電気学会全国大会講演要旨
3-057
デルタ演算子を利用したディジタル制御系設計と多入出力系への拡張
◎江成一樹・森 泰親(首都大学東京)
現在,制御システムはディジタル機器に大きく依存しており,その設計には離散時間表現を扱うこととなる.連続時間系において最小位相で安定なプラントであったとしても,離散化した制御対象が不安定零点をもつ非最小位相系となってしまうことがある.制御則として最小分散制御(MVC)を用いた場合,非最小位相系に対しては制御を行うことが出来ない.そこで本研究では,離散時間系を連続時間系のように扱うことができるデルタ演算子を用いたモデルの変換をMVCに適用する.これによって安定で速応性を維持した制御系を構築することを考え,さらに汎用的な発展性を踏まえて,多入出力系への拡張を考えた設計を行った.