電子情報通信学会ソサイエティ大会講演要旨
C-4-1
生産性向上に向けたMOVPE装置設計の変遷:窒化物への適応からIII-V族への展開
○松本 功・生方映徳・朴 冠錫・矢野良樹・田渕俊也・小関修一(大陽日酸)・Hassanet Sodabanlu・渡辺健太郎・中野義昭・杉山正和(東大)
III-V族太陽電池製造の生産性向上を目的にMOVPEによるGaAsの成長速度を120μm/hまで高速化した.装置設計指針は窒化物半導体のMOVPE装置のデザインを流用したものである. 窒化物半導体向けの設計指針はIII-V族のMOVPEの性能向上にも有用なことが示されたといえる. 本講演では,窒化物半導体のMOVPEにおいて問題となった気相反応と粒子成長について説明し,流れにおける粒子と原料との相互関係の最適化ならびに希釈率の大きな流れで物質移動係数を高く維持する設計により解決されたことを説明する. 高速成長においては原料の有機金属由来の炭素の混入が避けられない. 高速成長を利用できるためにはデバイス応用において炭素不純物をどの程度許容できるかが大きな要素となる. この意味で高純度の厚膜を必要とするバルクGaN基板上の高耐圧縦型ダイオードとGaAs太陽電池は両極端の要求を持つ. そこでこの両者を比較してスループットとコストの関係について述べ,併せてGaN中トラップ濃度,太陽電池特性も紹介する.