電気学会全国大会講演要旨
4-144
MMC-HVDCの潮流反転制御に関する実験検証
◎菊地 健・梶山拓也・灘 香帆・藤井俊行(三菱電機)
モジュラーマルチレベルコンバータ(Modular Multilevel Converter、以下MMC)は単位変換器であるセルを複数台直列に接続した構成であり、セルの増加により比較的安易に高耐圧・大容量化が可能となる点、出力電圧の高調波成分が少ないためフィルタの小型化が可能となる点、変圧器に標準品が適用できる点などの利点がある。また、遠方で発電した電力の長距離送電が可能となる高圧直流送電(High Voltage Direct Current、以下HVDC)の需要が増大しており、MMCを適用したHVDCの開発が進められている。HVDCは、定常時では交流系統1から交流系統2へ電力を送電しているが、交流系統1で事故が発生した際は、交流系統2から交流系統1へ緊急的に電力を送電する(潮流反転)ことが要求される。本稿では、3.5kVAの実験システムを用いて動作検証を行い、MMC-HVDCが安定した動作を維持して高速な潮流反転が可能であることを示した。