電気学会全国大会講演要旨
3-096
ケミレジスタのための導電性分子認識吸着剤
◎篠原 翔・劉 傳軍・林 健司(九州大学)
匂いは我々の生活に欠かすことのできない情報であるが、現在のところ「基準となる匂い」すなわち「基本臭」が明確に定義されていないため、主観的で曖昧な言葉によって表現されており約40万種類あると言われる匂いを定性定量することは困難である。そこで生物の嗅覚受容機構を模倣し匂いを分子の構造情報の際により分類・認識することにより匂いの定性定量を目指した。本研究ではケミレジスタを用いた匂いセンサの作成のために、導電性を示す吸着剤の上に分子鋳型フィルタを堆積させた分子認識材料を作成し、複数の匂い物質から構成される混合臭中における吸着特性を評価した。測定結果から導電性物質を混合した吸着剤においても従来の研究と同様に鋳型分子に対して高い吸着特性を示すことが確認できた。