電気学会全国大会講演要旨
3-056
ゲーム理論を用いた企業買収契約オプションの評価
◎小野泰典・瀬古沢照治(神奈川大学)
企業買収を行う前に、買手側・売手側の企業間で買収交渉を行う。買収交渉を終え、合意に至った企業は、合意時の契約に基づいた買収価格で売手を買収する。そのため、買収契約時と買収実行時で企業価値が異なるにも関わらず買収が行われる問題がある。企業買収において買手側に買収損失が発生した場合、売手が買収損失を補填する契約が存在する。しかし、従来の買収契約オプションで利益を得られるものは買手側のみである。そこで、本研究では買収契約オプションの利益をリアルオプションにより算出する。また、買手・売手双方が損失を被らない買収契約手数料をゲーム理論から求める。買手・売手双方の行動が買収合意に至るような買収契約オプションを提案した。