デジタル版水産学用語辞典の刊行

 

 日本水産学会が創立85周年を迎えるにあたり、その記念事業の一環として「デジタル版水産学用語辞典」を出版することとなりました。
 日本水産学会が「水産学用語辞典」を最初に出版したのは1989年のことです。「水産学用語辞典」の編纂に取り組んだのは、必ずしも統一のとれていない水産学専門用語の表記法を標準化することが、研究成果の効率的普及と利用のために極めて重要と考えたからです。「水産学用語辞典」は約1,600語を収録し、それぞれの用語に比較的詳細な解説を付しました。それから12年後の2001年に日本水産学会は創立70周年を迎え、その記念事業として「英和・和英水産学用語辞典」が上梓されました。この辞典は水産学のみならず、関連する海洋学、生物学、生化学、食品学などの諸学問領域から幅広く用語を収録し、必要に応じて簡潔な解説を付すことを基本方針としました。見出し語は約9,800語からなり、さらに巻末には「水産学用語辞典」で好評を博した主要水産動植物名一覧を一層充実した形で掲載しました。
 時はさらに流れ、2011年に公益法人化した日本水産学会は、2017年に創立85周年の節目を迎えます。創立85周年記事業の一環として、「英和・和英水産学用語辞典」の内容をさらに充実し、装いも新たに「デジタル版水産学用語辞典」を編纂することとなりました。「英和・和英水産学用語辞典」をベースに、収録用語を再度吟味し、さらに新たな用語を加え、その結果、用語数は10,300に達しました。この「デジタル版水産学用語辞典」は、パソコンやスマホなどの端末で簡単に用語の検索ができるオンライン辞典です。オンライン辞典は必要に応じて用語の追加や説明の修正が可能で、読者・利用者のフィードバックで成長を続ける辞典を言っても過言ではありません。しかしオンライン辞典にはインターネットを活用するが故のジレンマもあります。パソコンに向かって「デジタル版水産学用語辞典」で用語を検索することになると、この辞典を使わなくてもインターネットの検索機能で用語を調べることもできてしまいます。そこで、「デジタル版水産学用語辞典」の独自性と有用性を高めるため、編纂に当たっては水産学に特化した用語を重点的に説明することを心掛けました。たとえば、定置網の「運動場(うんどうば)」をネットで検索しても定置網に関連する説明はまず出てきません。このように水産学用語に特化することで、水産学およびその関連分野の学生・教員・研究者等にとって利便性の高いものを目指しました。
 この「デジタル版水産学用語辞典」がこの分野のますますの発展に少しでも寄与できればとの願いを込めて、鋭意編纂作業を進めています。どうぞご期待下さい。


2017年12月
デジタル版水産学用語辞典編集委員会
委員長  金 子 豊 二