電気学会全国大会講演要旨
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アルミ電解コンデンサの矩形波電流と正弦波電流流入時の損失比較
◎上妻健太郎・長谷川一徳(九州工業大学)・西澤伸一(九州工業大学,産業技術総合研究所)
パワーエレクトロニクス回路においてアルミ電解コンデンサが小型化と信頼性向上の障害となっている。一般的に,コンデンサの特性は単一の正弦波で評価されるが,実回路でコンデンサに流入する電流波形はスイッチングに伴う多数の周波数成分を有する矩形波である。本稿では,コンデンサの矩形波電流流入時の損失を温度上昇幅の測定によって推定する。流入する電流の周波数成分が基本波のみの場合と,矩形波を展開した各次高調波が含まれる場合の損失を比較する。基本波成分は1kHz矩形波電流時の場合,5次高調波まで考慮した電流波形を流入すれば矩形波電流流入時の損失を1%以内の精度で推定可能であることを確認した。