊本県立宇土高等学校 2年),甲斐 光喜(熊本県立宇土高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
熱いコーヒーやお風呂の温度が冷めるときの温度の変化や、はやぶさが獲物に近づくときは対数螺旋を描いて飛ぶなど、自然界には指数関数が隠れていることを知り、「自然対数(ネイピア数)」の存在に興味を持った。そこで、まず、身近にある氷の状態変化による体積の変化に着目して実験を行った。氷が常温において完全に融解するまでの体積の推移、もしくは沸騰した水が常温に戻るまでの温度の推移などを測定した。その結果、「自然対数」の傾向が見られた。分析には、シュミレーションソフトGeogebraを用いると、自然現象の中にはネイピア数と結びつくものがあるかどうか分析できることもわかった。まだ実験の試行回数が少なく詳細な研究の解析をできていないため、更に研究を進めていきたい。また、その他、音の減衰現象なども調べ、自然界に隠れる「対数」を多く調べていきたい。
#137MicrosoUTO 「Unityを用いた力学実験の3Dエンジン化」
今村 遙(熊本県立宇土高等学校 2年),安田 陸人(熊本県立宇土高等学校 2年),舛田 崇光(熊本県立宇土高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
我々は、学校で行う探究活動のなかで力学分野の研究をしている。研究を進める中で、物理の公式を用いても解を求めることができず、校内にある測定機器ではデータの取得が困難な事が多い。そこで、シミュレーションを用いて物理現象を再現し、データを取得できないかと考えた。近年、高校生の研究のなかではUnityというシミュレーションソフトが多く用いられているが、Unityがどこまで正確に物理現象を再現できるのか分かっていない。
そこで、本研究では、主に学校等で行う物理の力学の実験をUnity上で実行し、グラフ上に表すという処理を作成することで、Unityを物理シュミレーションとして使うことができるのか調べることにした。まず、自由落下する物体の高さをグラフに表すことから始め、2物体の衝突などの再現を行った。研究を行う上で、物理の公式によって得られる値と異なるデータが得られたが、その点についても考察を行った。
#138熊本県立熊本北高等学校自然科学部生物分野データサイエンス班 「スマートフォンを利用した学習記録ツールの開発」
前田 永遠(熊本県立熊本北高等学校 1年),阿部 ゆきな(熊本県立熊本北高等学校 1年),石炭 芭琉(熊本県立熊本北高等学校 1年),松岡 慶龍(熊本県立熊本北高等学校 1年)
[プログラムによる計測・制御]
研究の動機
 スマートフォンの普及により、スマートフォンを使った娯楽を優先する等スマートフォンに依存する人が増えている。高校生の中にも、勉学等よりもSNSやゲームを優先する人が多いことに気づき、スマートフォンを利用した学習ツールの作成を試みることにした。
学習ツールの概要
 学習ツールを開き、科目・単元と選択し、勉強することでツール内で何時から何を何分間学習したのかを自動記録し、忘却曲線に基づいた復習を促す機能を搭載する。本研究では、まずは勉強時間を記録するためのプログラム・サーバーを作成することにした。また、リアルタイムに勉強している人をSNSのタイムラインのように表示する機能も搭載予定である。
#139宮崎大学教育学部附属中学校 「非常時にも使える「防災用品の提案・管理アプリ」の開発」
平川 晴茄(宮崎大学教育学部附属中学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
近年、地震の他にゲリラ豪雨や台風での災害が非常に増えています。災害に備えて防災用品を準備している家庭は多いですが、必要な物品をきちんと準備できていなかったり、非常食の定期的な確認ができていなかったりする割合が高いことが分かりました。そこで、防災用品の提案・管理アプリの開発をしました。アプリ開発前に行ったアンケートでの「何を準備すればいいか分からなくて準備していない」という問題を解決するため、従来の防災用品管理アプリではなかった「家族の人数や構成によって防災用品を提案する機能」を実装し、防災用品の準備を簡単にできるようにします。また、非常食の賞味期限が近づくと非常食の入れ替えを警告することで、定期的に災害について意識できるようにします。
#140もう一人のBOKU!! 「AIセンシングを用いた農Howの見える化~AIを込めてSDGsを~」
伊計 琉汰(沖縄工業高等専門学校 3年),平良 琉馬(沖縄工業高等専門学校 3年),与那覇 玄己(沖縄工業高等専門学校 3年)
[問題解決とコンピュータの活用]
昨今、農業においてもDX(Digital Transformation)やSDGsの達成が求められている。SDGs2-4において、2030年までにレジリエントな農業を実践する事で、気候変動などへの適応能力を向上させる必要がある。SDGs12-3では、生産者からお店の流れの中で廃棄される食糧を現在の50%以下に減らすことが掲げられている。その実現のために、沖縄県農業研究センターでは、パインアップルの生育情報から収穫量や収穫時期を予測するモデル式を構築している。しかし、農作物の生育情報は人が直接取得する必要があるため、圃場の規模に比例して、作業負担が課題となる。そこで私達は、ドローンとAIを用いて生育情報を自動取得し、さらに「生育情報の見える化」、「高精度な収穫量と収穫時期の予測」、「栽培方法の適切な更新」を循環させることで、農業従事者の負担を軽減しつつ、レジリエントな農業を実現できると考えた。現在、パイナップルを対象として研究開発を行っており、その進捗状況を報告する。
#141TEAM CASTLE 「写真測量による遺跡の立体的な記録の保存」
赤嶺 有音(昭和薬科大学附属中学校 1年),與儀 敦仁(昭和薬科大学附属中学校 1年)
[情報の活用と表現]
沖縄県には琉球王国時代前後の遺跡がありますが、完全な形で現存している遺跡は少なく、多くの遺跡が復元・修復されています。2019年に火災によって焼失してしまった首里城正殿も復元されたものでした。今後も災害などで遺跡がなくなってしまうかもしれない事を考えると、その情報を残すことは重要だと考えます。しかし、写真だけで保存した場合には2次元的な情報しか得られません。後世に残すためには、立体的な情報として保存することによって、ARやVR、メタバースなどでも活用できる幅が広がると思います。そこで私たちは、写真測量によって遺跡の立体的な情報を得ようと試みました。