電気学会全国大会講演要旨
4-064
電源同期スイッチングを用いた三相 VVCF 電力変換器の瞬時電圧低下補償機能の実機検証
◎米田一己・伊東淳一(長岡技術科学大学)
従来,DVR(Dynamic Voltage Restorer),UPS(Uninterruptable Power Supply)をはじめとする系統機器向けに,三相AC-AC変換器が盛んに研究されている。しかし,従来回路で用いられるPWM駆動法は,常時多数のスイッチを高速駆動するため,スイッチング損失が常時発生する問題をもつ。そこで著者らは電源の位相に同期したスイッチングが可能な三相AC-AC変換器を提案しており,CVCF(Constant Voltage Constant Frequency)動作時においてスイッチング回数を90%以上低減できることを実機にて確認している。本論文では,同回路の変調法を拡張することでVVCF(Variable Voltage Constant Frequency)動作が可能であることを実験より確認した。3kWミニモデル実機を用いた実験では,瞬時電圧低下を模擬し,入力電圧を1 p.u.から0.6 p.u.まで過渡的に変化させた時においても負荷電圧を1 p.u.に維持できることを確認している。また,定格負荷時においてCVCF動作では97.1%,VVCF動作では93%の変換効率を確認した。