長期体内埋め込みを可能にするCMOSチップ搭載高解像度人工視覚システム
○西村 信耶,野田 俊彦(奈良先端科学技術大学院大学),寺澤 靖雄(株式会社ニデック),春田 牧人,笹川 清隆,徳田 崇(奈良先端科学技術大学院大学),太田 淳
失明した患者の網膜を電気刺激することで視覚を再建する人工視覚の研究開発が進められ,一部で実用化が始まっている。我々の研究室では,CMOSチップを刺激電極に内蔵したスマート電極デバイスを開発し,少配線での多電極駆動を実現してきた。人工視覚デバイスのような体内埋め込みデバイスでは,長期埋植時の耐久性担保の観点からCMOSチップの気密封止が重要である。今回提案するデバイス構造では,多極化による人工視覚デバイスの高解像度化が高い耐久性とともに実現可能となる。また本構造は,埋め込み部位や用途に応じて変えることができる設計柔軟性と一部が故障した場合もアレイ全体としては動作を継続できるロバスト性を併せ持つ。