電気学会全国大会講演要旨
6-055
絶縁油中アークによる圧力上昇への通電時間の影響
◎田所 兼・神足将司・大高聡也・岩田幹正・天川正士(電力中央研究所)
絶縁油を含む電力機器において,絶縁油中でアークが発生した場合には急激な内部圧力上昇にともなう機器の損傷や高温・可燃性の分解ガス噴出などが懸念される。本稿では,空気,絶縁油の二相系密閉容器内で絶縁油中アークにより生じる圧力上昇現象を調査した。実験で得た圧力上昇最大値から単位アークエネルギーあたりの分解ガスの発生体積を算出した結果,通電初期とその後の通電中で異なる結果が得られた。これは,通電初期はアークに触れる絶縁油が存在するため分解ガスの発生は顕著であり,その後の通電中ではアークの周囲が分解ガスに覆われるため,分解ガスの発生が抑制されることによると考えられる。