Future of Computing - bits/neurons/qubits –
山道 新太郎(日本アイ・ビー・エム株式会社)
将来のコンピューティング技術は、bitsとneuronsとqubitsの異なるハードウェア要素の組み合わせの上に構築されると考えられる。bitsという概念は数学と情報が結びついたものであり、物理的・経済的障壁を克服しながら今後も集積度を高めてゆくと考えられる。一方、neuronsという概念は生物学と情報が結びついたものであり、既存のフォンノイマン型では実現不可能な低消費電力かつ高速のAI向け演算を可能とする。qubitsは物理学と情報が結びついた概念であり、量子重ね合わせと量子もつれという現象を計算機に活用することで、これまでの計算限界を超える可能性を模索している。これらのハードウェア要素の組み合わせは統合され、Hybrid Cloudの環境でユーザにそのハードウェアの違いを意識させることなく提供されるであろう。そしてそのHybrid Cloudの環境上でAIやプログラミングの自動化によって様々なアプリが開発され、世の中に貢献してゆくと考えられる。本講演では、neuronsとqubitsの例として、neuromorphic deviceとquantum computingの開発状況、及び将来のコンピューティング技術で最も加速される例の一つとして、AIによる新材料探索の技術を紹介する。