電気学会全国大会講演要旨
6-017
スリット入りCuCr電極の真空中絶縁破壊特性及び電界増倍係数βの比較
◎佐藤一樹・山納 康(埼玉大学)・浅利直紀・塩入 哲・市川貴善(東芝)
真空遮断器の接点形状は遮断時に発生するアークが集中しないようにアークを駆動・分散させるためのスリットを入れた構造となっているものがある。そこでCuCr合金を用いた平板電極にスリットを中央に1つ入れた簡略化された構造においてスリット端部の曲率半径を変えた電極で真空中において繰り返し絶縁破壊試験を行った。絶縁破壊電界が飽和した領域において曲率半径が大きくなるに従って50%破壊電界は正に,電界増倍係数は負に相関を持っていることがわかり,これは絶縁破壊電界と電界増倍係数の積で表される実効破壊電界が曲率半径によらずほぼ一定値となったため,電界増倍係数の小ささが耐圧向上につながっていることを表していると言える。