電気学会全国大会講演要旨
1-017
完全導体立方体空洞内電磁界のMoM解析
○濱田昌司(京都大学)
導体壁に囲まれた空洞内の電磁界計算は、密閉環境中に波源が置かれた状況や、電磁環境適合性試験用の反射箱などを扱う際に必要となる。ここでは電界積分方程式に基づく高速多重極モーメント法を用い、微小ダイポール電流源を波源とする完全導体立方体空洞内電磁界を計算し、反復解法(BiCGsafe法)の収束性や直接解法の解との相違等を調べた。同じ空洞の外に波源を置いた散乱問題も同時に調査した。要素辺長=波長/10としてL=立方体辺長/波長=1〜22の範囲で計算した結果、反復回数は空洞・散乱問題(両者の係数行列は同一)でそれぞれLの1.4乗・1.2乗程度で増し、共振部を除くとLの1乗に近付く傾向が見られた。