携帯可能な高精度キネマティックGPS受信機を開発した．これは，キネマティック測位によりミリメートルオーダの精度で測位することができる，世界最小級のGPS受信機である．装置の小型化の影響により，PCB基板上のLSI，特にCPUとGPSモジュール間で電磁妨害（EMI）が発生し，1575.42MHzのGPS衛星信号の受信感度の劣化，および測位誤差の増大を引き起こしていた．そこで本研究では，スペクトラムアナライザ付オシロスコープ（Tektronix社MDO3024）を用いてEMIの発生箇所を特定するとともに，体積抵抗率1×10^12ΩcmのEMI吸収シートを導入し，受信感度を約10dBHz改善することに成功した．