電気学会全国大会講演要旨
6-127
連系線潮流データのクープマンモード分解: ベクトルプローニ解析の適用
○薄 良彦(京都大学)・太田 豊(東京都市大学)
近年, センシングや情報通信技術の発展に伴い, 電力システムの動特性に関わる大量データが取得可能となり, これらのデータのシステム解析および制御への活用について様々な研究が進められている. 筆者らは, 非線形クープマンモード分解と呼ぶ新しい時系列データ分析法に着目し, 電力システムのデータ駆動型解析について研究を進めてきた. 非線形クープマンモード分解(Koopman Mode Decomposition: KMD)とは, 非線形性に起因する複雑な振る舞いの時系列データをクープマンモードと呼ぶ複数の単一周波数時系列に分解する方法である. 本報告では, 観測時系列データからKMDを実行するために最近提案されたベクトルプローニ解析を紹介し, 本解析法を電力広域的運営推進機関で公開されている連系線潮流データに適用した結果を述べる.