耐量子計算機鍵共有方式の組込み機器向け実装に関する検討
○船越 秀隼,本間 尚文(東北大学)
本発表では,近年注目されている耐量子計算機鍵暗号の組込み機器向け実装について述べる.特に,超特異楕円曲線間の同種写像(Supersingular Isogeny)に基づくDiffie-Hellman型の鍵共有方式(SIDH)の組込み機器向けの高効率実装を検討する.SIDHは,他の耐量子計算機暗号と比較して最大1000分の1以下の鍵長での利用が可能であり,組込み機器に適する方式の一つとして期待されている.本発表では,現在組込み向けに広く用いられるARMプロセッサを対象としてSIDHの最適化を行い,汎用のC言語実装と比較して高速化されることを示す.