電気学会全国大会講演要旨
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非対称な直流電源を持つ3レベル電力変換器による電圧ひずみ低減法に関する検討
◎河原智彦・綾野秀樹・松井義弘(東京工業高等専門学校)
近年は自然エネルギー発電などが注目されており,一旦発電した電力を二次電池に蓄える方式が採られている。この場合の二次電池は複数のセル電池を直列接続しているため,出力電圧には自由度を持たせることができる。本研究では,負極電位基準方式と正極電位基準方式の2種類の2相変調方式,DCリンクの電圧を非対称にする3レベルインバータにおいて,電圧比を変化させた場合の電圧THDをシミュレーションにより比較する。提案方式では変調方式を切替えることで,従来の3レベルインバータと比較して変調率が0.55未満と0.63以上の範囲で電圧THDを低減できる。特に変調率が0.4の場合に約9ポイント,変調率が0.8の場合に約1.7ポイントTHDを低減できる。