電気学会全国大会講演要旨
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耐アーク防護服用の溶発性繊維に対する紫外線照射時の影響の基礎的検討
◎松島智也・宇都宮裕人・田中康規・上杉喜彦・石島達夫(金沢大学)・見尾 渡・大関達郎・内堀恵太(カネカ)
アークフラッシュ事故によって発生する高熱流から作業員を保護するため,防護服の耐熱性能向上が望まれる。筆者らは,ポリマ溶発現象に伴う高速ガス流による熱遮蔽機構の解明を検討している。しかし,溶発現象により遮蔽できるのはアークからの熱流のみであり,強力な放射光への対策をおこなう必要がある。そこで今回,筆者らはアークからの放射パワーの大部分を占める紫外線に着目した。紫外線の溶発性繊維および耐熱性繊維への影響を基礎的に検討するため,紫外線照射前後の布材の全反射率変化を測定した。その結果,溶発性繊維における変化が大きく,アーク放射光の紫外線が有するエネルギーが溶発現象の促進に寄与する可能性があると考えられる。