電気学会全国大会講演要旨
6-125
安定性解析のための風力発電機群縮約アルゴリズムの基礎検討
◎辻井佑樹・渡辺雅浩・中谷正親・中村亮介・今林正剛(日立製作所)・田村淳二(北見工業大学)・斎藤浩海(東北大学)
近年,地球温暖化防止や化石燃料の枯渇等のエネルギー問題解決のため,電力系統への再生可能エネルギー発電の導入拡大が進んでいる。特に世界全体の風力発電機の導入台数は2003年から2013年までに約8倍となり,2013年時点で約32万台となった。パワーエレクトロニクス機器を介して系統連系される風力発電機が増加すると,大規模系統の過渡安定性解析には膨大な時間を要することが予測される。現在までに,故障に対して共通の回転型発電機の縮約モデルを作成する手法が考案されている。しかし,故障時の電圧低下による風力発電機のFRT (Fault Ride Through) 要件まで考慮した縮約モデルを作成した例はこれまで見当たらない。そこで本研究では,風力発電機群の縮約において,過渡安定性の精度低下を防止するアルゴリズムを開発した。