負性容量帰還によるミリ波帯多段増幅回路の雑音指数最小化
○香原 翔太,天川 修平,吉田 毅,藤島 実(広島大学)
低雑音増幅器では,一般にソースディジェネレーション・インダクタが雑音指数(NF)の低減に用いられる.しかし,これは利得も低下する.多段増幅回路では,前段の利得が後段のNFに影響するため,一段あたりのNFを最小化することが多段増幅回路のNFを最小化するとは限らない.そこで,本研究では,ソースディジェネレーション・インダクタに起因する多段増幅器の利得低下を補償するため負性容量による局所帰還を用いた.局所帰還パラメータの最適化を行うと,ソースディジェネレーション・インダクタのみの場合に比べてNFが大きく改善し,このことより,ゲート・ドレインの間の負性容量が多段増幅器のNF低減に効果的であることを示した.