電気学会全国大会講演要旨
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ポリエチレン粉体投入時における大電力誘導熱プラズマの分光観測
◎別院利城・福澤未夢・田中康規・上杉喜彦・石島達夫(金沢大学)
高周波誘導熱プラズマ(ICTP)は,高温・高反応性を有しており,固体原料をガス化させることが可能である。筆者らは,このICTPを,機能性炭素膜の生成に応用することを考えている。そこで炭素源として,融・熱分解点が比較的低温であり,分子・原子化が容易であると推測されるポリエチレンPEに着目した。このような背景から,ICTP中へのPE粉体投入時の熱プラズマの性状を把握するために分光観測を行った。その結果,C2発光スペクトルおよびH原子スペクトルが観測された。これらは炭素膜生成応用において,膜の性質に影響を与える重要なラジカルである。C2発光スペクトルが観測されたことから,PEが分解し炭素分子が生成していることが判明した。