近年,産業界では1DCAEやモデルベース開発(MBD)に基づくシステム設計の重要性が高まっている。これらの手法による開発では,分野横断的な視点を持ち,異分野の専門家と協調しながら設計を進める能力が不可欠である。例えば,半導体製造装置の制御システム設計においては,機械,電気・電子機器,制御ソフトウェアといった多様な分野の知識を統合する必要がある。本OSでは,機械学会(JSME)や日本半導体製造装置協会(SEAJ)に所属する発表者らとともに,1Dシミュレーションに基づく分野横断型のシステム開発や高度専門人材の育成について,産学の双方の視点から紹介・議論する。
生成系AI技術の発展はめざましく、ハルシネーションの発生頻度は低下し、新しい応用例や基盤モデルの報告が日夜行われている。 しかし、ハルシネーションの非発生は保証できず、試行錯誤が許されない状況下での使用は容易ではない。くわえて、訓練に使用するデータの枯渇や訓練時の消費資源の急騰など、現状のアプローチの限界が見えつつある。 このような背景のもと、最新の機械学習技術に関する研究成果の発表を通して、機械学習技術を実際に使用する際の課題について知見を共有し、その課題の解決を目指す議論・情報交換を促進することを企図し、本セッションを企画する。
ビジョンの高度利用や新たな市場開拓を念頭に置き,一つのビジョン研究の方向性について調査研究および提案していくことを目的とするスマートビジョンに関する協同研究委員会のこれまでの活動成果を中心に報告する.本委員会は,主に現状調査やアイデア抽出などを行ってきており,現在,一つの考え方として「より高次で,より容易に使える視覚情報の提供」を共有している.これは,「ビジョンの可能性の追求」の側面を持ち,今後の更なるビジョン展開のための指標の一つとして位置付けられることを期待している.さらに今回は昨年度に立ち上がった生物視覚に関する協同研究委員会との共同開催とし,一見,対極にある高次のスマートビジョンと低次の生物視覚の2つの技術について討論することで,新しい展開を生み出す.
近年,機械学習の進歩により,データからの知識抽出や予測能力が向上し,制御工学分野においても,特徴抽出に基づくシステムの制御性能の向上や,自己学習によるオートチューニングなど様々な研究がなされている。本企画は,機械学習と制御工学に関わる技術の融合をはかることで,それぞれの分野を相互に発展させることを目的とした,さまざまなアプローチに基づく発表により構成される.異なる分野の融合領域を重視したセッションとなる予定であるため,電気学会C部門会員にとって有益なものとなることが期待できる.
データ駆動制御は制御対象から得られるセンサ情報など,時系列データの情報に基づいて制御器や制御入力を決定する手法として,近年のデータサイエンスの急速な発展に伴い注目を集めています。電気学会C部門・制御技術委員会でも「データ駆動制御とそのシステム評価に関する調査専門委員会」を設置し,データ駆動制御の理論的な研究を始め,各種の応用について検討を進めています。そこで,これまでの活動成果の紹介や今後に向けた議論を目的として本セッションを企画いたしました。
等価変換思考(Equivalent Transform Thinking, ETT)理論は,市川亀久彌博士(1915~2000)が,京都大学工学部電気工学科助手時代(1940~)に考案し提唱した日本発の創造性理論である。この創造性研究には,1940年代から湯川秀樹博士(1907~1981)らも加わり,湯川氏自身が創設・主催した「創造性研究会」において市川氏の研究が多数発表された。湯川氏は,この市川氏の提唱理論を自身の言葉で,「同定理論」と呼び,高く評価した。本セッションでは,このETT理論の拡張深化と発展的継承を目指し,当理論的視点による新規アイデアの創出や問題解決,及び教育への応用について討論する。
神経科学、細胞工学、情報科学、電気・電子工学など多様な分野が融合した「神経工学」は、新しい計測・解析技術の開発、脳の計算原理の解明、そしてバイオメディカル・エンジニアリングや医療への応用を重要な柱として位置付けております。本セッションでは、研究者や学生が最近の神経工学に関する研究成果を発表し、議論を通じて互いの研究発展を促すことを目的としています。新たな試みや萌芽的研究に関する発表も歓迎します。また、国内外の関連研究の動向や実験技術の紹介も含めた情報交換を行う合宿セミナーも学会期間中に同時に企画する予定です。
本セッションでは、諸専門領域にて開発されている技術をシステマティックに統合して現実の社会的課題を解決に導く研究体制づくりや方法論を講演・討論を通じて議論する。スポーツ・医療・教育における事例研究発表を基に、講演者・聴講者の各自の専門分野からの視点でディスカッションし、研究成果の社会的実装に向けての意見交換を進める。
様々な分野において熟練者や上級者と呼ばれる人には、一般に情報としての知識ではなく、練習や繰り返しの経験を通して体が覚える「経験知」と呼ばれる知識として'感'や'コツ'と呼ばれるものをそれぞれ有していると言われている。これら「経験知」の中には体では覚えているが、定量的に第三者に伝えるということが困難な技能も含まれており、これらのデータを、定量化することが出来れば、個人が有する技能を他者に伝承する事や、技能を利用した制御則の設計に応用できると考えられている。 本セッションでは,人間が長年の経験や練習で習得した’感’や’コツ’といった特徴的な技能の有効利用をめざし,その特徴的な技能を生体データとして計測する手法やそれらの評価方法,またそれらの結果に基づいた制御技術について幅広く募集します.
生物進化から着想を得た進化型計算に代表される確率的最適化手法は,汎用的な問題解決手法として社会を支える重要な基盤技術となりつつある。一方,深層学習に代表される機械学習は様々な分野で実用されている。近年,確率的最適化手法が機械学習分野で広範に適用されるようになっており,機械学習のさらなる進展が期待されている。本企画セッションでは,進化計算やメタヒューリスティクスに代表される確率的最適化手法を中心として,機械学習やその他の周辺技術について議論する.これらの融合手法に関する研究発表も大いに歓迎する.
本企画は通信技術委員会「ユビキタスワークを推進する通信技術調査専門委員会」が議論してきた無線・有線通信技術を用いたニューノーマル時代のユビキタスプラットフォーム構想を念頭に、これを実現するための電磁波応用技術に関して、電子デバイス技術委員会「次世代電磁波応用を切り拓く先進的技術調査専門委員会」が調査を進めてきた電磁波基礎技術や計測を基礎とした新規材料技術、電力応用、災害予知、次世代通信方式などの観点から議論し、新たな方向性を議論するものである。
メカトロニクスは、機械装置と電子工学の分野横断技術を表現した和製英語として1969年に安川電機の技術者森徹郎によって特許出願された当時から普及してきた。社会に実在する課題は本来的に分野横断的であるため、発展途上国を含め、科学技術の黎明期にある地域では、技術の分化と深化の進んで縦割り体制になった先進国よりも分野横断的な課題解決を行いやすい。C部門では2021年度より、Life Mechatronics Symposium (LMS) と呼ぶ国際的な活動を通して分野横断的な専門技術の連携と我が国の国際化を同時に推進している。本セッションではLMS2024の活動状況報告および分野横断型のメカトロニクス研究について、取り組みや発展などを広く募集する。
現在,重要インフラを取り巻くセキュリティ環境は,IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)技術の進展に伴い急速に変化している。このような課題に対応し分野横断型新システム創成技術委員会では、重要インフラのセキュリティ調査専門委員会を2024年11月に発足させた。本セッションでは、同委員会による(1)重要インフラのセキュリティに関する課題,攻撃事例,技術動向(2)エネルギー分野を始めとする法規制やガイドライン,対策プロセス動向、(3)IoTやAI技術のセキュリティに与える影響および同技術の利活用によるセキュリティ対策強化に関する調査内容を紹介する。
半導体業界はモノリシック設計の限界を迎え、新たなアプローチとしてチップレット技術が注目されています。本セッションでは、「未来を築くチップレット技術:設計・製造・アプリケーションの新潮流」をテーマに、最新の設計手法、製造プロセス、実際のアプリケーション事例を包括的に解説します。 業界をリードする専門家による講演を通じ、チップレット技術の現状と今後の展望、実装時の課題と解決策を深掘りします。また、企業や研究機関が直面する技術的・経済的な課題についても取り上げ、具体的な事例を交えながら実践的な知見を提供します。
ICT・デジタル技術の発展により,これまで提供できなかった新しい価値が生まれておりDX化が進んでいる。DXに関する制御技術の役割は大きく,技術者教育を担う高等学校工業科,工業高等専門学校,および大学の工学系学部などにおける制御技術教育はますます重要となってくる。また,制御技術に関するメーカ企業・ユーザ企業の技術者をはじめ営業系,経営系スタッフにおいても技術発展や関連業界の動向を把握することが求められ,企業内教育の重要性も高まっている。そこで本OSでは,普通教育および技術者教育における教育方法や教材開発等を行う研究者・開発者と制御技術に関するメーカ企業・ユーザ企業の技術者で,DXに向けた制御技術と制御教育に関連する教育方法や評価方法などを紹介・議論する。
IT技術や情報通信技術の発展に伴い,DXは社会に浸透しつつある.本セッションでは,DXの開発や活用について,テクノロジー,マネジメント,その人材育成など多面的な視点での事例紹介などを中心に講演を応募する. 本セッションは実務家からの事例紹介を中心に考えているが,この内容は研究者にとって社会ニーズを理解いただく好機となり,実務家と研究者の融合を促進する一助になることを期待する.
当協同研究委員会は,xR技術に着目し,人文,芸術,教育,スポーツ,エンターテインメント,医療福祉,観光,産業といった様々な分野の専門家がコラボレーションすることで,人間の知覚,認知,行動,技能を解明し,全身動作や感覚呈示を低コストかつ高臨場に知覚可能にし,さらには実空間とバーチャル空間を融合した複合現実空間において,時空間の壁を越えた効果的・効率的なモノ・コトの五感センシング,マイニング,モデリング,レンダリング,インタラクション,訓練・伝承法や,新たな活用法等といった,知・技の解明と伝承,実応用化をxR技術により目指す協同研究を行うことを目的に発足した.本企画セッションでは,当委員会の活動報告や今後の展開について議論する.
ヒューマンセンタードシステムのための情報・制御調査専門委員会では,大学,企業,医療・福祉現場などに所属する研究者・技術者が集まり,介護・福祉分野ならびに第一次産業分野における人間支援システムの構築に要求される情報・制御技術について最新動向を調査・整理するとともに,センサーやアクチュエータなどの周辺技術ならびに人間支援に最適な制御手法の構築とその評価手法について検討しています。この企画セッションでは,ヒューマンサポートシステムの構築に向けた情報・制御技術に関する研究の最新情報,ならびに人間支援分野への開発機器の応用事例等に関する情報交換を行うことを目的としています。
地球規模の環境変動、政界情勢の変化に伴い、科学技術によって解決可能な社会課題が生まれている。本課題では、特に、光技術を利用した社会課題の解決に向けた技術について、最新の成果を題材として議論を深めることを目的とする。
本シンポジウムでは、有機エレクトロニクス、バイオインターフェース技術、ナノ構造形成技術、シミュレーションの融合による次世代デバイスの最前線を紹介します。。 有機薄膜デバイス作製過程の実験、関連する分子動力学シミュレーション、有機太陽電池、有機EL、プラズモン共鳴による分析デバイスなどについて最新の研究を紹介します。 本シンポジウムはC部門とA部門の関連する調査専門委員会による共同企画であり、若手を含めた今後の部門間交流の発展を願って提案されました。
現在車載分野でも組込みHypervisorのリアルタイムスケジューリング方式が大きな話題になっている.更に以前から議論されている,密結合マルチコア方式,特にハードウェア的にはSMPであるが,ソフトウェア的にはAMPの組込みHypervisorにおける,理想的なスケジューリング方式はまだ存在しない.そこで,改めてRTOSレベルのスケジューリング方式も見直したところ,まだまだ改良箇所が存在しそうである.さらに,AD/ADASなどの実現にむけて,AIなどの利用も盛んに論じられるようになってきている.そこで,今回,車載ソフトウェアそのものではなく,それを支えるソフトウェア技術にも注目して,それを議論する場として,このセッションを提案する.
近年、社会の様々な場面で生体情報・画像・CGを応用した技術が実用化されている。本セッションでは、従来より検討されている生体情報処理に加えて、新たに実装可能な画像・CGを用いた研究課題やその応用についての研究課題についても議論する。
機械学習を活用した知的なセンシング技術は,人間のサポートシステムや自動化といった様々なアプリケーションに必要である.近年の技術は実用化レベルで性能と汎用性が高く,世界中で注目を浴びている.この企画セッションでは,収集されたセンサデータに対して機械学習技術を適用することで,どのような知的センシングを実現できるのかに焦点を当てる.バラエティーに富んだセンシングと学習手法に関する講演を募集することで,参加者が技術革新を促進するための洞察を得られるようにする.
ビッグデータを活用する基盤が整備され、計算機性能が進展し続けている現在、ディープラーニングを代表とする高度なAI技術が急速に発展している。これらの技術革新に伴い、インテリジェントシステムの広範な応用形態が提案されている。人と対峙するインテリジェントシステムには、その人を識るためのセンシング技術やインタフェース技術、知的情報処理などが必要不可欠となる。本セッションでは、ヒューマンセンシング技術や機械学習に関する研究、それらを医療・福祉、教育、セキュリティなど多様な分野への応用に関する研究を幅広く募集する。
近年発生している自然災害は、激甚化する傾向にあり,より社会に深刻な影響を与えている.一方、IoTやデジタル化技術の急速な発展は、常時や災害時に現況状況をモニターし、将来予測・診断および情報システム構築へとつなげるセンシング応用技術が、防災保全分野においても注目されるようになっている。本企画セッションでは,分野横断的な観点から、老朽設備や構造物の常時メンテナンスや災害時の復旧対応等に寄与する応用技術を取りあげ、最新動向に関する専門家間の情報交換を行うことを目的とする.
必要なもの・サービスを,必要な人に,必要なときに,必要なだけ提供し,環境性や安全・安心、経済性をも実現するスマート社会がSociety5.0として注目を集めている。また,AI,IoT,ブロックチェーンなどがその基盤技術として活用が期待されている。本セッションでは,エネルギーや教育などの社会インフラの供給側と需要家側の双方について,ICTとスマート社会のあり方に関する研究事例を講演し議論を深める。
この企画セッションでは,ロボットのための制御・知能化技術,人間を支援するシステムの設計・構成法に関する研究の講演を行う.具体的には,人間とロボットが共存する環境における人間の行動センシングに基づいたロボットの動作生成,技能の習得のためのシステム構築やその評価解析,進化・学習アプローチを用いた群ロボットの行動生成技術など,ロボットと人間,またそれらと環境との相互作用に基づくシステムの計測制御,および解析について議論する.また,それらを統合したシステム全般について取り扱う.
カーボンニュートラル、地産地消、エネルギーレジリエンスの実現を目的に、金沢工業大学ではエネルギーマネージメントシステムの研究開発や社会実装に取り組んでいる。本セッションでは、金沢工業大学白山麓キャンパスにおける電熱連携エネルギーマネージメントシステム、扇が丘キャンパスにおける直流給電システムや、再エネ水素システムならびに再エネ水素活用ライトモビリティについて紹介する。また、講演後の金沢工業大学扇が丘キャンパス直流給電システムの見学会も実施する。
カーボンニュートラルの実現やSDGsの達成に向けて,様々な製品に使われるモータの高性能化が進んでいる。本セッションでは,トポロジー最適化,新構造/新材料の適用,省資源,リサイクルなどといった観点から,既存のモータに関するレビューを行うとともに,モータ設計技術の新たな展開の方向性を議論する。
ロボットによる人の活動支援を実現するためには,人-ロボット,ロボット-ロボット,そしてロボット-機械システム間の通信や協調といった接合領域に関する技術を複合的に議論することが必要である.本セッションは,議論の場が異なることの多いこれらの分野における基礎研究から具体的な応用化について,議論の機会を設けることを目的としている.本セッションでは,遠隔操作,群ロボットシステム,そして実社会でのロボット運用など,人の介在する環境における実利性向上を意識した幅広い講演論文を募集する.
様々な「システム」のスマート化への貢献を目的としたモデリングについて,制御,最適化,検証の立場から広く議論する.具体的には,ヒトの意思決定も含むような電力・ガス等のエネルギー,交通,農業あるいは生産システムなどにを対象とし,種々の分野からのシステム理論・技術とそれらの融合や実応用,実装に向けた取り組みに関する研究成果を広く集める.
カーボンニュートラルの実現に向け,電動モビリティの電源や再エネの電力平準化装置等にリチウムイオン電池(Lithium-Ion Battery : LIB)が必須となっている。これらの用途では,電池の信頼性,安全性を損ないやすい急速充放電,落雷や開閉サージ,電力変換器ノイズ等に伴う異常電流・電圧により電池に高負荷が掛かる運用が予想される。したがって,LIBを長く安全に使いこなすために,電池の計測,状態推定(診断),制御に関する研究開発が今後益々重要になると考えられる。そこで本セッションでは,電気工学分野,電気化学分野,シミュレーション分野等の幅広い観点から,異分野間の連携も視野に入れ,LIBの計測,状態推定,制御に関するディスカッションを行う。
人間中心設計 (HCD)とUser eXperience (UX)デザインの密接な関係を探るものです。リアクティブシステムとは、ユーザーの入力や環境の変化に対してリアルタイムで反応するシステムのことを指します。このようなシステムでは、ユーザーが求める情報やサービスを即座に提供することが求められ、UXの向上が重要です。また、最適化はシステムの効率性や効果を高め、ユーザーの満足度を最大化するために不可欠です。人間中心のアプローチは、個々のユーザーのニーズを最優先に考え、直感的で使いやすいインターフェースを提供することを目指します。これにより、リアクティブシステムがより効果的でユーザーに優しいものとなります。
光を使った画像計測は非接触・非破壊検査の要求される様々な産業分野でいまや欠かすことのできない基幹技術の一つとなっている。本セッションでは画像計測技術を支える理論と計算機シミュレーションから高機能光学センサ・イメージセンサの作製技術、そして各種応用、さらにはエンターテインメントや3Dディスプレイなど本分野に関連した講演を幅広く募集し、近隣分野の研究者間の交流を通して当該分野のさらなる学術的発展を狙うものである。