動的な動作環境変動への耐性を有する自律制御キャッシュを提案する．提案キャッシュは大振幅の電源電圧ドループ下でも安定動作を継続する．安定動作を実現するために，7T/14T SRAMとオンチップ電圧・温度モニタを利用している．7T/14T SRAMは，動的に動作マージンを拡大するように再構成することができる．自律制御キャッシュは電源電圧と温度のモニタリング結果を用いて，動的に7T/14T SRAMを高信頼モードに変更することで，安定動作を継続する．評価の結果，振幅30%までの電源ドループ下ではエラーが生じず，振幅35%では自律制御しない場合と比較して91倍エラー率が改善されることを確認した．