電気学会全国大会講演要旨
3-142
SAWストリーミング現象を用いた低揮発性ニオイ物質の高速供給
◎戸部 護・齋藤敦史(芝浦工業大学)
近年注目を浴びている嗅覚ディスプレイ技術において、低揮発性のニオイ分子であっても瞬時に供給できる能力が不可欠である。しかし、これまでに報告されている自然揮発した気体をエアフローによって提示する多くの方法では低揮発性のニオイ物質の提示に多大な時間を要した。 一方、弾性表面波素子(Surface Acoustic Wave:SAW)ではSAWストリーミング現象により液体を強制的に霧化することができる。しかし、この方法ではSAW励振用電極に液体が負荷されることによる損失等が問題であった。 本研究では、上記の欠点を解決することを目的とし、SAW伝搬路上に液体の霧化をアシストするためのろ紙を配置する方法を提案する。このことにより、より低電圧で駆動可能なニオイ供給素子が実現可能である。