電子情報通信学会ソサイエティ大会講演要旨
CI-2-5
粘菌アメーバに学ぶ知能システム
青野真士(慶大)
「自然計算(Natural Computing)」は,今世紀に入り研究が活発化している新たな学際領域である.そこでは,自然現象の観察に基づいて計算モデルを構築し,その本質を分析し普遍化した上で,自然現象を活用するマテリアルにより再実装することで,新たな計算や応用の可能性を追求するとともに,自然現象の新たな理解を生み出すことが目標となっている.著者らは,環境に適応的な行動を効率よく選択できるアメーバ状単細胞生物・粘菌の時空間ダイナミクスに着想を得て, 組合せ最適化問題や意思決定問題の解を高速に探索するアルゴリズムを定式化し,類似したダイナミクスや揺らぎをもつマテリアルを用いて小型・低消費エネルギーで効率的な解探索を行う非ノイマン型計算機を構築するヒントを探ってきた.本講演では,「充足可能性問題」と呼ばれる組合せ最適化問題の解を探索するアメーバ型アルゴリズムと,そのデバイス実装に関する研究を紹介する.