単一磁束量子回路を用いたゲートレベルパイプライン・プロセッサの設計と評価
○石田 浩貴(九州大学),田中 雅光(名古屋大学),小野 貴継,井上 弘士(九州大学)
近年,CMOSプロセッサは消費電力の増大に伴い,動作周波数の向上が頭打ちとなっている.この問題を解決する手段として,原理的に低消費電力性を有する超伝導単一磁束量子(SFQ)回路の利用が挙げられる.著者らはSFQ回路を用いた高性能プロセッサの実現に向け,ゲートレベルパイプライン構造を基本とするアーキテクチャ設計指針を提案し,それに基づく8ビット算術論理演算ユニットの試作,および,4ビットプロセッサの設計を行った.算術論理演算ユニットは56GHzでの動作実証に成功し,その際の消費電力は1.6mWであった.また,プロセッサはシミュレーションによって6.6mWの消費電力で最大30GHzの動作周波数を達成できることがわかった.