電子情報通信学会総合大会講演要旨
B-21-28
D級インバータを応用した可変リアクタの実装評価
◎成末義哲・川原圭博・浅見 徹(東大)
2007年に提案された磁界共振結合型の無線電力伝送は,他の手法と比較して中距離を高効率給電可能であるため,電気自動車への無線充電や室内におけるポータブル機器への給電など様々な応用が期待されている.この手法においては送受電器が電気的に共振状態にあることが重要であるが,共振器周辺に存在する物質の影響により共振周波数が変化してしまい,その結果,伝送効率や力率が劣化してしまうという問題が存在する.この問題を解決するために,我々はD級インバータを応用した可変リアクタンス回路を提案した.この回路は,電源電圧と,MOSFETのスイッチングタイミングとの位相差に応じて,任意のリアクタンス素子として動作可能であることが解析的に示されている.本稿では,シミュレーションおよびGaN MOSFETを用いた実機測定により,可変リアクタンス回路の性能を評価した.シミュレーションによるとQ値の最大値は1000程度である一方,現在の実装においてはQ値の最大値は約16であった.現状では損失を無視することはできないが,力率補正という観点では,現在の性能でも無線電力伝送に対して十分に適用可能であると考えている.