電子情報通信学会総合大会講演要旨
A-2-4
高次元結晶による空間充填
○佐藤郁郎(宮城県立がんセンター)・秋山 仁(東京理科大)
高次元の最密球充填問題はよく研究されている。とくに8次元と24次元球による最密充填は通信理論を介して現代生活を担保するほどの重要な応用になっている。しかしながら、その多面体版である高次元多胞体充填(高次元結晶)となると、首をかしげたくなるほどまったく理解されていないといえるだろう。これまで群論的あるいはグラフ理論的な方法が最もエレガントなアプローチ法といわれてきたが、それでは限界があるのであって、研究の方法論を変革する必要がある。抽象的な言い方になるが、実は多面体はDNAをもっていて、高次元結晶の場合であってもそのDNAを解析することによって図形情報(k次元面数とその形、体積や表面積など)を簡単に求められるようになる。その方法を「ワイソフ算術」と呼ぶことにするが、その応用として任意のn次元には4種類の結晶(ミンコフスキー結晶・BCC結晶・FCC結晶・HCP結晶)を構成できることがわかった。数学上の仮想的な結晶で実在しているわけではないが、それらの諸計量や安定性について報告したい。