電気学会全国大会講演要旨
1-039
ICAを用いたES細胞の観察
◎馬渕 光・高橋信人・吉田祥子・穂積直裕(豊橋技術科学大学)・関野祐子・佐藤 薫(国立医薬品食品衛生研究所)
生体内の神経細胞は神経伝達物質を放出することで,周囲の細胞に情報を伝達している.この神経伝達物質の放出状況を観察することで,神経細胞の分化状態や神経回路形成を確認することができる.本研究では酵素光反応を用い,2光路による照射と独立成分分析(ICA)による解析を組み合わせた測定システムを開発し,ES細胞の神経伝達物質放出の様子を分化期間に応じて観察した.結果よりICAによって伝達物質放出部分を顕著に画像化することができ,分化期間の違いによって起こる細胞塊の厚さの変化の影響を取り除き,薬液暴露による位置の変化にも対応することができた.さらに,分化期間に対応した伝達物質放出量の変化も確認することができた.