電気学会全国大会講演要旨
5-095
10T級MRI用高温超電導磁石の開発-REBCOマルチコイルにおける遮蔽電流による不整磁場の評価試験と解析-
◎小曽根裕一・持田 歩・王 韜・石山敦士(早稲田大学)・植田浩史(大阪大学)・宮崎寛史・戸坂泰造・野村俊自・来栖 努(東芝)
我々は,10 T級(9.4 T)ヒト全身用MRIへの適用を目指した高温超電導コイルの研究開発を行っている。REBCOコイルでは,遮蔽電流による不整磁場(以下,遮蔽電流磁場)が,発生磁場の空間的均一性や時間的安定性に影響を及ぼす。さらに,MRIでは複数のコイルを使用したマルチコイル構造が用いられるため,各コイルの発生磁場が相互に影響し合い,遮蔽電流がより複雑に誘導される。そのため様々な励磁条件における遮蔽電流磁場の振舞いを明らかにする必要がある。本研究では,REBCOマルチモデルコイルを作製し,遮蔽電流磁場の低減に適したオーバーシュート量について実験と数値解析により検討したので報告する。