電気学会全国大会講演要旨
4-022
スプリットゲート構造を有する低ミラー容量IGBT
◎桜井洋輔・大井幸多・伊倉巧裕・吉本篤司・杉村和俊・小野澤勇一・高橋英紀・大月正人(富士電機)
昨今、スイッチング電源やUPS等のアプリケーションにおいて、IGBTの更なる高速化が要求されている。本報告では、高速化の一手法としてスプリットゲート構造を提案する。本構造では、トレンチ内のゲート電極を2つの領域に分割し、フローティング層側の領域をエミッタ電極に接続する。これによりゲートとフローティング層の容量結合が小さくなるため、ミラー容量を低減できる。その結果、一般的なトレンチゲート構造に対してゲート電荷Qgが約30%低減され、更にFWDの逆回復dV/dtのゲート抵抗による制御性も改善した。本構造の適用により、低損失・低ノイズなIGBTを実現することが可能となる。