電子情報通信学会ソサイエティ大会講演要旨
B-21-8
分散リアクタンス補償を用いた共振器内電流分布均一化に関する検討
◎成末義哲・川原圭博・森川博之(東大)
アンテナの物理形状は周波数により制限される.この認識は放射型のアンテナのみならず,磁界共振結合型無線電力伝送で用いる共振器に対しても同様である.動作周波数が高く,また,共振器形状が大きくなると,電流分布に偏りが生じ,ときには共振器内部で電流の向きが逆転する.その際,共振器内で磁界を相殺するため,共振器の性能指標であるQ値の低下に直結する.
共振器設計のパラメータ調整がいまだ試行錯誤的に行われている一因も電流分布の不均一性にある.電流分布を解析的に導出することで共振器設計を行う手法も提案されているが,これは電流分布が均一であることを前提とした手法である.ゆえに,適用できる共振器形状は電気的に小型とみなせる範囲に制限され,主に6.78MHzを用いる磁界共振結合型の無線電力伝送においては,この形状に関する制限が適用先を狭めている.
本稿では,分散リアクタンス補償により共振器内の電流分布を均一化可能であることを電磁界シミュレーションを用いて示すとともに,分散リアクタンス補償に用いるキャパシタンスの計算手法を定式化する.加えて,分散リアクタンス補償により電流分布が均一化される要因を考察する.