電気学会全国大会講演要旨
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溶融ブリッジ電圧でアークレス転流を実現するハイブリッド直流遮断器
◎早川達也・坪井祥紀・生出珠之助・竹内 希・安岡康一(東京工業大学)
直流送配電の増加や分散型電源の普及に伴い,直流遮断器の需要が増加している。直流は電流零点を持たないため,開極時のアーク放電を消弧することが難しく,電流遮断も難しい。また長時間のアーク放電は,電極を損耗するため,アーク時間の短い直流遮断器の開発が重要である。この要求に応える一方式として,電気接点と並列に半導体素子を接続したハイブリッド直流遮断器がある。本研究では従来の半導体素子と比較して低オン抵抗であるSiC-MOSFETを2並列接続して使用することによって,接点開極直後の溶融ブリッジ電圧のみで電気接点を流れる75 Aの電流がSiC-MOSFETに転流し,アークレスな転流を観測したので報告する。