電気学会全国大会講演要旨
6-034
電界印加による高温SF6ガス中の電子増倍過程に関する基礎検討
◎村北慶輔・横水康伸・松村年郎(名古屋大学)
電力機器において高温ガスが形成されると,電圧印加の下では,高温ガスを通じて火花放電が起こることがある。この火花破壊は,粒子間の衝突や拡散といった諸現象に起因するものであると考えられる。本稿では,SF6ガス中における電子増倍に寄与する反応として9個の反応を考慮し,対象粒子9種それぞれに関する粒子数密度連続の式を構築した。これら九つの粒子数密度の連続の式をCIP-CSL2法により解いた。今回は,研究の第一段階的検討として温度300 K を取り上げ,印加電界を3通り設定した。本稿の設定条件の下,印加電界値の違いにより,陰極から放出された電子が電界印加方向へ移動し,その数密度が減少また増加していく過程を明らかにした。