電気学会全国大会講演要旨
6-036
アークから周囲へ到達する熱エネルギー
◎田所 兼・古川静枝・市川路晴(電力中央研究所)
各種電力流通設備では,短絡故障が想定される電気的な弱点部にアークを発生させる耐アーク試験が実施されている。当所では,この耐アーク試験で得られる知見をより充実したものにするため,アークから周囲への熱的な影響の定量的な評価手法について検討している。本稿では,IEC規格に準拠した熱量計を作製し,大気中の電極間で発生させたアークからの距離300〜1000mmにおける熱エネルギーを調査した。その結果,アーク近傍の熱エネルギーは,アークの放射熱に加えて,高温の金属粒の飛散や高温ガスの影響によって高まることが分かった。