電気学会全国大会講演要旨
3-090
8分岐トーナメント型流路を用いた小型電気化学滴定装置の開発
◎柿本紘希・樋口俊一・竹迫良紀・村上裕二(豊橋技術科学大学)・三宅 亮(東京大学)
本研究では,小型連続電気化学滴定装置を作製し,その特性を検証した。濃度勾配を形成するPDMS製トーナメント型流路の最下流に電気化学フローセルアレイを形成した。両面Deep RIEなどによりシリコンウェハから流路鋳型,MEMSミキサを作製した。流路鋳型をPDMSに転写し,MEMSミキサを組み込んで流路を作製した。今回は8分岐流路末端にてチップ内で再合流しないことで安定化させ,従来の構造で採用していた中間絶縁層を排除したことにより,液漏れや気泡残留に伴う電気化学応答の消失などの問題を低減した。チップにヨウ素溶液とチオ硫酸ナトリウム溶液を流入させ,想定していた滴定曲線を得ることができたため,電気化学滴定の原理検証に成功した。