電気学会全国大会講演要旨
6-102
電力系統における多数の需要家機器高速制御の際の通信遅延のモデル化の考察
◎和田康平・横山明彦(東京大学)・河内清次・石川文雄(中国電力)
近年,太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの電力系統への導入が注目されている。しかし,これらの電源を電力系統に大量に導入すると,既存の発電機の出力調整容量を超える電力の変動が発生し,系統の周波数変動が大きくなる可能性がある。この問題への対策として,本研究ではファストデマンドレスポンス(Fast-DR)を用いて周波数を抑制する方法について考える。Fast-DRは電気自動車(EV)のバッテリーやヒートポンプ給湯機(以下HP)などといった,応答の速い需要家の可制御負荷を電力系統の安定化に用いる技術であり,近年北米を中心に注目を集めている。本論文では,周波数制御シミュレーションにおける通信遅延の影響を考慮した需要家機器群のモデル化について考察する。