情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス 情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス
国際的に通用する高度IT技術者の育成・評価を推進する戦略とは?―J07,JABEE,技術士,CCSF,CITP,ISO/IEC 24773を巡って
日時:3月18日(水曜日)9:30-12:00
会場:第6イベント会場(吉田南総合館 2F 共北28)
【セッション概要】ITは現代社会を支えるインフラであり,それを担うIT技術者には高度な能力が求められる.最近,国際的に通用する高度IT技術者の育成・評価を目的として,ISO/IEC 24773の改訂やIFIP IP3によるIT技術者資格の国際的相互承認の取り組みが進んでいる.国内においても,i-コンピテンシ・ディクショナリ(CCSF Ver.2)の構築や,情報分野における技術士制度と情報処理技術者試験の連携が行われている.これらを踏まえて,情報処理学会ではCITP(認定情報技術者)制度を開始し,日本技術士会と情報処理学会の連携強化も図っている.本イベントでは,これらの取り組みを踏まえ,情報分野における高度なIT人材の育成・評価を推進するための戦略について,大学や産業界(ITベンダーおよびITユーザー),情報処理学会の立場を踏まえて議論する.
司会:掛下 哲郎 (佐賀大学 工学系研究科 知能情報システム学専攻 准教授)
【略歴】九州大学大学院修了.工学博士.現在,佐賀大学知能情報システム学専攻 准教授.2003年度よりJABEE活動に受審側・審査側の立場で参加し,2008年度より本会の高度IT資格制度に取り組んでいる.2013年度よりISO/IEC JTC1/SC7/WG20委員としてISO/IEC 24773の改訂に参画.データベースおよびソフトウェア工学を専門とする.2012年度 本会・優秀教育賞受賞.JIP特選論文表彰.本会・シニア会員.
9:30-9:45 講演(1) 情報工学部門からの技術士試験制度の改革
児玉 公信 (株式会社情報システム総研)
【講演概要】技術士制度は,55年以上の歴史を持つ文科省所管のエンジニア認定制度である.2001年に,国際整合するエンジニア資格として大幅に改定され,工学教育のアクレディテーションから技術士の認定までがその射程に入る.しかし,業務独占の資格でない,技術士制度の認知が不十分,技術士の総数が少ないなどにより,制度が十分に機能していない.さらに,情報分野においては,10年後発の情報処理技術者試験の知名度が上回り,大学のJABEEプログラムの継続認定を取りやめる動きも出てきている.優秀な真のエンジニアが尊敬される職業として認識され,工学教育が実りあるものとなるよう,現在,技術士委員会では,情報処理技術者試験と技術士試験の相互活用に向けて,関係省庁と具体的な調整を行っている.本講演では,この制度改定の目的と内容,その影響について述べる.
【略歴】東京都立大学(心理学専攻)卒業.石油元売り,大学受託研究員,鉄鋼系情報子会社を経て,現在,(株)情報システム総研取締役副社長.技術士(情報工学部門).博士(情報学).モデリングとシステム思考に基づく基幹情報システム再構築のアーキテクトとして中心的に参画.学習院大学非常勤講師.情報処理学会技術士委員会委員長,文部科学省科学技術・学術審議会専門委員.
 
9:45-10:00 講演(2) i コンピテンシ ディクショナリの概要と活用
高橋 秀典 (特定非営利活動法人スキル標準ユーザー協会 専務理事)
【講演概要】2002年12月のITSS公表から始まったスキル標準の歴史が,2014年7月の「i コンピテンシ ディクショナリ」(iCD)の公表によって集大成を迎えました.各種BOKに対応したiCDは,将来においても要になりえる柔軟な構造を持っています.そのiCD策定の背景や考え方,および活用方法について,策定・活用の両方に長年深く関わってきた立場から,分かり易く解説します.
【略歴】スキル標準ユーザー協会 専務理事.1993年に日本オラクル入社.研修ビジネス責任者在任中にオラクルマスター制度を確立させるなど活躍.その後,執行役員としてシステム・エンジニアを統括.並行して2003年12月にITSSユーザー協会(現・スキル標準ユーザー協会)を設立する.2004年7月に日本オラクルを退社し,(株)スキルスタンダード研究所を設立.スキル標準を企業で活用するためのコンサルティング事業を開始.以後,関西電力,リクルート,ベネッセ,三菱UFJ証券,住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫),損保ジャパンなど大手企業のIT人材育成・活用支援を多数手がけるとともに,各種スキル標準委員会の委員を歴任するなど,IT人材育成・活用分野の第一人者として知られる.2006年5月にIPA賞人材育成部門受賞.2012年度経済産業省『産業構造審議会・人材育成WG』委員,2013年9月より内閣官房『世界最先端IT国家創造宣言・人材育成分科会』委員,著書に『UISSガイドブック』,『ITエンジニアのためのITSS V2が分かる本』など.
 
10:00-10:15 講演(3) 動き出した認定情報技術者制度CITP
旭 寛治 (株式会社日立製作所)
【講演概要】情報処理学会が数年にわたって検討してきた高度IT人材を対象とする資格制度が漸く運用開始に漕ぎつけた.資格の名称は「認定情報技術者(CITP)」である.ITスキル標準のレベル4以上の能力を有する上級技術者をCITPとして認定する.情報技術者資格に関する国際標準ISO/IEC 24773に基づいて制度設計を行い,IFIPのIP3(情報技術者資格の相互承認プログラム)の下で国際的に通用する資格とすることを目指している.2014年11月から資格申請の受付を開始し,本年度末までに最初の合格者が決まる.また,企業の社内資格制度がCITPの要件を満たしていることを認定する制度の試行を実施している.本講演では,これらの取り組みの最新状況を紹介する.
【略歴】(株)日立製作所オープンソフトウェア本部長,基本ソフトウェア本部長,ストレージソリューション本部長,(株)日立テクニカルコミュニケーションズ代表取締役社長等を歴任.1999年本会理事,2005年副会長.IT プロフェッショナル委員会委員長,資格制度運営委員会委員長,アクレディテーション委員会副委員長.本会フェロー,名誉会員.
 
10:15-10:30 講演(4) IT資格に関する国際動向と人材育成制度の整合化
掛下 哲郎 (佐賀大学 工学系研究科 知能情報システム学専攻 准教授)
【講演概要】ISO/IEC JTC1/SC7/WG20では,ソフトウェア工学分野における資格制度を対象とする比較の枠組みとして策定された国際標準ISO/IEC 24773:2008の改訂を進めている.この改訂では,資格制度の対象分野をシステム工学分野にも拡大するとともに,適合性評価の概念を導入することが議論されている.これに関連して,IFIP IP3はISO/IEC 24773改訂版に基づく認定団体になるための検討を進めている.ECではe-Skillsやe-Competency Frameworkの策定が進みつつある.こうした取り組みは資格制度間の相互連携を促進するものだが,同時に,大学等の教育機関における情報教育や企業等のIT人材育成制度と人材評価制度の整合化を要請するものでもある.本講演では,こうした国際動向を紹介し,相互の関連や本会のCITP,JABEE,J07との関連を含む全体像について解説する.
【略歴】九州大学大学院修了.工学博士.現在,佐賀大学知能情報システム学専攻 准教授.2003年度よりJABEE活動に受審側・審査側の立場で参加し,2008年度より本会の高度IT資格制度に取り組んでいる.2013年度よりISO/IEC JTC1/SC7/WG20委員としてISO/IEC 24773の改訂に参画.データベースおよびソフトウェア工学を専門とする.2012年度 本会・優秀教育賞受賞.JIP特選論文表彰.本会・シニア会員.
 
10:35-12:00 パネル討論 J07,JABEE,技術士,CCSF,CITP,ISO/IEC 24773等の諸活動の連携推進の方策を探る
【討論概要】高度IT技術者の育成・確保は,内閣による世界最先端IT国家創造宣言の目指すところである.そこにつながる取組みには,JABEEによる大学での技術者教育の質保証,その参照対象となるJ07などの情報専門学科カリキュラム標準,その上につながるCCSFや技術士資格・CITP(認定情報技術者制度),それらの国際的標準化・相互承認に向けてのISO/IEC 24773やIFIP IP3の活動などがある.このパネル討論では,これらの取組みを推進している人をパネリストとして,それらの取組みの連携を推進する方策を議論する.
パネル司会:筧 捷彦 (早稲田大学)
【略歴】東京大学工学部計数工学科卒・同大学院修了.同学科助手,立教大学理学部数学科講師・助教授を経て,1986年から早稲田大学理工学部教授.本会フェロー,現在情報処理教育委員会委員長.J07の策定にあった.JABEEでは理事・ウル協定対応部会主査を務める.
パネリスト:児玉 公信 (株式会社情報システム総研)
【略歴】東京都立大学(心理学専攻)卒業.石油元売り,大学受託研究員,鉄鋼系情報子会社を経て,現在,(株)情報システム総研取締役副社長.技術士(情報工学部門).博士(情報学).モデリングとシステム思考に基づく基幹情報システム再構築のアーキテクトとして中心的に参画.学習院大学非常勤講師.情報処理学会技術士委員会委員長,文部科学省科学技術・学術審議会専門委員.
パネリスト:高橋 秀典 (特定非営利活動法人スキル標準ユーザー協会 専務理事)
【略歴】スキル標準ユーザー協会 専務理事.1993年に日本オラクル入社.研修ビジネス責任者在任中にオラクルマスター制度を確立させるなど活躍.その後,執行役員としてシステム・エンジニアを統括.並行して2003年12月にITSSユーザー協会(現・スキル標準ユーザー協会)を設立する.2004年7月に日本オラクルを退社し,(株)スキルスタンダード研究所を設立.スキル標準を企業で活用するためのコンサルティング事業を開始.以後,関西電力,リクルート,ベネッセ,三菱UFJ証券,住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫),損保ジャパンなど大手企業のIT人材育成・活用支援を多数手がけるとともに,各種スキル標準委員会の委員を歴任するなど,IT人材育成・活用分野の第一人者として知られる.2006年5月にIPA賞人材育成部門受賞.2012年度経済産業省『産業構造審議会・人材育成WG』委員,2013年9月より内閣官房『世界最先端IT国家創造宣言・人材育成分科会』委員,著書に『UISSガイドブック』,『ITエンジニアのためのITSS V2が分かる本』など.
パネリスト:旭 寛治 (株式会社日立製作所)
【略歴】(株)日立製作所オープンソフトウェア本部長,基本ソフトウェア本部長,ストレージソリューション本部長,(株)日立テクニカルコミュニケーションズ代表取締役社長等を歴任.1999年本会理事,2005年副会長.IT プロフェッショナル委員会委員長,資格制度運営委員会委員長,アクレディテーション委員会副委員長.本会フェロー,名誉会員.
パネリスト:掛下 哲郎 (佐賀大学 工学系研究科 知能情報システム学専攻 准教授)
【略歴】九州大学大学院修了.工学博士.現在,佐賀大学知能情報システム学専攻 准教授.2003年度よりJABEE活動に受審側・審査側の立場で参加し,2008年度より本会の高度IT資格制度に取り組んでいる.2013年度よりISO/IEC JTC1/SC7/WG20委員としてISO/IEC 24773の改訂に参画.データベースおよびソフトウェア工学を専門とする.2012年度 本会・優秀教育賞受賞.JIP特選論文表彰.本会・シニア会員.
パネリスト:金子 啓一郎 (三菱電機株式会社 人材開発センター ビジネス教室 主席技師長)
【略歴】慶應義塾大学大学院(機械工学専攻)工学修士.三菱電機(株)にて光学電子機器の開発を担当後,アリゾナ大学 Optical Sciences Center に留学,光学設計を学び,修士課程修了.(Master of Science) 帰国後,三菱電機で航空機用センサシステムのプロジェクトマネジャーとして開発に携わる.2010年から現所属でコーポレートの人材育成に従事.問題解決・論理思考,グローバル化,プロジェクトマネジメントの教育施策を企画・運営.三菱電機技術士会理事.技術士(経営工学部門,機械部門),米国PMI認定PMP (Project Management Professional),英検1級,工業英検1級.
パネリスト:佐渡 一広 (群馬大学 社会情報学部 教授)
【略歴】1977年東京工業大学理学部情報科学科卒業.1979年同大学院修士課程修了.1983年同大学院博士課程単位取得退学.1983年群馬大学工学部助手.1987年同大学助教授.1993年同大学社会情報学部助教授.2010年同大学教授,理学博士.プログラミング言語,教育支援,電子民主主義等に興味を持つ.アクレディテーション委員会委員長,ACM,IEEE,日本ソフトウエア科学会他会員.