電気学会全国大会講演要旨
2-113
pHバッファーを用いた水溶液によるGHz伝導ノイズ抑制体用フェライト膜の作製
◎田中優志・清野裕斗・松下伸広(東京工業大学)
溶液プロセスであることから低温で真空排気設備が不要なスピンスプレー法は簡便な装置であるにも拘わらず、良質なフェライト薄膜を安価に作製できる。低温で作製できるため半導体デバイスを実装したプリント基板等に直接成膜できるという特徴を活かして、我々は本手法で作製したフェライト膜の電子デバイスにおける伝導ノイズ抑制体としての応用を目指した研究を行ってきた。本研究では、pH調整剤を用いて反応場のpHを制御することで、高い結晶性を保ったまま、従来よりも高い成膜速度を達成した。本手法で作成したフェライト薄膜は数百〜3GHzの領域において磁気損失を有し、ノイズ抑制効果に期待ができるものとなった。