電気学会全国大会講演要旨
2-128
低周波帯における磁性薄膜素子のインピーダンス変化増大とその要因の考察
◎住田千尋・菊池弘昭(岩手大学)・植竹宏明・薮上 信(東北学院大学)・枦 修一郎・石山和志(東北大学)
数ミクロン厚の磁性薄膜素子において、数MHz〜数十MHz帯域で観測された磁気インピーダンス変化の増大について検討を行った。比較的幅の狭い素子の場合、素子長手方向に磁場を印加した場合に数十MHz帯域で大きなインピーダンス変化が観測された。インダクタンス分において急激な減少が見られることから、透磁率が急激に低下しており、その要因として磁壁の共鳴が関与している可能性が大きいことを明らかにした。100MHz以上の高周波と比較してインピーダンスの変化量は減少傾向にあるものの感度特性の低下は磁化回転のみによる変化の場合と比較して少ないことがわかり、薄膜を用いた低周波駆動可能な磁界センサの可能性を示している。