電気学会全国大会講演要旨
3-024
運転士の操縦方法を加味した列車群運行シミュレーションの改良
◎西山正紀・富井規雄(千葉工業大学)
都市圏鉄道では,小規模の遅延が伝播し遅延が拡大する。その要因として,運転士の操縦方法の差異が注目されている。本研究では,運転士,信号,列車をエージェントとしたマルチエージェントシミュレータを開発し,個々の運転士の操縦方法を再現することで,それらと遅延の発生・拡大との関係の検討を行った。そのために,実路線の環境,実ダイヤ,詳細な列車性能データに対応するように改良を行った。運転士の操縦方法については,前詰め運転と理想的な運転の2通りを設定し,遅延状況と運転士の配置を複数ケース設定して実験を行った。その結果,運転士の操縦方法の差異が遅延の回復状況に大きな影響を与えることを明らかにした。