電気学会全国大会講演要旨
1-053
X点プラズマ中イオンの容器底面への効率的誘導のための側壁バイアス印加の効果
◎仲俣涼平・菅原広剛(北海道大学)
イオン源として開発された誘導結合型磁化プラズマの一種,X点プラズマのプロセス応用を検討するため,本研究ではイオン生成・輸送過程を計算機解析している。本報ではArプラズマを例に円筒容器底面・側壁にバイアスを印加しAr+イオン輸送への影響を観察した。イオンを導くため底面に-100Vを印加した他,容器上部RFアンテナ直下のイオン生成域からイオンが側壁へ拡散し表面で失われるのを抑えるため,生成域付近の側壁の一部に+10V程度の弱い正バイアスを印加し,イオンの軌跡,底面への到達数を解析した。側壁バイアスにより底面到達数はほぼ倍増した。側壁バイアス範囲・強度の最適化でイオン誘導過程での損失減が期待される。