情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

情報技術における国際標準化活動~ISO/IEC JTC 1の活動紹介~

日時:3月2日 12:40-15:10

会場:第3イベント会場

【セッション概要】今日あらゆる技術分野で国際標準化の重要性が認識されている。中でも情報技術分野においては、関連するプレーヤー(企業、研究機関等)による研究開発・事業展開の競争と連携が顕著である。これらの活動は国内だけでなく国際間でも活発に展開されている。このような状況下、国際標準化活動はプレーヤーにとって技術レベル向上と事業機会拡大のための戦略的な機会となりうる。本セミナーでは、我が国の国際標準化政策の動向および情報技術の国際標準化を担当するISO/IEC JTC 1の活動状況を紹介するとともに、情報技術に関する国際標準化活動への参加について解説する。

司会進行

出井 敏夫(一般社団法人情報処理学会 情報規格調査会 規格部門マネージャ)

出井 敏夫

【略歴】1981年東京工業大学工学部制御工学科卒業. 同年三菱電機株式会社に入社,映像音響機器および画像処理に関する技術開発に従事,1995年より三菱電機欧州研究所においてデジタル放送技術の調査研究に従事,2000年三菱電機株式会社に帰任の後2011年より一般社団法人マイクロマシンセンターにおいてIEC/TC 47/SC 47F(MEMS)のエキスパートを務めるとともに国内審議団体事務局業務に従事.2015年三菱電機株式会社に帰任の後,2018年より一般社団法人情報処理学会情報規格調査会においてISO/IEC JTC 1(情報技術)の国内審議団体事務局責任者として業務に従事,現在に至る.情報処理学会正会員.

12:40-12:45 開会挨拶

河合 和哉(国立研究開発法人産業技術総合研究所 社会実装本部 社会実装戦略部 標準化推進室 招聘研究員)

河合 和哉

【略歴】1987年横浜国立大学大学院工学研究科電子情報工学専攻修了.同年松下通信工業(株)入社.以来,システム開発,技術渉外に従事.2005年より国際標準化活動に従事.2019年独立行政法人 情報処理推進機構,2020年より現職.情報規格調査会 SC31専門委員会委員長(2011-16年),SC41専門委員会委員長(2017-19年),副委員長(2014-19年)を経て2020年より委員長.

12:45-13:15 講演(1) 我が国における国際標準化政策の動向

森田 僚(経済産業省 産業技術環境局国際電気標準課 総括補佐)

森田 僚

【講演概要】政府の国際標準化政策、主要国の標準化をめぐる動きを紹介する。

【略歴】名古屋大学大学院経済学研究科修了。経済産業省において、デザイン政策、対日投資促進、メディアコンテンツ政策、エネルギーセキュリティ、投資ファンドへの出向、産業技術総合研究所の組織運営を経て、2021年より現職。

13:15-13:35 講演(2)-1 JTC 1 国際標準化の概況

河合 和哉(国立研究開発法人産業技術総合研究所 社会実装本部 社会実装戦略部 標準化推進室 招聘研究員)

河合 和哉

【講演概要】本講演では、情報技術(Information technology)の標準化を担当するISO/IEC JTC 1の活動を概観し、学会参加者に国際標準化活動を紹介する。

【略歴】1987年横浜国立大学大学院工学研究科電子情報工学専攻修了.同年松下通信工業(株)入社.以来,システム開発,技術渉外に従事.2005年より国際標準化活動に従事.2019年独立行政法人 情報処理推進機構,2020年より現職.情報規格調査会 SC31専門委員会委員長(2011-16年),SC41専門委員会委員長(2017-19年),副委員長(2014-19年)を経て2020年より委員長.

13:35-14:00 講演(2)-2 JTC 1 国際標準化の事例、関連技術の動向など

鈴木 俊宏(日本オラクル株式会社 事業戦略統括 スタンダードストラテジー&アーキテクチャ/ポリシー担当シニアディレクター)

鈴木 俊宏

【講演概要】情報技術の国際標準化を担うISO/IEC JTC 1でおこなわれている国際規格開発の現場からクラウドコンピューティング(ISO/IEC JTC 1/SC 38)を例にとり国内審議団体である情報処理学会情報規格調査会の活動を中心に最近の関連技術の動向を概観する。クラウドコンピューティングの国際標準化は個々の技術の標準化にとどまらず、地政学的な見地はもちろん、社会基盤のイネーブラー(Enabler)としての見地が求められる。またこれまでの国際標準化で起こった実際のトピックスや、SC 38で始まった「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT: Data Free Flow with Trust)」に関連した議論、更にはクラウドコンピューティングの最新のトレンドを紹介する。

【略歴】1985年長岡技術科学大学大学院修士課程修了。同年日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。大和研究所にてオペレーティングシステムや先進分散フレームワークの研究開発に従事。1999年日本オラクル株式会社。現在スタンダードストラテジー&アーキテクチャ/ポリシー担当シニアディレクターとして、ISO/IECを中心とした国際標準化活動と政策渉外を担当。2009年からISO/IEC JTC 1/SC 38 (クラウドコンピューティング及び分散プラットフォーム)国内委員会委員長/幹事。2016年からISO/IEC JTC 1(情報処理) システムインテグレーション国際ファシリテーター。 2017年からISO/TC 307 (ブロックチェーン及び分散台帳技術) 国内委員会アドバイザーグループ主査。2019年からISO/IEC JTC 1へのISO/TC 307 国際リエゾン代表。2019年度経済産業大臣表彰受賞。

14:00-14:15 休憩

14:15-15:00 講演(3) 情報処理学会情報規格調査会の概況および標準化活動への参加について

出井 敏夫(一般社団法人情報処理学会 情報規格調査会 規格部門マネージャ)

出井 敏夫

【講演概要】情報技術分野においては国内外のさまざまなプレーヤー(企業,大学,研究機関)の競争と連携が活発に行われており,日々技術革新やあらたな市場開発の動きがいちじるしい.このような競争を勝ち抜いていくために,今日では国際標準化の重要性が認識されているが,個々のプレーヤーにとって国際標準化にどうかかわるべきかはきわめて重要な課題である.本講演では情報技術分野における国際標準化活動への参加のしかた,また参加することによって得られるメリット等について説明して標準化活動に対する理解を促し,より多くのプレーヤーが国際標準化活動に参加する将来を展望する.

【略歴】1981年東京工業大学工学部制御工学科卒業. 同年三菱電機株式会社に入社,映像音響機器および画像処理に関する技術開発に従事,1995年より三菱電機欧州研究所においてデジタル放送技術の調査研究に従事,2000年三菱電機株式会社に帰任の後2011年より一般社団法人マイクロマシンセンターにおいてIEC/TC 47/SC 47F(MEMS)のエキスパートを務めるとともに国内審議団体事務局業務に従事.2015年三菱電機株式会社に帰任の後,2018年より一般社団法人情報処理学会情報規格調査会においてISO/IEC JTC 1(情報技術)の国内審議団体事務局責任者として業務に従事,現在に至る.情報処理学会正会員.

15:00-15:05 閉会挨拶

関 喜一(国立研究開発法人産業技術総合研究所 人間情報インタラクション研究部門 上級主任研究員)

関 喜一

【略歴】1994年北海道大学大学院工学研究科生体工学専攻博士後期課程修了。工学博士。同年通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所入所。2001年産業技術総合研究所に改組。現在同研究所人間情報インタラクション研究部門上級主任研究員。大学院から現在まで視覚障害者の聴覚による環境認知の研究に従事。その他に、情報アクセシビリティの標準化、交通バリアフリー関連法のガイドライン作成にも従事。
日本音響学会、情報処理学会、日本福祉のまちづくり学会、視覚障害リハビリテーション協会、日本リハビリテーション工学協会各会員。感覚代行研究会事務局幹事。国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科非常勤講師。ISO/IEC JTC 1(情報技術)国内副委員長。ISO/IEC JTC 1/SC 35(ユーザインタフェース)国内幹事。IEC TC 3/SC 3C(機器・装置用図記号)国際幹事。国土交通省バリアフリーガイドライン検討委員。