電子情報通信学会ソサイエティ大会講演要旨
C-6-1
Cu-Zn-Snスピンコート・プリカーサ膜と硫化水素を用いて作製したCu2ZnSnS4膜の特性におよぼす硫化開始温度の影響
○田橋正浩・宇野直暉・高橋 誠・後藤英雄(中部大)
我々は低コストで作製できるCu2ZnSnS4(CZTS)太陽電池に注目した。これまでに我々は有機酸塩を原料に用い塗布熱処理法によってCu-Zn-Snプリカーサ膜を作製し、これを硫化水素で硫化することでCZTS膜の作製に成功している。これまでに「Cu-Zn-Snプリカーサ膜の作製工程」、「硫化処理工程」における組成について調べてきた。その中でも特に硫化処理工程におけるZnの減少が明らかとなった。このとき、硫化水素ガスは処理温度450-550℃に達してから供給しており、処理温度に達するまでの温度域ではキャリアガスであるアルゴンガスのみを流していた。そのため、亜鉛の融点419℃を超えてから処理温度に達するまでの間、亜鉛は硫化水素と反応することなく蒸発してしまったことが原因と考えた。
そこで本報では、硫化水素ガスを供給開始する温度を、処理温度に達してからではなく、亜鉛の融点以下の400℃から供給開始することで亜鉛の蒸発抑制を試みた。