電気学会全国大会講演要旨
5-093
m級無絶縁REBCOパンケーキコイルにおける銅安定化層厚の熱的安定性に対する影響
◎矢代聡佳・勝俣一輝・大木隆広・池田愛花・王 韜・石山敦士(早稲田大学)・野口 聡(北海道大学)・王 旭東(高エネルギー加速器研究機構)・渡部智則・長屋重夫(中部電力)
無絶縁REBCO線材を巻線したコイル(以下「NIコイル」)は、本来二律背反の関係にある高電流密度化と高熱的安定化の両者を満たすと考えられている。今回は医療用加速器やMRIなどの実応用を想定したm級コイルの過渡的な熱的安定性について、従来の絶縁REBCO線材を巻線したコイル(以下「INSコイル」)と比較検討を行った。解析にはPEEC(Partial Element Equivalent Circuit)モデルと熱解析を連成したモデルを使用し、局所的超電導線材劣化時の挙動を解析した。熱解析の結果を比較すると、INSコイルではホットスポットが発生し、安定化層厚が薄いほど劣化部のコイル最大温度が上昇した。一方NIコイルでは安定化層厚によらず局所的温度上昇が見られず、コイル内温度上昇も小さかった。