電気学会全国大会講演要旨
6-007
TiO2/PTFEを用いた誘電率傾斜機能材料(FGM)による電力機器の電界緩和効果
◎張 逸凡・宮路仁崇・栗本宗明・小島寛樹(名古屋大学)・加藤克巳(新居浜工業高等専門学校)・早川直樹(名古屋大学)
ガス絶縁開閉装置(GIS)などの高電圧機器の電界利用率を向上させるため,筆者らは,比誘電率分布を空間的に傾斜させたFGM(Functionally Graded Materials)のGISスペーサへの適用を提案している.今回, TiO2とPTFEをフィラーとして用いたFGMの誘電率分布を粒子運動シミュレーションより推定した.先行研究に使っていたTiO2/SiO2を用いたサンプルに比べ, TiO2/PTFEを用いたサンプルにおいては,同程度の誘電率比を実現し,低誘電率方向にシフトしていることがわかる.さらに,この誘電率分布を有するFGMを同軸ディスク型のGISスペーサモデルに適用した際,最大電界が従来のスペーサに比べ20.4%低減された.